全国の中小企業の資金需要と資金繰りに関する調査

エヌエヌ生命保険株式会社のプレスリリース

生命保険を通じて日本の中小企業を応援するエヌエヌ生命保険株式会社(代表取締役社長:マリウス・ポペスク、本社:東京都渋谷区、以下「エヌエヌ生命」)は、中小企業経営における資金需要と資金繰りの実態について把握するため、1月中旬に全国の中小企業経営者(※)7,222名を対象とする調査をおこないました。
(※)本調査では、従業員300人未満の規模の「会社経営者(社長、会長、取締役)」、または「従業員のいる自営業者」を中小企業経営者と定義しています。

<調査結果まとめ>

  1.  新型コロナウイルス感染症の影響により会社の資金需要が「発生した」のは39.7%。資金調達をした中小企業経営者の26.8%が既に完済
  2. 物価高の影響により資金需要が「発生した」のは29.3%で、都道府県別では栃木県(46.2%)が最多で半数近く
  3. 資金繰り悪化時の相談先として最も多かったのは「地方銀行・第二地方銀行」(23.3%)。資金繰り悪化時に検討する内容としては「経営陣の給与・賞与削減」(42.1%)が最多で、「商品(製品・サービス)の値上げ」(25.5%)、「仕入れ先への価格交渉」(21.1%)と続く
  4. 42.5%の中小企業経営者が、2022年と比較して2023年の会社の景気の見通しは「変わらない」と回答

<調査結果詳細>

(1)新型コロナウイルス感染症の影響により会社の資金需要が「発生した」のは39.7%。資金調達をした中小企業経営者の26.8%既に完済
中小企業経営者7,222名に、新型コロナウイルス感染症の影響で資金需要は発生したか聞いたところ、資金需要が「発生した」と回答したのは39.7%でした。
過去におこなった同様の調査(※1)と比較すると、2020年の4月下旬以降は横ばい傾向が続いています。

 

 

新型コロナウイルス感染症の影響により資金需要が「発生した」の回答率を都道府県別に見ると、山形県(55.8%)が最も高く、次いで熊本県(53.8%)、鹿児島県(50.6%)でした。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により資金需要が「発生した」と回答した2,867名に、実際に利用(活用)した資金調達方法について聞いたところ、「持続化給付金(経済産業省)」(55.1%)が最も多く、次いで「新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)」(37.8%)、「自治体の協力金・見舞金」(23.0%)となりました。
 

さらに、返済が必要な方法で資金調達をした1,024名に、返済のめどについて聞いたところ、53.8%が「完済はしていないが、期限通り返済できるめどは立っている」と回答しました。また、「既に完済している」は26.8%でした。

2物価高の影響により資金需要が「発生した」のは29.3%で、都道府県別では栃木県(46.2%)が最多で半数近く
中小企業経営者7,222名に、2022年3月以降、仕入れや輸送費などさまざまな価格が高騰する物価高の影響により資金需要が発生したか聞いたところ、29.3%が「発生した」、70.7%が「発生していない」と回答しました。
 

物価高の影響により資金需要が「発生した」の回答率を都道府県別に見ると、栃木県(46.2%)が最も高く、次いで山形県(44.2%)、岩手県(40.3%)でした。栃木県と山形県は、新型コロナウイルス感染症の影響による資金需要の発生についても上位に入っていました。

3資金繰り悪化時の相談先として最も多かったのは「地方銀行・第二地方銀行」(23.3%)。資金繰り悪化時に検討する内容としては「経営陣の給与・賞与削減」(42.1%)が最多で、「商品(製品・サービス)の値上げ」(25.5%)、「仕入れ先への価格交渉」(21.1%)と続く
中小企業経営者7,222名に、資金繰りが悪化した際に検討することについて聞いたところ、最も多かったのは「経営陣の給与・賞与削減」(42.1%)で、次いで「商品(製品・サービス)の値上げ」(25.5%)、「仕入れ先への価格交渉」(21.1%)でした。
 

また、資金繰りが悪くなった場合、どこに相談するか聞いたところ、最も多かったのは「地方銀行・第二地方銀行」で23.3%、家族や親族などの「血縁関係」(21.9%)、弁護士や税理士などの「士業」(18.8%)と続きました。一方で、約3割(27.3%)が「特にない・どこにも相談しない」と回答しました。

資金繰りが悪くなった場合の相談先について「特にない・どこにも相談しない」の回答率を都道府県別に見ると、奈良県(40.3%)が最も高い結果となりました。5位の栃木県は、物価高や新型コロナウイルス感染症の影響により資金需要が発生した都道府県上位に入っているものの、資金繰りが悪くなった場合の相談先がない状況であることが今回の調査で分かりました。
 

社会保険料の支払いを滞納すると、どういったことが起きるか知っているか聞いたところ、「催促を受ける」と「延滞金が発生する」については5割以上が知っていると回答しました。その一方で、「何も知らない」は25.4%でした。

442.5%の中小企業経営者が、2022年と比較して2023年の会社の景気の見通しは「変わらない」と回答
中小企業経営者7,222名に、経営する会社の景気の見通しとして、2022年と比較して2023年はどうなると思うか聞いたところ、42.5%が「変わらない」と回答しました。「良くなる」「少し良くなる」を合わせた良くなるが29.8%だった一方で、「悪くなる」「少し悪くなる」を合わせた悪くなるは27.7%と拮抗していました。

2022年と比較した経営する会社の景気の見通しについて都道府県別に回答率を見ると、良くなるは奈良県(40.3%)、悪くなるは群馬県(42.2%)が最も高い結果となりました。

会社の景気の見通しを立てる上で判断材料にしている動向については、「国内景気の動向」が最多で67.3%、次いで「物価高の動向」(30.2%)、「国内の感染症の動向」(27.4%)でした。「海外景気の動向」(19.3%)や「輸出入関係の動向」(10.6%)は国内に関する項目と比べると低く、現時点では海外よりも国内の動向を中心に見る傾向にあると言えそうです。
 

また、各項目の回答率を都道府県別に見ると、「物価高の動向」は山口県と徳島県(46.2%)、「国内の感染症の動向」は秋田県(44.9%)が最も高い結果となりました。

【注釈】
(※1)過去の資金需要に関する調査詳細は以下をご覧ください。
・2020年3月下旬 実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2020/200416_surveyoncapitalneeds.pdf
・2020年4月下旬 実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2020/200521_surveyoncapitalneeds_pt2.pdf
・2020年11月上旬 実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2020/201126_surveyoncapitalneeds_pt5.pdf
・2021年2月上旬 実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2021/210225_impactonsme.pdf
・2021年8月上旬 実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2021/210826_impactonsme.pdf
・2021年11月下旬 実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2021/211216_capitalneeds_sdgs.pdf
・2022年2月上旬 実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2022/20220315_capitalneeds_nointerestnocollateral.pdf
・2022年6月下旬実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2022/20220714_capitalneeds_assets.pdf
・2022年9月下旬~10月上旬実施
https://www.nnlife.co.jp/library/pdf/company/news/2022/20221025_SME_commtools.pdf

【調査概要】
調査対象:日本全国の中小企業経営者
※従業員300人未満の規模の会社経営者(社長、会長、取締役)または従業員のいる自営業者
サンプル:全国7,222名
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社マクロミル
実施時期:2023年1月13日~1月16日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
※上位5都道府県の算出には小数点第3位以下を含めた数値を反映しております。
 

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