女性ベンチャーキャピタリストのコミュニティ『Tokyo Women in VC』、一般社団法人化のお知らせ

一般社団法人Tokyo Women in VCのプレスリリース

一般社団法人Tokyo Women in VC(所在地:東京都渋谷区、代表理事:Sophie Meralli / 古川 詩野、以下Tokyo Women in VC)は、2020年より任意団体として運営してきた女性ベンチャーキャピタリストのコミュニティ、Tokyo Women in VCを一般社団法人(非営利型)化したことをお知らせいたします。

Tokyo Women in VCは、東京を中心とした全国のベンチャーキャピタル(VC)、およびベンチャー企業に対して投資関連活動を行う企業で働く女性がつながり、互いに協力しあう場を提供するためのコミュニティです。VCおよびベンチャー企業に対して投資関連活動を行う企業で働く150名超の女性プロフェッショナルが参加しています。

  • Tokyo Women in VC設立の背景

スタートアップエコシステムのジェンダーダイバーシティの課題は経済的観点からも重要であると金融庁政策オープンラボ*1からも提起されています。そして各種調査結果にても、女性VCの存在がそのスタートアップエコシステムにおいて重要な役割を果たしていることが示されています。女性VCは異なる視点やネットワークを持ち、無意識のバイアスを減らし、女性起業家に対してのみならず、スタートアップ全般に対して貴重な支援を提供し、スタートアップとVCのパフォーマンス向上に寄与します。

日本のVC業界においては、女性パートナーだけではなく、ジュニア層も含め女性の総数は限定的です。米国のVC業界においても女性パートナーの割合は16%*2ですが、日本ではTokyo Women in VCの独自調査(2022年度)に基づくと、女性パートナーは7%、女性キャピタリスト全体でわずか15%に留まります。

数が少ないことによって、女性VCが取得できる情報や昇進の機会において大きなハードルを被っています。Tokyo Women in VCはこのギャップに対処し、あらゆるキャリアステージにおいても女性メンバーをエンパワーしたいと考えています。

コミュニティを通じて、互いにアイデアやディールフロー等を交換し合い、励ましあい、新しい機会を創出し得るイベントを行うことで、より平等で開かれたVC業界の実現を目標とします。

当該活動は米『Breaking 7%』というボストンに拠点を置くVCで働く女性のためのコミュニティや米『All Raise』というNPOの考えが源流にあり、また、Tokyo Women in VCは、世界5,000人の女性VCメンバーの組織であるGlobal Women in VC(https://www.women-vc.com/)とも緊密に連携しています。

*1 金融庁オープンラボ 「スタートアップエコシステムのジェンダーダイバーシティ課題解決に向けた提案」

*2 Pitchbook  ”2022 All In: Female Founders in the US VC Ecosystem”

  • Tokyo Women in VCの活動 ー VC業界で働く女性のエンパワーメント

ネットワーキングとコミュニティ形成 

・女性VCの仲間との出会いとネットワーキングの場を提供

・ベンチャー投資エコシステムに重要な隣接分野の方々 ー LP投資家やエンジェル投資家、弁護士、証券会社・投資銀行の女性などとのネットワーキングの場を提供

・上記のほか、『VC業界における年収傾向及びジェンダーペイギャップの実態理解を目的とした匿名でのアンケート』など、女性VCにまつわる各種実態調査を定期的に実施

ディールフローとナレッジ共有 

・ディールフロー共有チャンネルを作成し、スタートアップ投資案件を共有し女性VCの投資実績に寄与

・投資手法や特定のセクターや業界動向に関するナレッジを共有

キャリア開発支援

・VCならではのキャリア形成を意識したメンターシップ制度を提供(男女問わずVCのパートナークラスの方と3ヶ月間の定期メンタリングプログラムの運営・実施)

