再生医療ベンチャーのイノバセル株式会社 当社取締役ノビック・コーリンが代表取締役CEOに就任

イノバセルのプレスリリース

便失禁・尿失禁の治療を目的とした細胞治療により、人々の健康とQOL向上を目指すイノバセル株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 COO:シーガー・ジェイソン(Jason David Sieger))は、2022年3月30日付で代表取締役CEOにノビック・コーリンが就任したことをお知らせいたします。

また、シーガー・ジェイソンは引き続き代表取締役 COOを務めます。これにより当社は、2名代表制を維持いたします。

 

コーリンとジェイソン

これまで当社代表取締役 CEOを務めておりましたエッケハルト・シュタインフーバーは、引き続き当社の取締役に専任され、当社子会社のInnovacell AGの代表取締役CEOと兼務いたします。

日本において更に機動力高く事業を推進し、グローバルでの事業展開に向けた経営基盤を強化することを新体制の目的としております。

 

イノバセル株式会社 代表取締役 CEOノビック・コーリンのコメント

前身企業である「Innovacell Biotechnologie AG」の開発パイプラインに初めて着眼したのが忘れもしない2015年10月でした。そしてその後、同社の薬事相談・組織再編・資金調達・戦略立案などをコンサルタントとして2017年からの5年間支援をし、昨年7月から当社の一員として9ヶ月取締役を務め、延べ7年間イノバセルの歩みを見てきております。

この7年間でわたしは、当社が開発を進める再生医療等製品が秘める可能性を強く信じるようになりました。また、その可能性を信じて開発を進める研究開発のメンバー、開発に使用する治験薬製造プロセスの品質を高めてきた製造部門のメンバー、会社の戦略的な方向性を定める事業開発のメンバー、そしてその全てを支える管理部門のメンバー、日本そしてオーストリアにおける全役職員の熱意そして培ってきた基盤を目の当たりにすることができました。

この熱意と基盤そして新たな治療方法を待ち望んでいる患者さまのことを考えると、代表取締役CEOとして就任し身の引き締まる思いです。

今後は、患者さま・株主・従業員など、全ステークホルダーの期待に沿えるよう、専心努力して参ります。そして、慢性的な疾患を持つ一患者として「患者さまファースト」という思いを忘れず、イノバセルのこれからをサポートして行きたい思いでいっぱいです。

 

イノバセル株式会社 代表取締役 COOシーガー・ジェイソンのコメント

コーリンとデロイト・トーマツ・コンサルティングで出会ってから約15年、そして二人でCJ PARTNERSという再生医療に特化したアドバイザリー・ファームを立ち上げてから10年近く経ちますが、唯一無二のパートナーシップであると思っています。

昨年の2月に三角合併を用いてイノバセルを日本の会社にし、これから臨床開発、事業開発、そして上場に向けた体制作りや資金調達など、様々な取り組みに拍車をかけるタイミングとなりますが、ここでコーリンと改めて二代表としてイノバセルの成長の促進に尽力できる事を楽しみにしております。

 

 

ノビック・コーリンのプロフィール

 

2歳の時より日本の葉山町(神奈川県)で育ち、幼稚園〜中学校卒業まで、日本の公立学校で教育を受ける。その後、横浜のインターナショナルスクールで高校生活を過ごした後、米国コーネル大学へ進学。大学一年の時に1型糖尿病を患い、それ以来この疾病領域を治療する可能性があると思った細胞治療・遺伝子治療への興味が芽生えた。

大学を卒業後、2007年にトーマツ コンサルティング株式会社(現デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)に入社、2010年に日興コーディアル証券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)へと転職。

改正薬事法(薬機法)の導入に先駆け、再生医療等製品の薬事コンサル・戦略コンサル・アドバイザリーなどのサービスを提供する会社として2012年末にCJ PARTNERS株式会社をシーガー・ジェイソンとともに設立。

2021年7月に失禁用再生医療等製品を開発する国内バイオベンチャーである「イノバセル株式会社」の取締役として選任され、現在に至る。

豪州の臨床試験実施施設であるCMAX Clinical Research Pty. Ltd.の取締役(2016年12月より現在)、米国の再生医療等製品開発企業であるDiscGenics, Inc.の取締役(2020年8月より現在)を兼任。

 

イノバセル株式会社について

 

当社の前身会社はオーストリアのインスブルック医学大学からスピンアウトした再生医療ベンチャーであり、当社はこのオーストリア企業の親会社として2021年に日本で設立されました。

当社グループは再生医療の事業化を通じた人々の健康とQOLの向上を目指しており、現在は切迫性あるいは漏出性便失禁、および腹圧性尿失禁を治療するための細胞治療薬の研究開発・事業化に特化した事業を行っています。

開発が最も進んでいる当社の主力製品であるICEF15は、患者さまご自身の筋芽細胞を利用し、“局所投与”での筋肉再生を図ることにより、切迫性便失禁の根治を目指す製品です。

これまでに、欧州においてICEF15(切迫性便失禁を対象)とICES13(腹圧性尿失禁を対象)の2つの後期第II相試験を含む複数の臨床試験を完遂しています。

現在、欧州医薬品庁(European Medicines Agency)によるScientific Advice(日本におけるPMDAの対面助言に相当)を受け、第Ⅲ相国際共同治験であるfidelia試験の患者登録に向け準備を進めています。