スターアジア・マネジメント・ジャパン・リミテッドのプレスリリース
スターアジアグループに属するBerkeley Global, LLC(以下「当社」といいます。)は、いちごオフィスリート投資法人(以下「本投資法人」といいます。)の発行済投資口の3.0%以上を6か月以上継続して保有する投資主です。
当社は、本投資法人及びその資産運用会社であるいちご投資顧問株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)に対し、本投資法人の投資主価値の向上の観点から、J-REIT全銘柄のうち最も高い資産運用報酬(対総資産ベースの資産運用報酬比率)の引下げ等を提案し対話をしてまいりました。
しかしながら、本投資法人及び本資産運用会社において、当社の提案を真摯に検討する姿勢は見られませんでした。このため、当社は、本投資法人の投資主価値の向上を実現するため、下記の各議案について投資主の皆様方のご判断を仰ぐべく、本日、本投資法人に対し、下記の事項を投資主総会の目的とする投資主総会の招集の請求(以下「本提案」といいます。)を行いましたので、お知らせいたします。
① 規約一部変更(収益・分配金成果報酬料率の変更)の件
② 規約一部変更(譲渡成果報酬の廃止並びに取得報酬及び譲渡報酬の新設)の件
③ 規約一部変更(被合併時成果報酬及び被買収時成果報酬の廃止並びに合併報酬の新設)の件
④ 執行役員杉原亨選任の件
⑤ 監督役員藤永明彦選任の件
⑥ 規約一部変更(役員報酬上限設定)の件
なお、本提案の詳細につきましては、添付資料「投資主総会招集請求書」及び当社が本日公表した説明資料「いちごオフィスリート投資法人に対する当社からの提案について」をあわせてご参照ください。
当社は、本提案により、投資主利益と連動性の高い資産運用報酬体系への改定による資産運用報酬額の適正化を行うとともに、J-REIT運用経験者の登用による本投資法人のガバナンスの改善及び強化を目指しております。
当社は、本提案が本投資法人の投資主価値向上に資するものと確信しており、以下に、本投資法人が抱える現状の問題点及び本提案の概要をご説明させていただきますので、投資主の皆様には、当社の考えをご理解いただき、本提案にご賛同いただきますようお願い申し上げます。
1. 投資主利益と連動性の高い報酬体系への改定による資産運用報酬額の適正化
本投資法人は、2020年7月開催の投資主総会(以下「2020年投資主総会」といいます。)において、資産運用報酬体系を全面的に変更し(以下「本報酬変更」といいます。)、「収益・分配金成果報酬」、「譲渡成果報酬」、「被合併時成果報酬」及び「被買収時成果報酬」からなる資産運用報酬体系を新設しました(以下、本報酬変更前の資産運用報酬体系を「旧報酬体系」、本報酬変更後の資産運用報酬体系を「新報酬体系」といいます。)。
しかしながら、当社は、新報酬体系は投資主価値向上とは相反する資産運用報酬体系であると考えており、本提案の①~③として、投資主利益と連動性の高い資産運用報酬体系への改定による資産運用報酬額の適正化をご提案申し上げます。
(1) 規約一部変更(収益・分配金成果報酬料率の変更)の件(本提案の①)
本投資法人の「収益・分配金成果報酬」はJ-REIT全銘柄の内、最も高い資産運用報酬(対総資産ベースの資産運用報酬比率)となっています。当社の試算によれば、本投資法人は、J-REIT全銘柄平均の約1.7倍(対総資産ベースの資産運用報酬比率)の報酬を本資産運用会社に対して支払っています。他方で、本投資法人は、2016年5月の公募増資を最後に、7年間にわたって公募増資を伴う外部成長の実績がなく、資産規模の拡大が実現されていません。外部成長が著しく停滞している状況でこのような高額な資産運用報酬が支払われることは、それ自体が不適切であることに加え、本投資法人の外部成長を妨げ得る要因となります。
したがって、当社は、「収益・分配金成果報酬」を、J-REIT平均程度の水準まで引き下げ、分配金の向上及び投資口価格の上昇圧力を生み、公募増資を伴う外部成長を実行しやすい環境を作るため、「収益・分配金成果報酬」の料率の変更が必要であると考え、「収益・分配金成果報酬」を現行の「0.0054%」から「0.0036%」に変更することをご提案申し上げます。
(2) 規約一部変更(譲渡成果報酬の廃止並びに取得報酬及び譲渡報酬の新設)の件(本提案の②)
新報酬体系のうち「譲渡成果報酬」は、その料率が譲渡益に対して15%を乗じた金額と、極めて高い料率に設定されており、資産譲渡により譲渡益(原則として、売却価格から帳簿価格を控除することによって得られます。)が発生した場合、本投資法人は、極めて高額な報酬を負担しなければなりません。また、本投資法人に譲渡益が生じる場合には同時に「収益・分配金成果報酬」が増額されるため、本投資法人は「譲渡成果報酬」の発生と「収益・分配金成果報酬」の増額という二重の負担を負うこととなります。
このため、当社は、「譲渡成果報酬」を廃止し、J-REITにおける一般的な報酬体系である取得報酬及び譲渡報酬を新設することをご提案申し上げます。
(3) 規約一部変更(被合併時成果報酬及び被買収時成果報酬の廃止並びに合併報酬の新設)の件(本提案の③)
新報酬体系のうち「被合併時成果報酬」及び「被買収時成果報酬」は、本資産運用会社の役務提供との関連性を欠く報酬体系となっており、加えて、その金額は極めて高額となり得る一方で、その算定に不明瞭な部分がある等、およそ報酬体系としての合理性を欠いております。その実際上の効果としても、投資主価値の向上に資する提案を阻害する効果を有するものであり、事実上の買収防衛策と捉えられます。なお、「被合併時成果報酬」及び「被買収時成果報酬」を導入しているのはJ-REITにおいて本投資法人のみとなっています。
