アクサ生命調べ  想定される「介護と就労の両立期間」  父親の介護で14年、母親の介護で12年

アクサ生命保険株式会社のプレスリリース

~介護に関する親と子の意識調査2019~

アクサ生命保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:安渕聖司)は、親を持つ40歳~59歳の男女と、子どもがいて介護された経験がない60歳~79歳の男女を対象に、『介護に関する親と子の意識調査2019』をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルを集計した結果をまとめました。

[調査結果]
●親子の会話、親の健康状態の把握
◆40代・50代が今年のお盆の帰省で親と話したいこと 「親の体調・健康」が60.6%とダントツ
◆60代・70代が今年のお盆の帰省で子どもと話したいこと TOP2は「自身の体調・健康」「子どもの健康」
◆「親の健康状態や身体の状態を把握している」は、親の介護経験がない40代・50代で71.2%

離れて暮らす親子にとって、お盆休みは、貴重なコミュニケーションの機会になります。そこで、40代・50代で、親と同居していない人(345名)に、お盆に実家へ帰省するとしたら、親との会話でどのようなことを話題にしたいと思うか聞いたところ、「親の体調・健康」(60.6%)が最も高く、「自分の仕事」(17.7%)、「近所付き合い」(15.7%)が続きました。帰省時には親の健康状態を確認したいという気持ちが強いことがわかりました。

他方、60代・70代で、子どもと同居していない人(313名)に、今年のお盆に子どもが帰省してくるとしたら、子どもとの会話ではどのようなことを話題にしたいと思うか聞いたところ、「自身の体調・健康」(32.9%)が最も高く、次いで、「子どもの健康」(32.6%)、「家族旅行」(27.8%)、「子どもの仕事」(23.6%)、「教育・子育て」(17.6%)となりました。60代・70代では、子どもの帰省時には、自身の健康状態、子どもの健康状態、旅行や仕事、子育てなど幅広い内容を話題にしたいという気持ちがあることがわかりました。

40代・50代の多くが、親の健康状態を気にかけていることがわかりましたが、親の健康状態をどのくらいの人が認識しているのでしょうか。
40代・50代で、親の介護経験がない人(250名)に、親の健康状態や身体の状態を把握しているか聞いたところ、「把握している」は71.2%、「把握していない」は28.8%となりました。

●介護に関する親子の意識
◆親の介護経験がない40代・50代が予想する、「親の介護開始年齢」の平均は84歳
◆40代・50代で、親の介護経験がない人の「就労希望年齢」の平均は67歳
 63.1%が「60歳」を超えても働きたいと回答
◆想定される「介護と就労の両立期間」 父親の介護で14年、母親の介護で12年

40代・50代で、親の介護経験がない人(250名)に、自分の親は、何歳から介護が必要になると思うか聞いたところ、「76歳~80歳」(34.0%)や「86歳~90歳」(30.8%)に回答が集まり、平均年齢は84歳となりました。親の年齢が80代半ばに差し掛かるまで、「介護の問題はまだ現実化しないだろう」と楽観的に考えている人は少なくないようです。

他方、40代・50代で、親の介護経験がない人のうち、就労意向のある人(244名)に、「何歳まで働きたいか」聞いたところ、「56歳~60歳」(26.6%)に最も多くの回答が集まったものの、「61歳~65歳」(23.4%)や「66歳~70歳」(22.1%)との回答も多く、60歳超(「61歳~65歳」から「81歳以上」までの合計)との答えは63.1%と、6割を超え、40代・50代の多くが、60歳を超えても働きたいと考えていることがわかりました。就労希望年齢の平均は67歳でした。

「親の介護が始まると思う年齢」と、「自身が働き続けたい年齢」の関係を「介護と就労の両立」という視点で見てみると、親の介護期間と自分の就労期間が重なる人が多いことがわかりました。
就労意向があり、父親または母親を持つ244名(父親を持つ人は148名、母親を持つ人は230名)について、親の想定介護期間と自分の就労期間が重なることが予想される人の割合をみると、父親の介護の場合では93.9%、母親の介護の場合では83.1%にのぼることがわかりました。

