「データ配当金」実現へ「ID広告エコシステム事業」立ち上げのお知らせ

住信SBIネット銀行株式会社のプレスリリース

 住信SBIネット銀行株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 (CEO):円山 法昭、以下「住信SBIネット銀行」という)は、金融庁からの認可を前提に、「データ配当金」(※1)の実現を目指した新規事業「ID広告エコシステム事業」(ビジネスモデル特許出願申請済。以下、「新事業」という)を2022年内に開始予定であることをお知らせします。 

1. 検討の背景
 当社は、2007年の開業以来の取組みで培ったノウハウを活用し、API開放、住宅ローンのAI与信モデルの構築、直近ではパートナー企業へ銀行機能を提供するBaaS(Banking as a Service)(※2)による「NEOBANK®」(※3)事業の展開など、最先端のテクノロジーとデータを駆使し、お客さまを中心とした金融サービスの改革に向けて、新たな事業を創出してまいりました。そして2021年5月19日、改正銀行法成立により業務範囲の規制緩和がなされたことを受け、当社にとって銀行の存在意義そのものである公共・公正の精神のもと、お客さまを中心に据えたさまざまな新サービスや、産業の生産性向上を目的に、新たな事業の可能性を検討してまいりました。なお、本検討には、元Google 米国本社 副社長兼 Google Japan 代表取締役社長村上憲郎氏(村上憲郎事務所:本社:京都府京都市、代表取締役社長:村上憲郎)を戦略顧問に招き、議論を重ねてまいりました。

 その結果、2022年4月施行予定の改正個人情報保護法、および欧州連合(EU)で2018年から適用開始されている「EU一般データ保護規則(GDPR: General Data Protection Regulation)」の思想を踏まえ、企業ではなくユーザー(以下、生活者という)を中心に考えた「個人データは個人のものである」という信念に基づいた、「ID広告エコシステム事業」を立ち上げることといたしました。

 2023年末までに想定されるGoogleのChromeブラウザ環境内での3rd party cookie廃止、GAFAMを中心にした大手プラットフォーマー側のプライバシー規制をはじめ、生活者のプライバシーに対する対策が企業活動に求められています。また、インターネット広告の現状の課題として、広告主側視点では非効率な広告、プライバシーに関連したブランドイメージの棄損、生活者視点からは不快な追跡広告などがあると認識しています。住信SBIネット銀行は、これら広告ビジネスの現状課題を解決することで、広告ビジネスそのものを最適化することを目指します。

2事業の概要
 現在、住信SBIネット銀行が準備中の新事業は、「銀行の顧客IDをはじめ様々な産業の事業者側の顧客IDとのデータ連携」、「NEOBANK®」事業の活用」、「生活者へのデータ利用における便益還元」を組み合わせたビジネスモデルです。個々の生活者に対して、広告での個人情報の利用同意に基づくIDベースでの広告配信を行い、広告主から得られた事業収益の一部を生活者に「データ配当金」として還元してまいります。生活者に対しては、「データ配当金」の享受に加え、より快適な広告体験の実現、広告主には、広告効率アップ、ブランドイメージ向上、各種メディアには、広告単位収益アップ、媒体価値向上、データパートナーには、データ資産の収益性アップの実現を創出することを目指します。

3. 新事業立ち上げのパートナー
 住信SBIネット銀行は、これまでもパートナー企業と各社の強みを相互補完することで、社会課題の解決、様々な産業の効率化を目指してまいりました。今回の新事業は、以下の3社と協業し、実現を目指してまいります。

① 株式会社デジタルホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 グループCEO:野内 敦、以下、デジタルホールディングス
 デジタルホールディングスとは、マーケティングパートナーとして、新事業に加え、「NEOBANK®」事業の推進・BaaSを活用したIX™(産業変革)事業の立ち上げなど、包括的な業務提携に向けた検討を開始する基本合意をいたしました。新事業では、傘下の株式会社オプト(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:栗本 聖也)とともに、本事業のスキーム構築や成長戦略におけるマーケティング支援を行うことで、ともに新事業を実現してまいります。

② データスフィア株式会社(本社:東京港区、共同代表者:Mukundu Kumaran、長山 大介以下「データスフィア
データスフィアとは、テクノロジーパートナーとして、新事業の基幹システム開発の業務提携契約を締結しております。データスフィアは、米国シリコンバレーのテクノロジースタートアップ企業であるC1X, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ郡、代表者:Mukundu Kumaran、長山 大介、以下、C1X)の共同代表者であるMukundu Kumaran、長山 大介が、今回の新事業の立ち上げのために設立した日本法人です。C1Xとデータスフィアが共同所有するGDPRに対応した広告配信システムはすでに米国大手企業にも採用されています。今回、シリコンバレーの最新テクノロジーを展開するべく、追加開発を行い、新事業に実装してまいります。

③ 東芝データ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役CEO 島田太郎以下「東芝データ」
東芝データとは、2021年11月18日付プレスリリースのとおり、データパートナーとして、両社の有するデータをもとに新たな価値を創造するデータビジネス開拓に向けた協業検討を開始しております。東芝グループが持つ優れたセキュリティ技術とノウハウを基盤に、人々の購買動向など実社会で収集したさまざまなデータ、および「スマートレシート®」(※4)の購買データを核として新しいデータサービスの構築を目指してまいります。  
 

            
4.今後の展開
 今後、各種実証実験を通じて、パートナー企業との知見を蓄積し、ビジネス面・技術面の課題解決策、新たな価値の提供、社会課題の解決などを実現できる事業へと進化させ、よりよい未来の創造に貢献してまいります。また今回のパートナーを中核に、今後も「NEOBANK®」提携先などにパートナーを拡大していく方針です。

※1.「データ配当金(Data Dividend)」とは、生活者の個人データの利活用で得られた利益のうちから、その一部を生活者に還元するもので、カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム氏の理念に基づくもの。生活者の個人データ利活用には「データ配当金」を義務付けるべきとし、より公正・公平なデータエコノミー実現を目指している。
※2. BaaSとは、Banking as a Serviceの略称。金融機関以外の企業が、API等を利用して銀行のシステムに接続することで、金融サービスを自社サービスの一部として提供できるようにする仕組みのこと。
※3.「NEOBANK®」とは住信SBIネット銀行の登録商標です。登録商標第5953666号
※4. スマートレシート®(東芝テック株式会社の登録商標)とは、会計時に通常は紙で提供される購入商品の明細レシートを電子化し、電子レシートセンターでデータとして管理、提供するシステム。お客さまは手元に紙のレシートを残さなくてもスマートフォンで購入履歴をいつでも確認することができ、お客さまの買い物における利便性の向上につながるとともに、紙レシートの発行コストや環境負荷を減らすことができます。

住信SBIネット銀行は、お客さま中心主義のもと最先端のテクノロジーを活用することで
金融サービスを変革し、社会をより快適で便利なものに変えていくことを目指してまいります。

以上