損害保険ジャパン株式会社のプレスリリース
損害保険ジャパン株式会社
【業界初】「舶用機関機械的事故防止費用保険」の開発 ~より安心・安全な海上輸送を目指して~
損害保険ジャパン株式会社(代表取締役社長:西澤 敬二、以下「損保ジャパン」)は、船舶の機関不具合を事前に把握して海難を未然に防止する「舶用機関機械的事故防止費用保険」を業界で初めて開発しました。
1.背景・目的
大型化・高付加価値化する現代の船舶は、国際物流において従来にも増して重要な役割を担っています。技術の進展に伴い、安全性が高まっている側面がある一方で、ひとたび海難が発生するとその規模や費用において大規模化・高額化する傾向にあります※1。
また、世界的な船員不足に加え、コロナ禍による各国の入出国規制に伴い船員交代が困難になるなど、船舶の運航に欠かすことのできない乗組員問題も追い風となり、各国では「自律運航船」や「自動運航船」の領域で数多くの技術開発や実証試験が実施されています。船舶の技術革新は過去に例を見ない速度で進展しつつあり、同時にその安全性に多くの期待が寄せられています。
経済の需要や労働力の供給を始めとして海運業、それに供される船舶の課題は日々変化し、特に安全確保を伴った技術革新が求められるなか、株式会社ClassNKコンサルティングサービス(以下「NKCS」)が販売窓口を務める「ClassNK CMAXS※2」は、船舶の機器のトラブルを初期段階で防止して安全運航を支援するために複数の機器メーカーとのアライアンスによる共同サポート体制を実現しています。
また、損保ジャパンは、これまで事故が発生した結果の損害に対して保険金をお支払いすることで国際物流に貢献してきましたが、今後は「ClassNK CMAXS」のようにIoTを活用した技術を活用することで、事故の未然防止につながる取組を通じて国際物流に新たな貢献をしていきたいと考えています。
※1 The Nordic Association of Marine Insurers「2021 June Hull trends」
https://cefor.no/statistics/news/2021-june-hull-trends
※2 「ClassNK CMAXS」の特徴
・メーカーの異常検知に関するビッグデータとIoT、機械学習アルゴリズムを併用した診断手法の構築
・診断結果による機器の異常の早期発見、事故発生確率の減少を実現
・機器の動作原理に基づいた適切な自動トラブルシュートと適切な点検項目の自動抽出、点検手法の提示
・実際の危機状態に基づいた最適な予防保全を可能にする
・診断パラメータ、コンテンツ、機能を継続的に更新する運用体制を構築
(参考)「ClassNK CMAXS」による異常・状態診断の流れ
2.取組の内容
損保ジャパンは、NKCSが展開する「ClassNK CMAXS」が発見する船舶機関(メインエンジンおよび補機)の不具合の予兆をもって、機関の部品交換等に生じた費用を補償する、「舶用機関機械的事故防止費用保険」を損害保険業界で初めて船舶機関メーカー向けに販売を開始します。
■本保険による補償の流れ
3.今後について
損保ジャパンは、この保険を通じて、船舶の機関不具合を原因とする大規模な海難の未然防止を促進し、船舶を利用して多様な物品を流通するサプライチェーンの健全な発展、その先にある世界中の人々の「安心・安全・健康」な生活に貢献していきます。また、革新的な技術を持つ社外機関と連携し海上輸送に関する課題解決に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。
以上