エーオンホールディングスジャパン株式会社のプレスリリース
世界有数のプロフェッショナルサービス企業であるAon plc(https://www.aon.com )(NYSE: AON)は、2023年アジア太平洋地域におけるコーポレートガバナンスとESGに関する調査結果(https://www.aon.com/getmedia/243d4e95-9158-4484-a10a-5ab25fa70866/19049-2023-APAC-Corp-Gov-and-ESG-Report-14-Apr.pdf )を発表しました。調査対象企業の多くが環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みは事業や組織の成功にとって重要であるとしながらも、ESGに関する目標や評価指標(KPI)を設定している企業や、ESGへの取り組みを統括する専門部署を設置している企業は少数に留まることが浮き彫りとなりました。
調査対象企業の58%がESGは長期的な成功に不可欠であると述べています。しかし現時点において経営陣の評価にESG関連の目標やKPIを盛り込んでいる企業は29%に留まっています。アジア太平洋地域の企業の多くにとって、ESG指標の設定や取り組むべきESG課題の設定についてはまだ初期段階にあると言えます。
ESGに関する専門部署を設置していると回答した企業は34%に留まりました。アジア太平洋地域では法規制が欧米と比較して途上であるため、コンプライアンス要件としてではなく、ビジネス戦略としてESGを推進することが主流となっています。
ESG指標とインセンティブ報酬制度との連動が必要
ESGへの取り組みを加速・拡大するには、アジア太平洋地域の取締役会や経営陣がESGと自らの事業戦略の関連性を深く理解し、ESGの成熟度の向上に合わせた指標や評価指標を活用する必要があります。
「ESG評価指標を役員報酬制度に組み込むことは、ESGへの取り組みと企業全体の戦略、そして報酬制度との整合性が高まること意味します。今後適切なESG指標の設定を怠ると、企業は新たな形態のボラティリティに対応するために、レピュテーションリスク、財務的影響、規制上の影響に晒(さら)されるであろうことが明らかです」と、レポートの著者でエーオンのアジア太平洋地域タレントソリューションズ アドバイザリーパートナー兼コーポレートガバナンスおよびESG責任者であるブーン チョン ナは述べています。「ESG指標を改善する一方で、企業は株主から正しいことをしながら業績を上げることを期待されています。財務指標と非財務指標の両面を管理する必要があるのです。」
非上場企業と比較して、上場企業の場合はESG指標を明確に定義し、経営幹部の業績と連動させている割合が2倍(48%)になっています。
日本におけるエーオンの人事コンサルティング法人代表で、タレントソリューションズ責任者を務める山下 知之は、「日本では、ESG指標は有価証券報告書開示でも2023年から本格化するサステナビリティや人的資本開示との関係が極めて深い。上場企業はESG指標の設定と不断の改善努力が求められることは言うまでもありませんが、これらは会社の企業理念や近年ではパーパスに代表される企業の目的に沿った一連の取り組みとして位置づけていくことが必要となります。」と述べています。
取締役会における教育(ボードエデュケーション)の重要性
調査参加企業の60%が、ESGに関する意思決定に取締役会全体を巻き込んでいると回答した一方で、41%は取締役会メンバーに対して、最新のESGトピックについて教育するための正式なプロセスやトレーニングプログラムを導入していないと回答しています。
「調査参加企業のうち、ほとんどの企業は現在、取締役会向けにESGに関する教育を年に1~2回程度しか行っていない。取締役はESG戦略の策定とその監督に深く関与することが期待されていますが、社外取締役の構成比率が高い取締役会の各構成員が、自らのガバナンス下にあるESGリスクや機会についての十分な情報を得て、健全な判断を下すことができるようにするためのトレーニングが必要です。また、ESGへの取り組みを促進するためには、企業はESGに関する認識や環境の異なる米国や欧州だけでなく、アジア太平洋地域全体のベストプラクティスに耳を傾けることも重要です。」と山下は語ります。
グリーン人材への需要の高まり
脱炭素や再生可能エネルギーなどの産業に従事する人材や、伝統的企業でもサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを進めることを担うグリーン人材の問題も浮き彫りになっています。調査参加企業の約3分の1がESG専任担当者の導入・拡大を計画しており、76%の求人が中堅プロフェッショナルレベルであるという結果になっています。
「企業はこの領域の人材需要の高まりに対応するため、職務の再設計とスキルアップに着手し、外部の大学プログラム、サステナビリティ認証、または社内で管理する従業員トレーニングなどを通じて、人材に投資していく必要があります。企業の競争力を維持するためには、事業戦略と整合性のある包括的な人材戦略が不可欠です。強固な人材再教育プログラム(リスキリング)は、外部人材が不足している場合でも既存の従業員の潜在能力を高め、新たな形態のボラティリティに対応するためによりレジリエントな労働力を構築するのに役立ちます。これらは日本における人的資本への投資への意識の高まりとも合致します。」と山下は語っています。
その他、本レポートの主な調査結果
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非上場企業の25%、上場企業の50%がESG専門のチームを設置
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2023年に予定する新しい取り組みの30%は、ESGに関する従業員の再教育またはスキルアップを含む
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取締役会の61%が、DE&I(ダイバーシティ、公正性、インクルージョン)を積極的にモニターしている
「アジア太平洋地域の企業は、投資家にとってより魅力的な投資対象となる観点から、あるいは規制要件とは無関係な意欲的な取り組みとして、ESGに関する取り組みを積極的に進める傾向が高い。オーストラリアやシンガポールなどは、ESGの成熟度という点では先行していますが、地域全体としては均質的なマーケットとは言えません。」と、ブーン チョン ナは述べています。
本調査について
エーオンは、2022年10月から12月にかけて全産業分野の上場企業、非上場企業の経営陣を対象にアジア太平洋地域における コーポレートガバナンス と ESGに関する調査をオンラインで実施しました。オーストラリア、インド、シンガポール、日本、マレーシア、中国から合計255社以上の企業が参加しました。
レポートの詳細はこちら(https://www.aon.com/getmedia/243d4e95-9158-4484-a10a-5ab25fa70866/19049-2023-APAC-Corp-Gov-and-ESG-Report-14-Apr.pdf )からご覧いただけます。
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エーオンについて
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