損害保険ジャパン株式会社のプレスリリース
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:小島 啓二、以下「日立」)と、損害保険ジャパン株式会社(取締役社長:白川 儀一、以下「損保ジャパン」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/3次元空間情報基盤に関する研究開発」(以下「本プロジェクト」)において「3次元空間情報基盤活用による自律移動ロボット普及に向けた実証実験」というテーマで採択されました。
ドローン等の自律移動ロボットは、Society 5.0を実現する未来技術として、送電設備や橋梁など重要な社会インフラの点検や、人手不足が深刻化する中での物資輸送など、幅広い用途での利活用が期待されており、大きな社会価値・経済価値をもっています。
一方でドローン事業の社会実装には、安全性・信頼性や経済性、運行リスクへの社会的受容性に関する懸念・課題が存在するため、本プロジェクトへの参画によって、全ステークホルダーや運行エリアの地域住民の方がメリットを感じながら安心して利用できるドローン事業の創出を目指します。
DADC※1が設計した空間IDおよび3次元空間情報基盤のアーキテクチャ※2に基づき、ドローンの自律運行を管理するシステムのプロトタイプを研究・開発して「送電設備点検」「橋梁点検」「物資輸送」の3つのユースケースで実証実験を行います。3次元空間情報基盤を活用することで、ドローンの運行に関わる情報(地物・地形情報や気象情報など)の統合的な管理やその容易な利活用を可能とし、より安全で高効率な運行の実現が期待できます。
今回、3次元空間情報基盤と本プロジェクトで開発する運行管理システムを連接したビジネスモデルの経済価値について検証します。また、ユースケースごとにリスクアセスメントを実施し、その結果をもとに運行管理システムと連携したドローン事業者向けの損害保険スキームを検討します。
【ユースケース実証の概要】
【3次元空間情報基盤等の研究・開発、ドローン事業のリスク管理の概要】
2.日立と損保ジャパンの役割
(1)日立
・3次元空間情報基盤等の研究・開発
(空間IDなどDADCのアーキテクチャとの協調領域や運用に適したメタデータの検討など)
・3次元空間情報基盤を活用した運行管理システムのプロトタイプの研究・開発
・3つのユースケースに関する事業性および有効性の検証
(2)損保ジャパン
・3次元空間情報基盤を活用したドローンの飛行に関するリスクアセスメント手法の研究・開発
・リスクアセスメントによる地権者等の懸念の軽減効果の検証
・3次元空間情報基盤等と連携した保険スキームの検討
3.実施期間
2024年度末まで
※1 DADC(デジタルアーキテクチャー・デザインセンター):Society 5.0(超スマート社会)の実現に必要なデータの連携・共有を可能にする仕組みや制度を設計するための推進機関。
※2 空間IDおよび3次元空間情報基盤のアーキテクチャ:3次元空間の位置を一意に特定し、モビリティや衛、街中のセンサー等で取得される現実空間に関する異なるデータの組み合わせを容易にし、また、時間変化の情報を正確に反映し、個別のサービスに必要な実空間情報だけを提供する仕組み。
以上