積水ハウスのプレスリリース
父が遺したものを生かし、庭から先に考えた和の「平屋」
リビングで愛猫とくつろぐ村上さんご夫妻
じわじわシェアが高まる「平屋」
憧れのマイホームを考えるとき、何階建てをイメージしますか?建築を予定する敷地の広さや、法令の制限によっても変わってきますが、「どのような間取りにしようか」と悩むなかで、平屋がいいな、と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
平屋の建築数はこの10年間で約3万棟から5.5万棟に1.8倍、建築総数に占める割合は7%から12%へと1.5倍に増えていることが国土交通省の調査結果※1でも分かりました。
(※1)建物着工統計調査 建築物着工統計の年次データ(2012~20年)を基に積水ハウスが試算
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00600120&tstat=000001016965
父への思いを生かした家づくりを決意
愛媛県在住の村上英太郎・愛さんご夫妻も、平屋ならではの段差のないワンフロアでの生活と、すべての部屋と庭をつなげ、眺めたいとの希望から、最初から庭を中心とした平屋づくりを希望されていました。ご自宅にお客様を招かれることもよくあるとか。
「以前は賃貸住宅に住んでいたんですが、賃貸だとお客様に自分が思っているような十分なおもてなしができませんでした。だから、お客様をおもてなししたいという、自分の思いを伝えることのできるような家を作りたいと以前から思っていました。」(英太郎さん)
そんな英太郎さんはお父様がご逝去されたのを機に300坪近い土地を相続しました。場所は山間部にある閑静な住宅街で最寄りの駅まで車で5分程度のところです。
「実は20代のころから父に『いつかお前に渡したい土地があるんだ』という話は聞いていました。父が亡くなり相続してからその土地を見に行ったのですが、広い土地に草は生え放題で石がごろごろ転がっている。おおざっぱだけど大きな存在だった親父とその土地が重なって見えたんですよ。」(英太郎さん)
相続したのは土地だけではありません。会社の倉庫にはお父様ご自身が家を建てる時に使おうとした「けやき柱」や「石臼と台座」、「大島石」、「石灯篭」に「五重塔」など、思いの詰まった品々が残されていました。
「『お前が家をたてるときにはこれらを使ってくれよ』、と生前に言っていたものですから、そんな親父の思いを最大限に生かしたいと思いました。」(英太郎さん)
英太郎さんが家を建てる決心をしたのは土地を相続した翌年。愛さんと結婚したときです。名実ともに一国一城の主になることを決断したというわけです。
このとき英太郎さんが最もこだわったのは、広大な庭を最大限に生かすことと自然と一体となった伝統的な日本家屋です。四季折々の表情を見せる「十牛の庭」や客殿からまるで絵画のような庭園をながめることができる「額縁庭園」などで有名な京都洛北の圓光寺が理想だと英太郎さんは言います。
「家を建てるんだったらやはり日本建築であるべきではないかと思っていました。中でも和室は日本人の英知そのものです。せっかく一生に一度の挑戦ですから、これを外しては考えられなかったのです。」(英太郎さん)
コンセプトを固めるまでに1年半かかりましたが、その分期待以上のものになったとか。
敷地は南、北、西の三方が道路に面しており、北側の道路の向いには山の緑、東側は崖や雑木林が見えます。外構はオープンにし、高い塀を設けず圧迫感のないつくりとなっています。
村上邸は土地の中央からやや西側に建てられた、上から見るとH型の平屋。お客様をおもてなしするためのパブリックゾーンと、寝室や水回りなどの家族が使うプライベ-トゾーンを分け、それをリビングでつなぐという間取りになっています。多くの来客があるという村上さんご夫妻にとってはうってつけです。
実は、H型の建物にすることで、屋内からさまざまな庭の表情を目にすることができるのです。それは英太郎さんが理想としている圓光寺の庭園に通じるものかもしれません。
