三菱UFJ信託銀行株式会社のプレスリリース
<日本版FMCソリューションを活用した第1号案件のスキーム概要>
1. 日本版FMCを活用した効率的事業運営
日本において投資信託委託事業を営む場合、投資運用業のライセンスを取得した資産運用会社は、投資判断や投資運用等の高付加価値業務に加え、それ以外の投資信託の運営・管理等の業務全般を自ら担うというのが、一般的なスキームとなっています。これにより、投資信託委託事業への新規参入の障壁が高く、参入後においても、投資信託の運営・管理等にかかるコスト負担などにより事業効率が低くなるという構造的な問題が存在します。
このような問題を克服し、効率的な投資信託委託事業の運営を実現するため、JAMPFMと三菱UFJ信託銀行は日本版FMCをソリューションとして開発し、共同で運用する準備を進めてまいりましたが、その第1号案件として、このたびKMICと連携した適格機関投資家向け私募投資信託「KMICみらい潤環日本株式ファンド」を設定いたしました。
日本版FMCを用いた本案件においては、投資信託の設定やその運営・管理等に係る全ての業務をJAMPFMと三菱UFJ信託銀行が担いつつ、投資助言会社であるKMICが投資判断業務に集中するという効率的な事業運営を構築します。
2. 受益者利益の最大化を企図する「基準価額の一者計算パッケージ」の採用
本スキームでは、三菱UFJ信託銀行が提供する「基準価額の一者計算パッケージ」を採用します。委託会社であるJAMPFMが設定・運用する投資信託の基準価額の計算業務を、受託会社である三菱UFJ信託銀行のみで行なう「基準価額の一者計算」ⅱを日本で初めて標準的な業務方法として実装した上で、販売会社とのデータ授受やレポート作成等の業務も三菱UFJ信託銀行が行います。
委託会社と受託会社がそれぞれ基準価額を算出する日本独自の投資信託計理業務を、受託会社に集約し、投資信託計理業務に係る工程の重複を解消した上で、委託会社のレポート等の業務も受託会社が実施することで、委託会社におけるファンド運営の効率化を通じ、投資信託の運用に係るコスト低減が可能となり、長期的に受益者である投資家の利益が増大することを企図しています。
その意味で、この「基準価額の一者計算パッケージ」を採用した日本版FMCを活用した取り組みは、JAMPFM、三菱UFJ信託銀行、KMICとの連携による投資信託委託業務に係る全ての工程で徹底した役割分担を実現した日本初のスキームとなります。
3. 新しく設定する「KMICみらい潤環日本株式ファンド」について
商品分類:追加型投信/国内/株式
投資対象:上場日本株式および指数先物
投資態度:人々の生活の質の向上や社会課題の解決に取り組む企業であり、九州、そして日本全体の成長に貢献していると考えられる企業の中から投資先を選定します。
特長:
・定期的な企業取材に基づく企業調査・分析により投資対象企業を発掘します。
・企業と対話を通じ、課題の認識・共有等を通じて企業価値向上を支援します。
・運用手法の再現性・継続性を高めるため、チーム運用を行います。
4. 今後のビジョン
日本資産運用基盤グループ、JAMPFM、三菱UFJ信託銀行は、本ファンドの設定・運用を契機に、今後も様々な資産運用会社と連携し、幅広い投資家を対象とする高度な資産運用商品の開発・提供を継続的に行なえるよう、連携を深めてまいります。
また、岸田政権が掲げる「資産運用立国」構想のもと、他の地域銀行グループでも新しい資産運用会社が設立され、新興・海外資産運用会社の参入が活発化するといった動きが広がることが予想されるなか、「基準価額の一者計算」を標準装備した日本版FMCを活用した取り組みの高度化や普及を通じ、日本の資産運用業界における投資信託事業の効率化や受益者利益の最大化等を実現してまいります。
ⅰ「日本版ファンド・マネジメント・カンパニーソリューション」の具体的内容やその背景にある問題意識等については、2022年6月28日付の日本資産運用基盤グループのプレスリリース「日本版ファンド・マネジメント・カンパニーの設立について」もしくは2022年12月13日付の日本資産運用基盤グループ及び三菱UFJ信託銀行の共同プレスリリース「日本資産運用基盤と三菱UFJ信託銀行の業務提携について」をご参照下さい。
ⅱ「基準価額の一者計算」に関する問題意識や具体的な取組み等については、2022年12月13日付の日本資産運用基盤グループ及び三菱UFJ信託銀行の共同プレスリリース「日本資産運用基盤と三菱UFJ信託銀行の業務提携について」をご参照下さい。また、投資信託の基準価額算出等の業務の遂行については、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が担います。
以上