親の介護について、「自分の親が何歳から介護が必要になると思うか」という介護開始の予想年齢と、「自身は何歳まで働きたいか」という就労に関する希望年齢を聞き、予想される「介護と就労の両立期間」を求めました。

父親の介護期間と自分の就労期間が重なることが予想される人(139名)について、それぞれの期間が重なる年数を「介護と就労の両立期間」と想定した場合、平均年数は14.0年に、母親の介護期間と自分の就労期間が重なることが予想される人(191名)については、平均年数が12.0年となりました。
就労期間が長期化する中で、人生100年時代において、働き続けながら親の介護をするケースが一般化し、親の介護と自分の就労が重なる期間が今後ますます長期化することが予想されます。

≪親の介護期間と自身の働きたい期間が重なると予想される年数(介護と就労の両立期間)の算出方法≫
以下の(1)~(3)の手順で算出
(1)「親の介護開始までの想定年数」を算出(「親に介護が必要になると思う年齢」から「現在の親の年齢」を引く)
(2)「親の介護開始時の自分の年齢」を算出(「現在の自分の年齢」に(1)で求めた「親の介護開始までの想定年数」を足す)
(3)「親の介護期間と自分の働きたい期間が重なると想定される年数(介護と就労の両立期間)」を算出
(「自分の就労希望年齢」から(2)で求めた「親の介護開始時の自分の年齢」を引く)

●介護の場所
◆親の介護経験がない40代・50代の子世代が希望する親の介護場所の1位は 「介護施設」(38.4%)
◆60代・70代が希望する自身の介護場所 1位は「自身の自宅」(36.4%)
◆もし、子どもに介護施設での介護を提案されたら?
 60代・70代の83.2%が「自宅や家族と離れるのは寂しい」としながらも、「仕方がない」が82.6%に
 「介護施設を利用してもいい」は59.2%

要介護状態になったときに介護を受ける場所について子世代、親世代それぞれに聞きました。
40代・50代で、親の介護経験がない人(250名)に、自分の親が要介護状態になったら、どこで介護を受けてほしいと思うか聞いたところ、「介護施設(老人ホームなど)」(38.4%)が最も高く、次いで、「親の自宅」(32.4%)、「医療施設(病院など)」(8.4%)となりました。
他方、60代・70代(500名)の親世代に、自身が要介護状態になったら、どこで介護を受けたいと思うか聞いたところ、「(自身の)自宅」(36.4%)が最も高く、次いで、「介護施設(老人ホームなど)」(34.0%)、「医療施設(病院など)」(13.4%)となりました。
40代・50代では、親の介護場所として介護施設を希望している人が多いのに対し、60代・70代では自身の介護場所として自宅を希望している人が多いという意識のギャップがみられました。介護する側と介護される側において、気持ちのすれ違いが将来的に起きないか、懸念される状況が浮き彫りになりました。

では、自身の介護場所として「自宅」を希望しながら、子どもから「介護施設」の利用を勧められたとしたら、どのように感じるのでしょうか。
60代・70代で、自身が要介護状態になったときに「自宅での介護を望む」人(184名)に、もし、子どもから介護場所として介護施設(老人ホームなど)を提案されたら、どのように感じるか」聞いたところ、「自宅や家族と離れるのは寂しい」(83.2%)と「迷惑をかけてしまうので仕方がない」(82.6%)が8割を超えました。愛着のある自宅から離れることに抵抗を感じる人が大多数である一方、子どもへの負担を考えるとやむを得ないと考える人が大多数であり、介護される側の複雑な心境がうかがえる結果となりました。また、「介護施設を利用してもいい」は59.2%でした。

●介護の担い手
◆親の介護は誰が担うのがよいか? 40代・50代の子世代が考える担い手の1位は「自分自身」(57.2%)
◆60代・70代の親世代が希望する、自身の介護の担い手
 1位は「介護サービスの職員」(49.6%)、2位「配偶者」(41.2%)、3位「子ども」(24.6%)

