株式会社PHP研究所のプレスリリース
キャッシュレス社会の進展のなか、2024年からの新紙幣発表が大きな話題になりました。電子通貨や暗号通貨が一般化しても、なぜ政府は「貨幣」を発行し続けるのでしょうか。
日本史における貨幣の鋳造・流通のあゆみから、エポックごとにその事情を詳細に検証し、これからのマネー新時代に向けて、「貨幣の役割」や「金融・経済の考え方」について学んでいきます。
気鋭のエコノミストが、日本史の具体例から貨幣の本質や役割を明らかにする
貨幣は、原材料の価値を上回るものを流通させれば、政府に利益をもたらします。日本では有名な「和同開珎」に始まり、8~10世紀には12種類の新貨(皇朝十二銭)が発行されています。ところが、新貨発行のたびに前の貨幣との交換レート引き下げがあり、通貨としての信用がなくなりました。その後の200年(11~12世紀)は、稲や絹が銭の代わりだったのです。院政期~戦国時代には、外国の通貨である明の「渡来銭」が400年も使われ、国産貨幣の再登場には、江戸時代(1636年発行)の「寛永通宝」まで約700年もかかっています。ところが「元禄の改鋳」以降は、幕府の財政赤字を解消するため、またも価値を下げた貨幣の改鋳が繰り返されました。それは幕末の海外貿易にまで影を落とし、様々な教訓を現代に問いかけるのです。
こうした歴史の流れを踏まえ、各時代の政府と貨幣のエポックをもとに、メディアで話題の著者が、日本経済のいまと未来への教訓をあぶりだします。
著者について
飯田泰之(いいだ やすゆき)
1975年生まれ。エコノミスト。明治大学政治経済学部准教授。
東京大学経済学部卒業後、同大学院経済学研究科博士課程単位取得。
内閣府規制改革推進会議委員を兼務。専攻はマクロ経済学、経済政策。
主な著書に『経済学講義』(ちくま新書)、『新版 ダメな議論』(ちくま文庫)、『マクロ経済学の核心』(光文社新書)、『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社)、『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社)などがある。
商品について
・タイトル:日本史に学ぶマネーの論理
・著者:飯田泰之
・発売日:2019年5月30日
・定価:本体1,600円(税別)
・仕様:256ページ/46判並製
・発行:PHPエディターズ・グループ
・発売:PHP研究所