UGSアセットマネジメント株式会社のプレスリリース
経営実績に見合わない過大な役員報酬の見直しと、価値ある企業への再生を目指すために新たな取締役の選任を提案
各位
サンシャインH号投資事業組合
業務執行組合員
UGSアセットマネジメント株式会社
代表取締役 植頭隆道
株式会社トライアイズ(東証グロース:4840)への株主提案について
株式会社トライアイズ(以下「トライアイズ社」といいます。)の株主であるサンシャインH号投資事業組合業務執行組合員UGSアセットマネジメント株式会社(以下「提案株主」といいます。)は、6カ月前から引き続き300個以上の議決権を有する株主であるところ、会社法第303条第2項並びに第305条第1項及び会社法施行規則第93条に基づき、トライアイズ社第28回定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)につき、株主提案権を行使しました。
提案株主は、2023年1月13日に、本定時株主総会において株主提案権を行使する書面を発送し、同月14日には同書面がトライアイズ社へ到達したことを確認しております。これについて、書面到着後1か月が経過しましたが、トライアイズ社より本件に関するリリースが行われておりません。他方で、2023年2月21日、トライアイズ社の現代表取締役社長である池田有希子氏は、自己が提出した2021年12月28日付けの大量保有報告書を取り下げ、新たに大量保有報告書と変更報告書を提出しました。これは、提案株主の株主提案権の行使を受けて行われたものと推測されます。
そこで、以下、提案株主より、提案議案の内容及び提案の理由について、下記のとおり公表いたします。
【提案議案の内容】
(1)取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬の減額の件
トライアイズ社の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬の限度額を、年額5000万円以内とする。
(2)監査等委員でない取締役1名選任の件
トライアイズ社におけるコーポレートガバナンス体制を正常化させることを目的とし、取締役1名(候補者:植頭隆道)を選任する。
【提案の理由】
(1)取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬の減額の件
トライアイズ社の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬の限度額については、2018年3月23日開催のトライアイズ社株主総会において、年額5億円以内と決議されていますが、トライアイズ社の経営実績に鑑みると、この限度額は過大であり、年額5000万円以内に減額するべきです。以下、理由を述べます。
トライアイズ社の前代表取締役社長である故池田均氏が2005年11月にトライアイズ社の代表取締役社長に就任して以降、トライアイズ社の株主資本は減少し続けています。具体的には、2007年12月期には108億3800万円の株主資本があったものが、2021年12月期には39億8400万円にまで減少しており、実に2007年12月期の株主資本の60%以上が毀損されたことになります。
そして、現代表取締役社長である池田有希子氏は、2004年5月にトライアイズ社入社後、2007年12月に執行役員に、2009年3月には取締役に就任し、2013年12月期以降は代表取締役副社長として、故池田均氏と共に、トライアイズ社の経営を代表してきており、上記の株主資本の毀損や業績の低迷について、故池田均氏とともに、大きな責任を有していると考えられます。
本来、株式会社を経営する者は、株式会社の業績にコミットし、その成果に応じて報酬を受け取るものですが、トライアイズ社の経営陣は、売上高、利益、純資産、その他どの要素を見ても、トライアイズ社を成長させてきたとは言い難く、上記のとおり、大幅に株主資本を減少させてきています。それにもかかわらず、トライアイズ社の取締役の報酬は、高水準を維持してきました。特に、池田有希子氏が代表取締役副社長に就任した2013年12月期以降の報酬が際立って高く、2013年12月期は取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬の総額(使用人兼務役員分含む)は1億6396万円でした。この時点の対象となる取締役は4名であるため、一人当たりの報酬は4000万円を超えていることになります。さらには、2017年12月期の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は総額で1億7296万円(使用人兼務役員分含む)であり、当該期の対象となる取締役の数は期首には5名であるものの期末には3名であるため、3名で平均すると一人当たりの報酬は5000万円を超えることになります。他方、2017年12期のトライアイズ社の営業利益は、1億900万円の赤字でした。これら以外の期においても、トライアイズ社の取締役(監査等委員である取締役を除く)には、とても経営状況が不安定な企業の取締役の報酬額とは思えない高額の報酬が支払われ続けています。
トライアイズ社の経営の状態が改善し、売上高、利益が安定的に上昇基調になり、純資産も増加傾向になるまでは、このような高額の取締役報酬を認めるべきではありません。本来、このようなことは、経営陣が自らの良心に従い改善すべき事項であると考えられますが、池田有希子氏をはじめとする現経営陣にそのような期待をかけることは難しく、これまでの17年間がそうであったように、この習慣に固執して改めようとはしないと思われます。
提案株主は、このようなトライアイズ社の現状を改善するため、そして現経営陣が会社の売上利益と自らの報酬について見つめ直すことを期待し、現在、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬限度額が年額5億円と定められているものを、年額5000万円に減額することを提案します。