そのため、当社は、「被合併時成果報酬」及び「被買収時成果報酬」を廃止し、J-REITにおける一般的な報酬体系である合併報酬を新設することをご提案申し上げます。
2. J-REIT運用経験者の登用によるガバナンスの改善及び強化
上記のとおり、新報酬体系は、投資主価値の向上に資するものとは言い難い、不合理又は不適切な内容を多分に含むものですが、本投資法人の本報酬変更に係る2020年投資主総会の招集通知においては、新報酬体系は「さらなる投資主価値向上」に向けたものであると説明されております。加えて、当該投資主総会に先立って開示された本投資法人のプレスリリース(2020年6月15日付「規約変更および役員選任のお知らせ」)においては、変更前の旧報酬体系下における2015年10月期から2020年4月期までの5年間の資産運用報酬の合計値と、変更後の新報酬体系下における2015年10月期から2020年4月期までの5年間の資産運用報酬の合計値(試算値)とを比較し、新報酬体系下においては資産運用報酬の総額が4.2%の減少となる旨を示すグラフが掲載されています。すなわち、本投資法人の開示資料によれば、新報酬体系に移行した場合、資産運用報酬の総額が減少し、投資主価値向上につながることが示唆されていました。
しかしながら、当社が本投資法人の開示資料を基に試算したところ、本報酬変更後の2021年4月期から2022年10月期までの4期間の資産運用報酬の実績(新報酬体系に基づくもの)は、旧報酬体系に基づいた場合の資産運用報酬額を有意に上回る金額であり、開示資料による示唆とは全く逆の結果となっています。また、当社による新報酬体系の見直しの提案に対する本投資法人及び本資産運用会社の姿勢は、当社の指摘に誠実に対応するものではなく、投資主利益を軽視するものといわざるを得ませんでした。
当社としては、このような本資産運用会社の投資主利益軽視の姿勢は、本投資法人による本資産運用会社に対する監督・牽制が適切に機能していないことによるものであると考えており、これを是正するためには、本投資法人のガバナンス体制を強化し、本資産運用会社に対する監督・牽制機能を強化することが必要不可欠であると考え、本提案④~⑥をご提案申し上げます。
(1) 執行役員杉原亨選任の件(本提案の④)及び監督役員藤永明彦選任の件(本提案の⑤)
当社は、上記のように本投資法人において、投資主価値の向上という基本的な理念を実現するためのガバナンス体制が構築されていないと考えています。このようなガバナンス体制の問題を解消するためには、外部からJ-REITの運用に造詣が深い執行役員及び監督役員各1名を選任し、執行役員をして資産運用報酬に関する資産運用会社との折衝を投資主利益保護の観点から適切に行わせるとともに、両役員をして機動的な役員会運営等を通じた本投資法人のガバナンスのモニタリングを行わせることが望ましいと考えます。
杉原亨氏は、不動産業界での長年にわたる実務経験を有し、J-REITの資産運用に長期にわたり携わり、かつ、J-REITの執行役員としての執務経験も有するなど、投資法人実務に関する知識と経験を豊富に有しています。杉原氏は、本投資法人において不足している、報酬体系の適切性検証のための実務的な能力を補うこと、また、投資主利益に反するような事態が生じた場合、素早くそれを認識し、機動的かつ適切に対応することが可能な人材です。
藤永明彦氏は、多くの著名な不動産会社やJ-REITの資産運用会社において、代表取締役社長、執行役員等の重要な役職を歴任しており、不動産の投資運用実務に極めて精通した人物です。加えて、藤永氏は、財務分野における深い知見を有しており、不動産業界の知見に基づく報酬算定式自体の適切性及び財務分野における知見に基づく支払額の適切性の両面からの分析及び監督が可能です。したがって、資産運用報酬体系の適正化が問題となっている本投資法人の監督役員として、まさに適任な人物です。
(2) 規約一部変更(役員報酬上限設定)の件(本提案の⑥)
「執行役員杉原亨選任の件」(本提案の④)及び「監督役員藤永明彦選任の件」(本提案の⑤)で提案している執行役員及び監督役員の増員は、本投資法人のガバナンス改善のための措置であり、投資主価値の向上を目的とするものですが、これらの役員の増員によって本投資法人の費用負担が必要以上に増加することを避ける観点から、役員報酬を合理的な範囲に抑えるため、役員報酬総額について、上限を設定するものです。
執行役員及び監督役員の報酬総額の上限額としてご提案する月額1,090,000円は、本投資法人の第34期計算期間における資産運用報告から確認できる現役員の報酬額に、新たに選任をお願いしている執行役員の報酬として月額1万円、新たに選任をお願いしている監督役員の報酬として他の監督役員の月額報酬と同額を加算した金額であり、具体的な内訳は以下のとおりです。
現執行役員 月額360,000円
現監督役員2名分 月額480,000円
新執行役員 月額10,000円
新監督役員 月額240,000円
以上
<本資料に関するお問い合わせ先>
Berkeley Global, LLC (東京における連絡先)
■電話番号:03-5860-1028
■E-mail:tsugihara@starasiamanagement.com
■本資料に関するご説明動画:https://www.youtube.com/channel/UCYasJn4xrns2fhyZFKMAELw
■投資主総会招集請求関連資料:http://starasiamanagement.com/
本資料は、当社(Berkeley Global, LLC)が提案するいちごオフィスリート投資法人の改善点の抽出とその解決策に関する情報提供を目的としたものであり、特定の商品についての募集・勧誘・営業等を目的としたものではありません。