匿名での本人確認を可能にするゼロ知識証明技術の採用も視野に協業
ソニー銀行株式会社のプレスリリース
今回の実証実験では、ソニー銀行がステーブルコインの発行に向けた法的整理や要件定義を実施し、ブロックチェーンに「Polygon PoS」を採用し、ブロックチェーン関連の多様な開発実績を持つSettleMintが実証実験の基盤の開発・構築を担います。
アラブ首長国連邦ドバイでの実証実験の方針確認
(左から)Polygon Labs Founder:Sandeep Nailwal、ソニー銀行
代表取締役社長:南 啓二、SettleMint CEO:Matthew Van Niekerk
ソニー銀行では、今回の連携を通じてweb3の領域においても、安心安全で価値あるサービスを提供することを目指して、実証実験を行ってまいります。
(*1) ステーブルコインとは、2023年6月施行の改正資金決済法(以下、資金決済法)により、定義された電子決済手段の類型の一種です。
目的
この実証実験により、ソニー銀行はステーブルコインの発行・償還・流通による技術的・法的な課題点を抽出し、今後のステーブルコインの普及および、web3(*2)時代における安心安全なクリエイター・ファン層で構成される経済圏での利活用の拡大に向けた検討に継続して取り組みます。
背景
web3の経済圏が世界的に拡大する一方、利用者保護の観点や、分散性・匿名性の観点からマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与への対策、ステーブルコインに関する法的整理など多数の課題があります。
今回の実証実験では、ブロックチェーンの技術を用いたステーブルコインの発行・償還・流通のしくみの構築および検証の実施に加えて、本人確認などの観点でゼロ知識証明(*3)という技術を活用することも検討しています。銀行自身のリスクベース・アプローチの帰結として、不正な資金利用への対策は十全に尽くしつつ、安心安全で利便性の高いステーブルコインの発行・流通市場の拡大を企図するものです。
なお、ソニー銀行はweb3におけるクリエイター・ファン層で構成される経済圏の拡大に向けて「Sony Bank CONNECT(ソニーバンク・コネクト)(*4)」を本年夏にリリースする事を発表しています。将来お客さまのご要望を取り入れながら、現在、ブロックチェーンを基盤としたウォレット機能のリリースに向けた要件定義や設計を進めており、本実証実験の対象とするステーブルコインについても「Sony Bank CONNECT」との連携を見据えて検討を実施して参ります。
(*2) web3とは、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用して、利用者がデータを共有・管理しながら運用する分散型のwebサービスです。
(*3) ゼロ知識証明とは、暗号技術において、ある者が他者に、自らの有している命題が真であることを伝えるために真であること以外にはいかなる知識も伝える必要がない証明手法です。ゼロ知識証明は、web3時代に於ける匿名の支払い・認証など個人情報の保護の観点や、ブロックチェーンのスケーラビリティの問題の解決などへの活用も期待されています。
(*4) 2024年3月5日プレスリリース:「web3エンターテインメント領域向けアプリ「Sony Bank CONNECT」を2024年夏リリース(https://sonybank.net/pdf/press240305_01.pdf)」
Polygon Labsについて
Polygon Labsは国際的なソフトウェア開発会社で、Polygonプロトコル開発を通じてスケーラブルで、低手数料、安全かつ持続可能なブロックチェーンインフラを提供しています。Polygon Labsは、開発者が主要なスケーリングソリューションに簡単にアクセスできるように、レイヤー2(zkロールアップ)、サイドチェーン、アプリ専用チェーン、データ利用可能プロトコルなどのプロトコルを開発しました。
SettleMintについて
SettleMintは、企業や官公庁のブロックチェーンを活用したシステムの開発において、多数の実績を持つベルギー発のスタートアップ企業です。SettleMintの提供するBlockchain Transformation Platformは、ブロックチェーン開発に必要なツールをすべてワンストップで提供し、開発の複雑さを削減し、高速でのテクノロジーの実装を可能にします。今回採用するPolygon PoS上でも、成功事例を多数創出しています。