・グローバルおよび日本のVC動向やベストプラクティスの学習の場を提供

・LPマネジメントやファンド組成に関する学習の場を提供

女性起業家および女性VC候補への支援

・毎月、女性起業家およびDiverse Founder(外国人起業家、U-24起業家、社会起業家等)を対象としたオフィスアワーを実施

・女性起業家および女性VC双方を対象に、弁護士等のプロフェッショナルを招いた勉強会やネットワーキングイベントを定期的に実施

・女性を対象に、VCキャリアの認知向上およびVC業界へのアクセス向上施策の実施

2022年度 開催イベント一覧

  • 今後の展望

Tokyo Women in VCでは、長期的な信頼関係を土台にしたコミュニティ活動を通じて、新たな仕事や投資案件の機会を得られるなど、より女性VCがキャリアで成功できる仕組みを作りたいと考えています。

Tokyo Women in VCはこの度の一般社団法人化を通じて、パートナーシップやスポンサーシップを拡大し、コミュニティに還元できる体制を整えてまいります。今後も様々な活動を通じて、より多様性に富んだエコシステムの実現に貢献できる社会インフラのような存在を目指してまいります。

  • 運営メンバー略歴

下記運営メンバーのほか、コミュニティメンバー・アドバイザー・サポーター・外部パートナーの皆様のご協力を得て運営しております。

・代表理事 / Co-Founder Sophie Meralli

2011年、London School of Economics卒業後、監査法人にて監査・財務会計アドバイザリー業務を経験。その後、マサチューセッツ工科大学にてMBAを取得し、ボストンのVCでスタートアップ13社への投資を経験し、現地の女性VCコミュニティにも参加。2020年以降、Eight Roads Ventures Japanでヴァイスプレジデントとしてスタートアップ投資及び支援事業に従事。渋谷区のスタートアップ企業誘致施策「SHIBUYA STARTUP SUPPORT」のアドバイザーとして、外国人起業家の支援にも力を注いでいる。

・代表理事 / Co-Founder 古川 詩野

監査法人にて金融機関向けにリスク・ガバナンス・コンプライアンスのコンサルティング業務に従事した後、2016年に(株)ポーラ・オルビスホールディングスにIRとして入社。2019年に社内公募で総合企画室CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)チームへ異動。CVCではベンチャーキャピタルへのLP出資およびスタートアップへの出資、ならびにミドル・バックオフィスの社内体制や基準整備も担う。

・理事 鈴木 絵里子

外資系投資銀行部門にてキャリアを開始した後に、米国のドローンベンチャーの日本法人を立ち上げ日本代表に。その後、複数VCを率いて、現在はKind Capitalの代表取締役を務め、サステナビリティ、ウェルビーイング投資、及びESGコンサルティングに従事。

著書『これからは、生き方が働き方になっていく』(2018年4月、大和書房)。訳書『ミッション・エコノミー:国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた』(2021年12月、NewsPicksパブリッシング)。2児の母でもある。

・理事 松本 美鈴

慶應義塾大学文学部卒業後、新卒で楽天株式会社に入社。その後スタートアップでの広報・採用・マーケティングを経験したのち、起業を経験。2021年にインキュベイトファンドに参画し、アソシエイトとして新規投資先の発掘、投資先企業のバリューアップ業務等を担当。社内プロジェクト「IF Women’s Community」の設立・運営をはじめ、女性起業家の支援およびスタートアップにおける女性活躍支援に積極的に取り組んでいる。

  • アドバイザーからのコメント

・アドバイザー キャシー 松井(MPower Partners General Partner)

“日本のベンチャーキャピタルの多様性が増すことは、パフォーマンスの向上にも寄与し、日本のスタートアップエコシステム全体を活性化させることに繋がります。Tokyo Women in VCはその重要な活動の一つです。”

ゴールドマン・サックス証券会社、元日本副会⻑およびチーフ日本株ストラテジスト。1999年に提唱した「ウーマノミクス」の概念はその後広く世界に浸透し、日本政府も女性活躍推進を経済成長戦略として打ち上げるに至った。多様性、コーポレートガバナンスと持続可能性を経済合理性の観点から分析し、多くの企業や投資家に影響を与えている。2020年に『女性社員の育て方、教えます』を出版。ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学院卒。

【組織概要】

法人名: 一般社団法人Tokyo Women in VC

所在地:東京都渋谷区神宮前6丁目23番4号

設立:2020年(2023年4月一般社団法人化)

コーポレートサイト:https://tokyowomenvc.org/

Twitter: https://twitter.com/TokyoWVC

お問い合わせ:info[at]tokyowomenvc.org

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