カタリスト投資顧問株式会社のプレスリリース
2024年4月17日
カタリスト投資顧問株式会社
株式会社しまむら(8227)に対する株主提案について
カタリスト投資顧問株式会社(以下「当社」)は、当社が投資助言を行う国内投資信託であるマネックス・アクティビスト・マザーファンド(以下「MAMF」)及びケイマン籍の会社型投資信託であるJapan Catalyst Fund(以下「JCF」)を通じて、日本企業にエンゲージメントを行っております。
当社は、長期的な視点を持ってMAMF及びJCFの重要投資先である株式会社しまむら(以下「しまむら」)にエンゲージメント活動を行って参りました。しまむらは、独自の優れたビジネスモデルを基盤に、商品力と販売力の両面で競合他社が真似できない仕組みを確立し、着実に成長を続けてきました。現在、しまむらは衣料品供給における社会的インフラとしての確固たる地位を築いている素晴らしい企業です。
更なる企業価値の向上と資本効率の改善を目的とし、当社は、令和6年5月開催予定のしまむら第71期定時株主総会に向け、2025年2月期末の配当からDOE(Dividend on Equity、株主資本配当率)5%を定款に新設することを求める株主提案(※)を行いました。今回の株主提案を機に、しまむらに適正な資本規律が導入され、事業の運営効率のみならず資本効率においても優れた企業へ変化することを期待しております。
しまむらの事業は、未曾有のコロナ禍において事業環境が急激に悪化するなかでも、現預金水準が上昇を続ける堅固性を誇っています。しまむらの2024年4月12日時点での時価総額は約5,500億円ですが、2024年2月20日(期末)時点における現金及び預金、有価証券並びに投資有価証券の合計は約3,000億円であり(図表1を参照)、直近3事業年度の有形固定資産の取得に要した金額、82億円(2022年2月期)、44億円(2023年2月期)、76億円(2024年2月期)に比べて十分な内部留保の水準です。
しまむらが提案通りにDOE5%の配当方針を導入し、会社計画に基づいた積極的な出店を行う前提で試算した場合であっても、内部留保の水準を保ち保守的な財務基盤を維持することが可能であるため、事業への悪影響は生じないと考えております。
長年にわたり保守的な還元方針をとってきたしまむらの取締役会にとって、還元を大幅に引き上げることの心理的ハードルが高いことは理解できますが、現在の資本規律のままでは資本効率は低下すると予想されます。株主提案提出後に行われたしまむらの2024年2月期期末決算及び中期経営計画2027説明会においても、現状の還元方針では内部留保が更に積み上がり、資本効率が悪化しかねないとの説明がありました。
今回の株主提案がしまむらにとって資本効率を意識した経営を行う契機となり、企業価値向上を通じて経営理念にある全てのステークホルダーへの価値創造を実現することを期待しております。
当社は様々なステークホルダーとの対話を通じて、真のコーポレートガバナンス改革を推進し、日本の資本市場の進歩、企業価値・株式価値の向上、延いては日本全体の生産性の向上を目標としています。
(図表1)
しまむらの時価総額と現金及び預金、有価証券並びに投資有価証券の金額
(公開情報に基づき当社作成。)
以上
※当社は本株主提案においてマネックス・アクティビスト・マザーファンドの代理人であるマネックス・アセットマネジメント株式会社より復代理人の権限を委任されています。