マレリの子会社である東京ラヂエーター製造に対する株主提案 上場子会社構造が抱える脆弱なガバナンスの改善を要請

Asset Value Investors Limitedのプレスリリース

アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(本社:ロンドン、CEO 兼 CIO:ジョー・バウエルンフロイント、以下、「AVI」)は本日、東京ラヂエーター製造株式会社(以下、「当社」、東証スタンダード市場:証券コード 7235)の2022 年 6 月開催予定の第 118 回定時株主総会に向けて、株主提案書(以下、「本株主提案」)を提出したことをお知らせいたします。本株主提案は、主に、当社がマレリ株式会社(以下、「マレリ」)を親会社とする「上場子会社」であることに起因する、親会社と少数株主との間の利益相反に対処することを目的としています。本株主提案の詳細は特設ウェブサイト(http://www.assetvalueinvestors.com/ja/tokyo-radiator/)をご覧ください。

 AVIは、約5年間、当社の長期的株主として、上場子会社構造が抱えるガバナンスの問題を解決し企業価値を高めるために、当社、当社の株式を約40.1%保有する親会社のマレリ、そしてマレリの親会社のKKRに対して提案活動を行って参りました。AVIが2021年6月に実施した当社への株主提案も、提案活動の一環であります。しかし、2021年の株主総会以降も、当社はAVIの提案を無視し続け、脆弱なガバナンスを改善することはありませんでした。

AVIは、特に、当社のマレリへの巨額の預け金制度(預け金は約41億円[1]、時価総額88億円[2]の約46.6%に相当)を廃止するよう求めて参りました。経済産業省「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」でも指摘される通り、預け金制度はマレリの安価な資金源となり、少数株主には当社の資本コストをはるかに下回るリターン[3]しかもたらさず、さらに、この利益相反は低い企業価値評価(株価純資産倍率 0.4倍[4])の一要因となっていました。

マレリは過去4期連続で赤字を計上した業績不振の企業であり、当社はマレリが倒産した際には、預け金が回収できなくなる可能性があることを認識しながら、2022年3月1日にマレリが私的債務整理を申請する直前まで、現金をマレリに預け続けていました。長期的業績不振の企業に対して預け金制度を継続したことは、当社の取締役会の注意義務違反といえます。AVIは、今回、預け金が当社に返還されたことを支持しますが、再びこの悪しき制度を復活させないため、また、預け金が平等に株主に還元されるように株主提案を提出しました。

その他にも本株主提案においては、当社のガバナンスを高めるために、監査等委員会設置会社への移行や委員長を社外取締役とする指名委員会および報酬委員会の設置、顧問および相談役の役職の廃止を求めています。加えて、企業価値向上のためのインセンティブを高め、株主との一層の価値共有を促進する取締役への株式報酬制度の導入を提案しています。

AVIは、当社の少数株主の皆さまが本株主提案に賛成いただくことによって、少数株主利益を軽視する取締役会に対する不支持を表明いただくことを切望しています。

以上

AVIについて
AVI はロンドンを拠点とする投資運用会社で、20年以上にわたって日本株に投資しています。1985年の設立以来、35年以上にわたって株式市場に投資して参りました。AVI の投資チームは投資先企業の経営陣との対話を通じて、企業価値の持続的な向上に貢献することを目指しており、日本株への投資額は約 780 億円に相当します。

 
[1] 2021年12月31日時点。出所:当社2022年3月期第3四半期報告書
[2] 2022年5月13日時点
[3] 当社の預け金からのリターンは、約0.3%と推測される。2021年3月期の有価証券報告書のマレリとの取引に記載の受取利息および預け金を基に試算
[4] 2022年5月13日時点

https://prtimes.jp/a/?f=d55611-20220520-1bfa22776252e6df53e2fd7a483b8870.pdf