フジテックの社外取締役に大きな懸念 株主の利益のために最善の行動をとっているかどうか疑問

Asset Value Investors Limitedのプレスリリース

アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(本社:ロンドン、最高経営責任者 兼 最高投資責任者:ジョー・バウエルンフロイント、以下、「AVI」)は、フジテック株式会社(以下、「フジテック」)の内山高一前社長の数十年にわたる関連当時者取引の責任を追及せず、また、定時株主総会において株主は同氏の再任に賛成投票していないにも関わらず、会長として引き続き会社を率いることから、現取締役会の信頼性について疑わしく感じていることを明らかにしました。

AVIは約4年前からフジテックの株主であり、2020年5月には「フジテックの改善~次のレベルへ」と題した公開キャンペーンを実施し、企業価値向上のためのプレゼンテーションを発表しました。詳細は、特設ウェブサイト(http://www.takingfujitectothenextlevel.com)をご覧ください。

公開キャンペーン以降、フジテックは買収防衛策の廃止、情報開示の充実、株主還元の向上、生産の標準化など、数多くの点で改善を図り、AVI はこうした改善を心から支持しています。このような取り組みはフジテックの企業価値向上に繋がり、株価が2020年5月のAVIの公開キャンペーン以降に79%も上昇した一因と言えます。

しかしながら、関連当時者取引に関してオアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドが抱くもっともな懸念に対するフジテックの対応は、コーポレート・ガバナンスの基本的な水準を下回っています。取締役会が内山高一氏の不正を晴らそうと努力しましたが、内山高一前社長とその家族が行った数々の関連当時者取引は、フジテックのコーポレート・ガバナンス上、問題がないとは到底考えられませんでした。従って、AVIは、内山高一氏のたび重なる関連当事者取引と職権乱用に鑑みて、2022年のフジテックの定時株主総会で内山高一氏の再任に反対票を投じました。

ところが、フジテックの取締役会は、内山高一氏の再任に対する株主からの低い支持率を隠すためと推察される理由から、定時株主総会のわずか1時間前に内山高一氏の再任の議案を取り下げました。しかも株主の支持を得ていないにも関わらず、定時株主総会の直後に、内山高一氏を会長に就任させました。

AVIの最高経営責任者であるジョー・バウエルンフロイントは、内山高一氏の会長就任について次のように述べています。「フジテックは株主の声に背き、定時株主総会の手続きを回避して、内山高一前社長を会長に指名しました。これは、東京証券取引所、政府、金融庁によるコーポレート・ガバナンス強化の取り組みに逆行しています」

過半数が社外取締役で構成される取締役会がこのように露骨に株主の権利を無視したことは、現社外取締役が株主の最善の利益を追求しているかどうか懸念を抱かせます。

さらに、「定時株主総会のわずか1時間前に内山高一氏の再任議案を撤回し、会長に指名する決定に関わった全ての取締役は、恥ずべきです。社外取締役は社外代表として株主の利益を守るために存在するものです。社外取締役の行動が株主の最善の利益のために行われたのか、彼らに社外取締役を継続するに足る信頼性があるのか、当社は疑問視しています。長期投資家として、当社は過去数年にわたりフジテックと実りある議論をしてきましたが、最近の状況には憂慮しています。株主として無視されているのを黙って見ていることはできません。次のステップを積極的に検討しています」とジョー・バウエルンフロイントは語っています。
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AVIについて
AVI はロンドンを拠点とする投資運用会社で、20年以上にわたって日本株に投資しています。1985年の設立以来、35年以上にわたって株式市場に投資して参りました。AVI の投資チームは投資先企業の経営陣との対話を通じて、企業価値の持続的な向上に貢献することを目指しており、日本株への投資額は約 780 億円に相当します。

https://prtimes.jp/a/?f=d55611-20220629-e4f366dcf6319a4dc1c6bab938f1af04.pdf