アイリックコーポレーションとドコモ・インシュアランス　AI-OCR・RPAを活用した火災保険見積システムの共同開発に合意

• 背景

　従来、住宅ローンの借入期間に合わせた長期契約（35年等）が主流の火災保険ですが、自然災害の増加等により2015年に最長10年の契約に改定、2022年には最長5年へと、保険期間が短くする商品改定が相次いでいます。2025年には通常年よりも数倍多くの満期契約が流通することになります。また、台風・豪雨による自然災害の増加で、保険会社の保険料の値上げもあり、消費者による保険内容の見直し・切り替えのニーズが増加すると予測されます。
　火災保険の設計には様々な情報（物件の築年数・構造・面積など）をシステムに入力する必要があり、1保険会社につき5～10分ほどかかります。乗合保険代理店にて比較のために複数保険会社の火災を試算するには保険会社ごとの設計システムを起動する必要があり、数十分～1時間ほどかかり、お客様をお待たせしてしまうという現状があります。
　今後は保険会社・保険代理店ともに、より効果的・効率的な火災保険の案内を求められるため、当社はAI-OCR、RPAを搭載した火災保険料見積システムを開発し、これらの課題を解決してまいります。

• 詳細

■AI-OCRによる保険料見積システム
　火災保険証券をAI-OCRで読み取り、読み取り結果を保険会社の保険料計算エンジンと連携し、保険料を瞬時に算出します。WEB 上でお客さまが自身の火災保険証券の画像ファイルをアップロードすると、瞬時に保険料が提示されるシステムです。販売先は大規模保険代理店や保険会社を主とする予定です。

「大規模保険代理店や保険会社向けのAI-OCRによる保険料見積システム」

■AIにより非定型帳票から特定の文字列を抽出する新技術の採用
　2019年に自動車保険で採用した技術では、AI-OCRにより変換した文字列をロジック(ルールエンジン)により文字列を抽出するため、帳票精度改善にトレードオフが発生する等の問題がありました。
今回は、インフォディオが開発したAIによるデータ抽出エンジンであるAI-EXを搭載し、従来使用していたルールエンジンとAI-EXをハイブリッド化しました。ルールエンジンとAI-EXの2つの抽出結果から確信度が高い方を採用するハイブリッドエンジンで、読めなかった帳票が発生した場合、ロジックを変更することなく追加学習により対応することが可能となります。
AI-EXの詳細はこちら：https://www.smartocr.jp/solution/

■RPAベースの保険代理店向け保険料見積システムの提供
お客さまからヒアリングした火災保険見積に必要な共通項目を基に、共同ゲートウェイから保険代理店システムに接続し、複数の保険会社の保険料を瞬時に計算し、見積作成まで行えるRPAシステム。販売先は複数保険会社の火災保険を取り扱っている保険代理店が主となる予定です。

「複数保険会社の火災保険を取り扱っている保険代理店向けのRPAによる保険料見積システム」

• 今後の展開について

保険会社向けAPI連携は、保険代理店として火災保険の引受実績があり、引受ノウハウを蓄積しているドコモ・インシュアランスが開発を担います。すでに保険会社数社からも、採用・協力の意向を受けております。保険会社によるノウハウも結集し、保険会社ごとに表現が異なる用語のゆらぎ補正・コード化、マッピングを開発します。AI-EXによるディープラーニング等を実施し、来春サービスインを目指します。
 

• 会社概要

■株式会社アイリックコーポレーション（https://www.irrc.co.jp/）
（東京証券取引所　グロース市場：証券コード 7325）

*「日本初の来店型乗合保険ショップチェーン※」
※店舗数11店舗以上または年商10億円以上をチェーン店と定義
　東京商工リサーチ調べ（2018年6月）

■株式会社インフォディオ（https://www.infordio.co.jp/）

■株式会社ドコモ・インシュアランス（https://www.docomo-insurance.co.jp/）