続いて、実際に介護の担い手について、親や子どもがどのように考えているか、聞きました。
40代・50代の子世代で、親の介護経験がない人(250名)に、自分の親が要介護状態になったら、誰が介護するのがよいと思うか聞いたところ、「自分(自分自身)」(57.2%)が最も高く、次いで、「介護サービスの職員」(36.0%)、「自分の兄弟姉妹」(30.4%)となりました。親の介護は自分の役割と考えている人が半数を超えました。

他方、60代・70代(500名)の親世代に、自身が要介護状態になったら、誰に介護してほしいと思うか聞いたところ、「介護サービスの職員」(49.6%)が最も高く、次いで、「配偶者」(41.2%)、「子ども」(24.6%)となりました。「介護サービスの職員」を希望する割合が「配偶者」「子ども」の割合を上回っており、とりわけ「子ども」よりも「配偶者」に介護してほしいという割合が高く、「子どもに迷惑をかけたくない」という親世代の心中がうかがえる結果となりました。

●親が「子どもに望む介護の内容」
◆60代・70代が「介護状態になった際、子どもに希望する介護の内容」で男女に大きな意識差
 [男性>女性]だったのは「話し相手になる」で14.2ポイント差、
 [男性<女性]だったのは「買い物」19.6ポイント差、「お金の管理」18.0ポイント差、「家事」15.8ポイント差

子どもに自身の介護をお願いしたいという人は、どのようなことを任せたいと思っているのでしょうか。
60代・70代で、自身が要介護状態になったときに、子どもに介護してほしい人(123名)に、自身の子どもに望む介護の内容を聞いたところ、「話し相手になる」(77.2%)が最も高く、次いで、「買い物(食品や日用品など)」(62.6%)、「病院や介護施設への送迎」(61.8%)となりました。60代・70代の多くが、排泄や入浴の手伝い、リハビリなどの身体介助よりも、話し相手や買い物などの生活援助を子どもに担ってほしいと考えていることがわかりました。
男女別にみると、「話し相手になる」(男性86.4%、女性72.2%)は男性のほうが女性よりも14.2ポイント高くなりました。男性は女性よりも、子どもとの会話を望んでいるようです。他方、「買い物(食品や日用品など)」(男性50.0%<女性69.6%、19.6ポイント差)、「お金の管理」(男性25.0%<女性43.0%、18.0ポイント差)、「家事(洗濯・掃除など)」(男性38.6%<女性54.4%、15.8ポイント差)は女性のほうが軒並み15ポイント以上高くなりました。親世代の女性は、介護状態を想定したとき、男性に比べ「買い物(食品や日用品など)」や「家事」のことを気にかけていることがわかりました。

●親の介護で不安に思うこと
◆介護経験がない40代・50代が、親の介護で不安に思うことの1位は「介護費用」(54.4%)
◆親の介護を経験した40代・50代の子世代が実際に困ったことは? 1位「自分の精神的な負担」(62.0%)

40代・50代の子世代で、親の介護経験がない人(250名)に、親の介護について不安に思うことを聞いたところ、「介護費用」(54.4%)が最も高く、次いで、「自分の仕事への影響」(44.4%)、「自分の精神状態」(36.4%)、「介護場所・設備」(36.0%)、「自分の健康状態」(35.6%)となりました。介護費用について不安を感じている人が多いようです。
男女別にみると、「自分の仕事への影響」(男性56.0%、女性32.8%)は男性のほうが大幅に高くなりました。介護のために仕事を休むなど、仕事への影響が出ることを不安に思っている男性が多く、「自分の健康状態」(男性25.6%、女性45.6%)については女性のほうが大幅に高く、不安のポイントが男女で異なることがわかりました。

では、実際に親の介護を経験した人は、介護生活でどのようなことが困難だと感じたのでしょうか。
40代・50代の子世代で、親の介護経験がある人(250名)に、実際に親の介護で困ったのはどのようなことか聞いたところ、「自分の精神的な負担」(62.0%)が最も高く、次いで、「自分の仕事への影響」(53.6%)、「自分の健康・体力」(50.8%)、「自分の自由時間の減少」(50.0%)、「介護費用」(33.6%)となりました。介護の辛さや悩みなど、精神面での負担に困ったという人が多いようです。
男女別にみると、「自分の家事・育児への影響」(男性14.4%、女性40.0%)は女性のほうが高くなりました。介護で家事や育児の時間が削られるなどの困難を経験した女性が多いようです。