(2)監査等委員でない取締役1名選任の件
トライアイズ社の前代表取締役の故池田均氏は、2021年9月27日に逝去し、それに伴い2021年10月1日付けで池田有希子氏がトライアイズ社の代表取締役に就任しましたが、この時点での公開情報においては、代表取締役の氏名は「池田有希子」ではなく「佐藤有希子」となっていました。そして、2021年12月15日付けトライアイズ社リリース「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」において、代表取締役の氏名は「池田有希子」に変更になり、同月27日付けトライアイズ社リリース「主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」では、池田有希子氏が故池田均氏よりトライアイズ社株式及びトライアイズ社新株予約権を相続し、当該新株予約権を行使したことが開示されました。なお、トライアイズ社の履歴事項全部証明書によれば、故池田均氏の逝去の約3カ月前である2021年6月23日に取締役の氏名が「佐藤有希子」から「池田有希子」へ変更されたこと、及びこれが登記されたのは2021年10月27日であることが確認できます。
この点、提案株主は、トライアイズ社の経営陣との面談において、池田有希子氏は故池田均氏の配偶者であるとの事実の開示を受けましたが、トライアイズ社は、この事実について一切開示を行っていません。2021年6月23日の時点でトライアイズ社の代表取締役社長(故池田均氏)と代表取締役副社長(池田有希子氏)が婚姻関係にあったとすれば、そのことは投資家にとって重要な事実であると考えられますが、トライアイズ社は、この事実について開示を行わないまま、前代表取締役の配偶者を新しい代表取締役に選任したことになります。これは、トライアイズ社のガバナンス上、重要な問題であると考えられます。提案株主は、トライアイズ社の監査等委員である取締役に対して上記の情報が非開示である理由を質問しましたが、「プライベートなこと」という回答しか得られませんでした。しかし、金融商品取引法が定める大量保有報告制度においても、夫婦の関係がある場合にはみなし共同保有者とされていることを踏まえれば、上場会社の代表取締役であり、かつ株主でもある者が夫婦の関係にあることが、単なるプライベートな事柄ではなく、投資家の投資判断に著しい影響を及ぼす事項であることは明らかです。
また、池田有希子氏(相続前の推定される株券等保有割合5.53%)と故池田均氏(逝去時の推定される株券等保有割合7.78%)は、それぞれ単独での株券等保有割合が5%を超えた時点でも大量保有報告書を提出していないと思われますが、その後、夫婦の関係に至り、みなし共同保有者となった後にもなお、大量保有報告書を提出しませんでした。池田有希子氏が大量保有報告書を提出したのは、故池田均氏が逝去した後の2021年12月28日です。故池田均氏と夫婦の関係になった日から5営業日以内に大量保有報告書を提出しなかった池田有希子氏の行為は、明らかな法令違反であり、そのような者を代表取締役に選任した取締役会の認識には大きな問題があると考えられます。
更に言えば、池田有希子氏はトライアイズ社株式の取得資金の一部(1000万円)をトライアイズ社からの借入金でまかなっているとのことであり、上記の情報開示の不備及び法令違反行為をも総合考慮すれば、トライアイズ社をまるでプライベートカンパニーのように扱っていると疑わざるを得ません。
以上のとおり、現経営陣には、投資家にとっての重要事実を忠実に開示する姿勢は全く見られず、監査等委員会が正常にチェック機能を発揮しているとも言えません。またそのような姿勢で経営に望んでいるため、「取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬の限度額の減額の件」の提案理由で指摘するような、株主資本の毀損、業績の低迷、高額な役員報酬が、もはやトライアイズ社経営陣の常識となっています。
提案株主は、そのようなトライアイズ社のコーポレートガバナンス体制を正常化させ、トライアイズ社を価値ある企業と再生させるために、取締役1名の選任を提案する次第です。
今回、取締役として選任をお願いする植頭隆道氏は、UGSアセットマネジメント株式会社の代表取締役として、2009年から投資事業組合の運営管理を行っており、同社では現在合計11のファンドの資産運用を行っています。また、植頭隆道氏は、2013年にヘッジファンド証券株式会社の代表取締役に就任し、前年まで赤字であった同社を黒字の経営へ立て直した実績もあります。よって、その運用実績及び経験は、トライアイズ社の投資事業の再構築と業績回復に寄与することが期待でき、また、株主からの視点でトライアイズ社のコーポレートガバナンスの正常化を図ることが期待できます。
〔氏名(生年月日)〕
植頭隆道 うえず たかみち
(1979年6月23日生)
〔略歴〕
2002年4月
KOBE証券株式会社(現インヴァスト証券株式会社)入社
2009年8月
リードオフマネジメント株式会社 代表取締役
2010年3月
UGSアセットマネジメント株式会社 代表取締役(現任)
2011年3月
ヘッジファンド証券株式会社 取締役
2013年7月
ヘッジファンド証券株式会社 代表取締役(現任)
〔重要な兼職の状況〕
UGSアセットマネジメント株式会社 代表取締役
ヘッジファンド証券株式会社 代表取締役
〔所有するトライアイズ社株式の数〕
0株
以上
本開示は、トライアイズ社の株主のために情報を提供するという目的で行うものであり、提案株主は、トライアイズ社の他の株主の皆さまに対して提案株主と共同で株主権(議決権を含みますがそれに限りません)を行使していただきたいと依頼、または要請しているわけではありません。
また、本提案に含まれる情報は、提案株主が信頼できると判断した情報源から得たものです。提案株主は、本開示に掲載する情報の正確性を確保するために合理的な注意を払っておりますが、その正確性、完全性および 信頼性について明示・黙示にかかわらず一切の表明・保証をするものではありません。