大日本印刷株式会社(7912)に対する株主提案について

カタリスト投資顧問株式会社のプレスリリース

2024年4月18日
カタリスト投資顧問株式会社

大日本印刷株式会社(7912)に対する株主提案について
 
カタリスト投資顧問株式会社(以下「当社」)は、当社が投資助言を行う国内投資信託であるマネックス・アクティビスト・マザーファンド(以下「MAMF」)及びケイマン籍の会社型投資信託であるJapan Catalyst Fund(以下「JCF」)を通じて、日本企業にエンゲージメントを行っております。

 当社は、長期的な視点を持ってMAMF及びJCFの重要投資先である大日本印刷株式会社(以下「DNP」)へのエンゲージメント活動を行って参りました。当社は、令和6年6月開催予定のDNP第130期定時株主総会において、社外取締役として経営学者の楠木建氏を選任することを議案とする株主提案(※)を行いました。

DNPは、2023年5月に公表した中期経営計画において、再構築事業の改革を含む事業ポートフォリオ改革を行うことを施策の骨子としております。DNPは、有機ELディスプレイ用メタルマスク、ディスプレイ用光学フィルム、EVバッテリー用パウチといったビジネスにおいては技術的な優位性を持ち、高いシェアと利益率を誇ります。一方で、印刷やパッケージを中心とした成熟産業においては収益性が低く、構造改革が必要な状況にあります。DNPの企業価値向上のためには、強い事業に更に磨きをかけて競争優位性を高めると同時に、成熟した業界において独自の競争優位性を発揮して利益を確保することが求められています。

楠木氏は、競争戦略を専門とする日本有数の経営学者であり、まさにこれからのDNPに求められる知見を備えた人材と言えます。また、学者としての知見に留まらず、省庁における委員経験や上場企業のアドバイザリーボードや社外取締役としての経験も持ち、様々な企業の企業価値向上に貢献してきました。
楠木氏の考えは2024年4月2日付の日本経済新聞の経済教室への寄稿「好調・日本企業、今後の戦略 すべては経営者次第」によく表れております。資本コストを上回る持続的な長期的利益の創出が重要であるとし、長期利益がすべてのステークホルダー(利害関係者)をつなぐ経営の王道である、と主張されています。更に、競争戦略の要諦は業界のなかで独自のポジションを確立することにあるとし、業界内での位置取りと首尾一貫した戦略ストーリーこそが重要であると述べられています。
これらの考えは、まさにDNPが直面する課題解決の道しるべとなることが期待され、楠木氏がDNPの取締役会に加わることが様々なステークホルダーの利益に繋がり、企業価値向上に資することを確信しております。

なお、楠木氏は当社、MAMF委託者であるマネックス・アセットマネジメント株式会社、及びJCFを運用するGordian Capital Singapore Private Limited(以下「当社ら」)から完全に独立した立場で社外取締役の職務を行うことが可能であり、当社らとの間に取引関係などの一切の利害関係はなく、一切の義務・責任を負っておりません。

当社は様々なステークホルダーとの対話を通じて、真のコーポレートガバナンス改革を推進し、日本の資本市場の進歩、企業価値・株式価値の向上、延いては日本全体の生産性の向上を目標としています。

楠木 建(くすのき けん)氏について

1964年9月12日生まれ。
一橋ビジネススクール特任教授。専攻は競争戦略。
著書として「逆・タイムマシン経営論」(共著、日経 BP、2020年)、「ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件」(東洋経済新報社、2010年)などがある。

略歴    

1992年4月  一橋大学商学部 講師

1996年4月  同大学商学部 助教授

2000年4月  一橋大学大学院国際企業戦略研究科 助教授

2007年4月  同大学院国際企業戦略研究科 准教授

2010年4月  同大学院国際企業戦略研究科 教授

2019年4月  一橋ビジネススクール 教授

2019年12月  スカイマーク株式会社 社外取締役(現任)

2023年4月  一橋ビジネススクール 特任教授(現任)

  

以上

※当社は本株主提案においてマネックス・アクティビスト・マザーファンドの代理人であるマネックス・アセットマネジメント株式会社より復代理人の権限を委任されています。

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