●介護の準備と介護経験者の実態
◆親の介護を経験した40代・50代の子世代に聞く“親の介護準備で大切なこと”
 「介護資金準備」「自分の就労について考えること」は9割半以上が「大切」と実感
◆6割近くが“親の介護は自分の役割”だと考えている40代・50代の実際の準備状況は?
 介護経験がない40代・50代の、親の介護に対する準備状況 “自分事化”が進んでいない人が大半
 ワーストは「介護費用の見積もり」(5.2%)、次いで「介護資金の準備」(10.4%)「介護に関する情報収集」(13.2%)「介護開始後の自分の就業について考えること」(13.2%)

実際に介護を経験した人は、親を介護するにあたって、どのような準備が大切だと感じたのでしょうか。
40代・50代の子世代で、親の介護経験がある人(250名)に、親の介護準備に関する内容について、それぞれどのくらい大切だと思うか聞きました。
『大切だと思う(計)』(「非常に大切だと思う」「まあ大切だと思う」の合計)をみると、【介護に対する心の準備】は99.2%、【介護に関する情報収集】は98.8%、【介護費用の見積もり】は97.6%、【介護開始後の自分の就業について考えること】は96.0%、【介護開始後の自分や家族のライフスタイルについて考えること】は97.6%、【介護資金の準備】は97.2%となりました。

いずれの項目でも『大切だと思う(計)』が9割半を超えており、多くの人が準備の大切さを実感しているようです。また、40代・50代では、自分が親の介護を担うのがよいという回答が6割近くとなりました。
それでは、親の介護について、具体的に準備している人はどのくらいいるのでしょうか。40代・50代で、親の介護経験がない人(250名)に、親の介護に対する準備の状況を聞きました。
「している」の割合をみると、【介護費用の見積もり】は5.2%、【介護資金の準備】は10.4%、【介護に関する情報収集】と【介護開始後の自分の就業について考えること】は13.2%、【介護開始後の自分や家族のライフスタイルについて考えること】は18.0%、【介護に対する心の準備】は24.8%となりました。介護資金の準備は1割、介護費用の見積もりは1割未満といずれも低い割合でした。親の介護を自分で担いたいと考える40代・50代が多数派となったものの、親の介護に対して具体的な準備ができている人は少なく、介護を“自分事”としてイメージできていない人が多いようです。
 

●介護状態になる前にやりたいこと・介護状態になってもやりたいこと
◆60代・70代が介護状態になる前にやりたいことの1位は、「旅行」(63.4%)
◆60代・70代が介護状態になってもやりたいことの1位は、「家族との団らん」(32.6%)
◆介護状態になっても、食べるのをあきらめたくないもの TOP4「寿司」「刺し身」「天ぷら」「ラーメン」

介護状態になる前や、なった後でもやりたいことについて聞きました。
60代・70代(500名)の親世代に、介護状態になる前にやりたいことを聞いたところ、「旅行」(63.4%)が最も高く、次いで、「身辺整理」(54.8%)、「家族(親族)との団らん」(38.0%)、「散歩・近所への外出」(23.2%)、「友人との交流」(22.6%)となりました。「元気なうちに旅行をしたい」と考えている人が多いことがわかりました。

他方、介護状態になった後でもやりたいことを聞いたところ、「家族(親族)との団らん」(32.6%)、「散歩・近所への外出」(31.6%)、「テレビ鑑賞」(30.6%)、「読書」(22.8%)、「身辺整理」(19.6%)となりました。介護状態になった後の生活では、家族とのコミュニケーションを重視したいと考えていることがわかりました。

また、60代・70代(500名)の親世代に、介護状態になっても食べるのをあきらめたくないものを聞いたところ、「寿司」(54.2%)が最も高く、次いで、「刺し身」(39.0%)、「天ぷら」(32.4%)、「ラーメン」(26.4%)、「焼き肉」(25.8%)となりました。介護状態になっても、食べ慣れた和食をあきらめたくないという人が多いことがわかりました。

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。