第199回 景気動向調査 定例調査(1~3月期)

大阪信用金庫のプレスリリース

  • 長いトンネル 決め手に欠ける景況感:売上DI-7.5へ下落

 総合では、売上DIが-7.5(前回比△2.7㌽)、収益DIが-15.7(前回比△0.9㌽)とそれぞれ前回から下落しました。

 売上DIは、運輸業が3.0(前回比+26.1㌽)、飲食業が21.0(前回比+9.8㌽)、サービス業が-2.7(前回比+9.6㌽)、製造業が-5.0(前回比+1.7㌽)と4業種が上昇する一方、不動産業が-21.2(前回比△18.2㌽)、建設業が-10.3(前回比△15.7㌽)、卸売業が-3.7(前回比△7.8㌽)、小売業が-24.6(前回比△5.4㌽)と落ち込んでいます。

 景気は回復への決め手に欠け、長い踊り場にあると思われます。

 2024年4-6月期は、売上DIが4.4㌽、収益DIが5.3㌽それぞれ上昇すると予想し、賃上げに伴う個人消費の回復が起爆剤となり、業況の回復に繋がることを期待していると思われます。

  • 設備投資 堅調続く:「予定あり」13.5%

 設備投資は、総合では「実施中」が13.8%(前回比△1.5㌽)、「予定あり」が13.5%(前回比+1.5㌽)で合計27.3%となり、堅調な推移を維持しています。特に「予定あり」は、飲食業が25.0%、建設業が17.7%、卸売業が15.2%となる一方、製造業は13.6%、小売業が3.6%に下落し、業種間でバラツキが見られます。

  • 解決遠い 経営上の問題:「仕入単価上昇」73.3%「人手不足」40.3%

 経営上の問題点は、総合では「仕入単価上昇」が73.3%(前回比+2.0㌽)、「一般経費増大」が49.4%(前回比+6.6㌽)、「売上停滞減少」が48.1%(前回比△0.7㌽)、「人手不足」が40.3%(+1.4㌽)となりました。「人手不足」は飲食業が65.0%(前回比+3.9㌽)、建設業が61.9%(前回比+1.0㌽)、サービス業が57.5%(前回比△1.4㌽)と深刻な状況にあり、2024年問題への対応が大きな経営課題となりそうです。

  • 賃上げ実施予定 過去10年で最高:「実施予定」6割

 来年度の賃上げについて、6割が「実施予定」と回答し、過去10年で最も高くなりました。

 ベースアップ予定額は「5,000円以上」が37.4%、定期昇給予定額は「5,000円以上」が35.7%となり、金額ベースでも大きく上昇しています。

 長期化する「人手不足」により、従業員の流出は企業の死活問題に直結し、業況の先行きが見通せない中でも、苦渋の決断を行っていると思われます。

詳細はこちらからご覧ください。

https://www.osaka-shinkin.co.jp/pdf/report/202403_teirei.pdf

調査時点:2024年2月下旬~3月上旬

対象期間:2024年1~2月期(実績)・3月(予想値) 2024年4~6月期(見通し)

対象企業:当金庫お取引先1,641社(大阪府内、尼崎市)

回答企業数:650社(回答率39.6%)(調査票郵送・Webで回答)

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