第198回 景気動向調査 定例調査(10~12月期)

大阪信用金庫のプレスリリース

  • 弱い回復力 年末商戦期待外れ:売上DI+5.4㌽止まり

 総合では、売上DIが-4.8(前回比+5.4㌽)、収益DIが-14.8(前回比+5.2㌽)とそれぞれ前回から上昇しましたが、売上DIは予想を1.5ポイント下回り、年末商戦は期待外れに終わりました。

 特に売上DIは、製造業や卸売業、建設業、不動産業は前回比上昇しましたが、飲食業が11.2(前回比△30.9ポイント)、運輸業が-23.1(前回比△11.6ポイント)、サービス業が-12.3(前回比△8.8ポイント)、小売業が-19.2(前回比△8.3ポイント)に落ち込み、予想外の結果となりました。

 未だ続く物価の上昇による消費マインドの冷え込みや、生活スタイル・意識や行動様式が大きく変化したことが主な要因と思われ、過去の年末とは違う様相を呈しています。

 2024年1-3月期は、売上DIが8.7㌽、収益DIが4.4㌽それぞれ下落すると予想し、顧客の節約志向が強まる中、10-12月期の反動が大きく出ると予想しています。

  • 根強い設備投資意欲:「予定あり」12.0%

 設備投資は、総合では「実施中」が15.3%(前回比+4.0㌽)、「予定あり」が12.0%(前回比△1.5㌽)で合計27.3%となり、業況回復力の弱さから「予定あり」はやや減少しましたが、全体では設備投資意欲は堅調に推移しています。特に、飲食業は35.3%、製造業は34.8%となり、仕入単価上昇や人手不足など多くの経営課題への対応が迫られていますが、引き続き設備投資意欲は旺盛です。

  • 深刻化する人手不足:運輸65.4%、飲食61.1%、建設60.9%

 経営上の問題点は、総合では「仕入単価上昇」が71.3%(前回比△2.2㌽)、「売上停滞・減少」が48.8%(前回比△3.0㌽)、「一般経費増大」が42.8%(前回比△5.4㌽)となりましたが、「人手不足」は38.9%(前回比+1.0㌽)に上昇し深刻化しています。特に、運輸業は65.4%(+19.2㌽)、飲食業は61.1%(前回比+3.2㌽)、建設業は60.9%(前回比+1.3㌽)となり、2024年問題を前にさらに深刻化することが懸念されます。

総合総合

運輸業運輸業

飲食業飲食業

建設業建設業

  • 冬季賞与支給企業増加:「支給する」72.5%

 冬季賞与の支給について、「支給する」は72.5%と前年比5.2㌽の上昇となりました。2015年以来、8年連続で6割超を維持しています。仕入価格やエネルギー価格、人件費の高騰により収益環境は悪化しているにも関わらず、これ以上の人手不足を食い止めるため、無理してでも賞与を支給せざるを得ない状況にあると思われます。従業員11人以上の企業では8割を超える企業が賞与を支給しています。

 賞与の金額においても、前回比支給金額が上昇し、従業員をつなぎ止めるために必死な姿が伺えます。

詳細はこちらからご覧ください。

https://www.osaka-shinkin.co.jp/pdf/report/202312_teirei.pdf

調査時点:2023年11月下旬~12月上旬

対象期間:2023年10~11月期(実績)・12月(予想値) 2024年1~3月期(見通し)

対象企業:当金庫お取引先1,684社(大阪府内、尼崎市)

回答企業数:600社(回答率35.6%)(郵送票郵送・Webで回答)

調査方法:調査票郵送および聞き取り調査

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