株式会社ストラテジックキャピタルが極東開発工業株式会社への株主提案及び同提案に関する特集サイトの開設を公表

株式会社ストラテジックキャピタルのプレスリリース

この度、株式会社ストラテジックキャピタル(本社:東京都渋谷区、代表取締役:丸木 強)は、本年4月19日に、極東開発工業株式会社(東証プライム:コード7226)に対し、株主提案権を行使する書面を提出し、同提案に関する特集サイトを開設したことをお知らせします。

弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタル(以下「提案株主」と総称します。)は極東開発工業株式会社(以下「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しております。

提案株主は、本年4月19日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月20日に当社への株主提案に係る書面の到達を確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は下記の通りです。
詳細な説明は、https://stracap.jp/proposal-for-kyokutokaihatsu-from-sc-2022/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリンク(https://stracap.jp/)をご参照ください。

                         記

[1] 当社の課題と解決策

(課題)長期にわたる株価の低迷と過大な水準に積み上がった自己資本
(解決策)配当性向を100%とする
当社の株価は2010年以降、ほぼ全ての期間において解散価値未満の水準で推移しています。株価低迷の原因の一つは、過大な水準に積み上がった自己資本と、それにより引き起こされた低い資本効率性であると考えられます。
当社の自己資本比率は約70%と非常に高い水準であり、現状の株主還元水準が継続すると、さらに自己資本は積み上がり、資本効率性は一段と低下していきます。
さらなる自己資本の積み増しを行わないようにするため、配当性向100%を提案します。

(課題)不明瞭な目的で積み上げられた別途積立金
(解決策)別途積立金を取り崩す
当社は毎年、具体的な理由の説明もないまま、株主還元の原資となる繰越利益剰余金を減少させ、別途積立金を積み増しています。株主として、極東開発が目的の明らかでない別途積立金を積み増し続けることによって株主資本コストが高まることは看過できません。別途積立金を、株主への配当や自社株買い等、株主価値向上策の原資として活用すべく、取崩すことを提案します。

(課題)資本コストを無視した非効率な経営
(解決策)加重平均資本コストを開示する
極東開発経営陣が資本効率性を低水準に留めるような非効率的な経営を行う背景には、資本コストに対する意識の欠如があると考えられます。極東開発経営陣が資本コストを念頭に置いた経営を実践し、株価のバリュエーションを高めることができるように、資本コストの数値と計算根拠を開示することを提案します。

(課題)資本効率性の低い賃貸不動産の保有
(解決策)賃貸等不動産の処分を株主総会に授権し、売却する
当社は2021年3月期末現在、時価にして約199億円にも上る賃貸等不動産を保有しています。しかし、当社の経営陣は賃貸不動産事業への知見も戦略も有していない可能性が高く、賃貸等不動産の処分について、取締役会の専決事項としておくことは極めてリスクが高いと考えます。
さらに、当社の賃貸等不動産のROICは僅か2.7%であると推定され、賃貸等不動産から資本コスト以上のリターンを生むことが困難であることは明らかです。
そこで、賃貸等不動産を売却し、売却して得た資金を株主価値向上のために活用することを提案します。

(課題)自己株式の保有による潜在的な希薄化リスクの放置
(解決策)自己株式の消却を株主総会に授権し、消却する
当社は2021年12月末現在で、発行済み株式総数の約7%に相当する自己株式を保有しています。自己株式の保有は株主にとって潜在的な希薄化リスクと同義であるにも関わらず、当社の経営陣は10年以上にわたって保有する自己株式の処分を放置してきました。
当社の経営陣が自ら自己株式の消却を行わない以上、自己株式の消却を株主総会で決定できるようにした上で、速やかに消却することを提案します。

(課題)経営に対する規律の緩みや資本効率性の低下を招く政策保有株式
(解決策)政策保有株式の縮減に向けて行動する
当社は「取引関係の強化による収益拡大」を目的に政策保有株式を保有しています。しかし、このような保有目的は取引先によって否定されており、極東開発経営陣は政策保有株式の保有の是非について、適切な判断を行うことができていません。
従って、政策保有株式の発行会社の方針も踏まえた、明確な基準に基づいた政策保有株式の売却を提案します。

[2] 提案する議題の内容

1.剰余金処分の件
(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
339円から、第87期定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額(以下「会社提案配当金額」という。)を控除した普通株式1株当たりの配当金額を、会社提案配当金額に加えて配当する。
第87期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」という。)が339円と異なる場合は冒頭の339円を実績EPSに読み替える。
なお、配当総額は、当社の第87期定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
当社の第87期定時株主総会の開催日の翌日
なお、本議案は、第87期定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。

2.別途積立金取崩しの件
(1)減少する剰余金の項目及びその額
項目:別途積立金
金額:438億34百万円
(2)増加する剰余金の項目及びその額
項目:繰越利益剰余金
金額:438億34百万円

但し、会社側の剰余金処分案に基づき別途積立金が減少する場合、(1)及び(2)に記載の金額438億34百万円は、438億34百万円から、会社側の剰余金処分案に基づく別途積立金の減少金額を控除した金額に読み替える。
本議案は、第87期定時株主総会に会社側の剰余金処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。

3.資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第8章 資本コストの開示
(資本コストの開示)
第46条 当会社は、当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書において、当該報告書提出日から遡る1か月以内において当会社が把握する加重平均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。

4.賃貸等不動産の処分に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第9章 賃貸等不動産の処分
(賃貸等不動産の処分)
第47条 当会社の保有する賃貸等不動産の全部又は一部を処分すべき旨の会社法309条1項に定める普通決議がなされた場合には、当会社の取締役は、当該普通決議に従って当該資産を処分する。

5.賃貸等不動産の処分の件
議案4が承認可決されることを条件として、当会社が2022年3月末日時点で保有する賃貸等不動産(以下「本件資産」という。)の土地建物の全てを、遅くとも2023年3月末日までに処分する。

6.自己株式の消却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第10章 自己株式の消却
(自己株式の消却)
第48条 当会社は、会社法309条1項に定める株主総会の普通決議をもって、自己株式の消却(消却する自己株式の種類及び種類ごとの数の決定を含む。)を行うことができる。

7.自己株式の消却の件
議案6が承認可決されることを条件として、当会社が保有する自己株式の全てを消却する。

8.政策保有株式に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第11章 政策保有株式
(政策保有株式の目的の検証と結果の開示)
第49条
(1)当会社は、当会社が保有する政策保有株式の保有目的である「取引関係の強化による収益拡大」が、政策保有株式の保有によって実際に果たされているかを検証するため、少なくとも年1回以上、保有する政策保有株式の発行会社に対して、当該株式の売却を希望する旨を伝える。
(2)当会社は、前項の発行会社への売却の打診に対して得られた発行会社からの回答の内容を、発行会社ごとに、当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書で開示する。

                                                 以上