敷地の北西にある玄関アプローチに入ると、階段状に石が敷かれ、山道を思わせる景色が目を引きます。これを英太郎さんは「山神(ヤマガミ)の庭」と命名したそうですが、景石と山の植物をふんだんに取り入れ、ダイナミックさを表現しています。
既存の景石を使った美しく迫力のあるアプローチ
お客様が息を呑む「和」の平屋
アプローチを通り抜け玄関のドアを開けると遮蔽物のない和室の巨大空間が現れ、さらにその先には大パノラマが広がります。まるで圓光寺の「額縁庭園」のようです。和室から眺めることのできる庭は、飛び石や景石、五重塔などを使って瀬戸内海の多島美や霧と月が表現されています。
この庭を初めて目の当たりにしたお客様の中には思わず息を呑む方もいらっしゃるとか。丁度山道を抜けたところに広がる海を眺めるようなイメージです。
「玄関からの見え方にはとことんこだわりました。ファーストインプレッションでお客様の心をつかみたいと思ったのです。」(英太郎さん)
和室は客間としての利用を想定し、石川県の栗津温泉にある「法師」やご夫婦が結婚式で使った思い出の道後温泉の「大和屋本店」をイメージしてつくったとか。大黒柱には生前父が「家を建てるならこれを使え」といっていた規格外サイズのけやき柱が使われているほか、和室に特注の縦格子を使うことで高級旅館の風情を漂わせています。
「和室は基本的に客間ですけど、自分もちょっとテレビやパソコンから離れたいと思うときにここに来ます。デジタルデトックスとでもいうんでしょうか。ここに座っていると、自分の家じゃないような感覚が生まれる。非日常の贅沢な時間ですね。」(英太郎さん)
ダイニングの先にはウッドデッキで作られた広い縁側があります。
「縁側は、日常的に使っています。風呂上がりにゆっくりしたりもしていますね。軒が深いので多少の雨が降っても吹き込んでこないです」(英太郎さん)
H型のパブリックゾーンとプライベートゾーンをつなぐ家の中心にあるリビング。テレビを見たり食事をしたり、家族団らんの場ですが、中でも自慢なのが洋室の中央につくった畳の小上がり。
「この小上がりがないと、ただ広いだけの空間になってしまっていたと思います。大人数のお客様が来ても、この小上がりを使って応対できますし、ダイニングから小上がりまで同じテーブルでつなげるのでちょっとしたパーティーもできるんですよ。」(英太郎さん)
「リビングの畳の小上がりが思った以上に使い勝手が良くて、ここにいることが多いです。テレビを見たり、ごろごろしたり、お化粧するのもここです。」(愛さん)
冬は畳の上にこたつを置いて家族全員でくつろいでいるとか。
小上がりの畳コーナーから南北の庭に囲まれたリビングを望む
家族にもペットにも癒しを与えてくれる空間
英太郎さんは“人目を気にせずに生活したい”と、敷地のど真ん中にリビングを作ってその周囲を塀や木々で目隠しをし、南北にリビングのための坪庭をつくりました。北側には父親が倉庫に貯蔵していた、水音を楽しめる、水が循環する石臼を設置。南側の庭には巨大な大島石を据え、石灯篭を置いて演出しました。
「思いがけず良かったのは、石臼からの水の音がどこにいても聞こえることですね。すごく贅沢だと思いますし、癒されています。一緒に暮らしている猫たちものびのびしていることがわかります。アパートに住んでいた時は狭いのでストレスが溜まり、人が来るとたびたび威嚇するようなしぐさをしていました。今はどこでもひなたぼっこしたり、走り回ったりすることができるようになり、怒らなくなりました。そんな姿を見ていると、家を建てて本当によかったと思います」(愛さん)
お庭を生かした家作りをお考えの皆さん、家族やペットが緩やかに繋がりながら、近くに自然の四季を感じ、それぞれの時間を楽しめる、そんな平屋の家づくりをはじめてみませんか?
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