データ利活用に必要なサービスを包括的に提供するSaaS型プラットフォーム

日本IBMのプレスリリース

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、金融業界のお客様のデータ活用をさらに推進していくため、データ利活用に必要な一連の業務を包括的に提供するSaaS型データ利活用プラットフォーム「IBM Consulting Data Utilization Platform for Financial Services(以下 DUP)」を本日から提供開始します。

近年多くの金融機関では、経営環境の複合的な変化や収益構造の転換に柔軟に対応し、収益性の高い領域へのアプローチや効果的な戦略を迅速に策定していくため、分析手法の多面化やマーケティング精度の改善など、さらなるデータ活用が求められています。一方で、「データサイエンティストの採用や育成が上手く進まない」、「データ利活用の効果が体感できない」といった声も多く、データ利活用に着手できていない、あるいは、着手できているが効果を実感できていないといった実態も散見されます。

本日発表したDUPは、金融DX実現のための包括的システムアーキテクチャー「オープン・ソーシング戦略フレームワーク( https://www.ibm.com/jp-ja/industries/banking-financial-markets/digital-shift-next-generation-architecture ) 」ならびに、昨年11月に発表した金融機関の経営戦略実現を支援する「金融次世代勘定系ソリューション戦略( https://jp.newsroom.ibm.com/2022-11-10-Next-Generation-Account-Solutions-Strategy )」のデータ利活用サービスを支え、データ分析基盤とコミュニティーを提供するものです。経営レベルの課題から、顧客の行動を分析し成約につながりやすいアプローチを予測するEBM(イベント・ベースト・マーケティング)の活用まで、金融機関のデータ活用を包括的に支援します。

DUPは、実績のある分析モデルとそのモデルを実行するために必要なデータ処理プロセスを搭載したデータ分析基盤を提供し、データサイエンティストがいなくても、高度な分析を実現することができます。あるお客様との実証では、DUPが標準で提供している分析モデルと連合学習*を利用し、より付加価値の高いモデルを構築することで、DUP導入前と比較して特定の商品における成約顧客の獲得力が推定約1.5〜2.0倍となることが確認できました。
また、DUPのお客様向けにユーザー・コミュニティーを創設し、参加者同士のデータ利活用のナレッジ共有や、IBMのデータサイティストやコンサルタントのスキル共有を促進し、お客様のデータ利活用活動の継続や高度化を推進していきます。

以上

*注:今回提供する連合学習について
今回、DUPが提供する連合学習は、各社データを共有せずにモデル構築が可能な技術であり、データの秘匿性を担保した上でより付加価値の高いモデルを作る技術です。
ユースケースとしては、自行の分析モデルと他行の分析モデルの掛け合わせや、将来的には他業態の分析モデルと掛け合わせることで、自行だけでは実現できないデータに基づく新たな利活用価値、ビジネス効果を見出すことが可能です。
この連合学習のビジネス効果の仮説を確認するために、広島銀行様をはじめとする大手地方銀行様のご協力のもと、分析モデルの一つであるカードローン獲得モデルを用いた概念検証を実施しました。本検証の結果、単一行のデータで構築したモデルのみでは捕捉できない成約顧客を、連合学習モデルの結果を活用して獲得できる可能性を確認できました。

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