奈良市役所のプレスリリース
奈良市では、奈良県内で初めて特殊詐欺の被害防止に特化した「防犯シート」の配布を始めます。
自治会や防犯協議会が作成し配布する例は県内でも見られるが、市が主体となって取り組むのは全国的にもまれであり、令和元年9月末までに市内ゴミ集積所等12,000か所の設置を目指しています。
近年、「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」などの手口も巧妙化してきており、特殊詐欺被害が拡大しています。奈良市においても、奈良市役所職員を名乗る者が家族構成を聞き出したり、息子や孫を名乗る不審電話などが多発しております。
詐欺は、身近なところにある犯罪です。
被害防止に向けた啓発及び防犯意識の向上をより一層図るため、ゴミ集積所等の市民の目に留まりやすい場所に設置する「特殊詐欺被害防止シート」を配布します。
1 「特殊詐欺被害防止シート」
奈良市では、防犯啓発活動を目的として防犯に関する呼びかけを記載した「防犯シート」を配布しています。
これは、門扉等の屋外に掲示していただくため、ラミネート加工により耐水性及び耐光性を高めたものです。
近年、特殊詐欺による被害が拡大していることから、特殊詐欺被害の防止及び啓発に特化した「特殊詐欺被害防止シート」を作成しました。
2 巧妙化する特殊詐欺の手口
【平成30年奈良県内における特殊詐欺手口の統計】
平成30年における特殊詐欺の手口として、多いのは
- 融資保証金詐欺(3件 被害総額400万円)
- 還付金詐欺(7件 被害総額700万円)
- オレオレ詐欺(37件 被害総額8500万円)
- 架空請求詐欺(72件 被害総額3億7000万円)
があげられ、3と4で被害総額の98%を占めている。
【手口の手法の変化】
①オレオレ詐欺で警察の張り込み・尾行を避けるため、お金を県外の場所へ持って来させる呼び出し型の増加。
②キャッシュカード手交(しゅこう:手渡し)型の増加
〇還付金名目
・市役所職員をかたって架電し、「還付金を振り込むので、取引銀行と口座番号を教えて欲しい。銀行員から連絡があり、キャッシュカードが使用不能になっているのでカードを回収します。」という手口。
〇犯罪被害名目
・警察官をかたって架電し、「振り込め詐欺の犯人を逮捕したら、あなたの口座が利用されていた。銀行協会職員に連絡したのでその人の指示に従ってください。」銀行協会職員が来て、「キャッシュカードを新しくしたほうが良いので、回収します。」という手口。
・百貨店店員をかたって架電し、「あなた名義のキャッシュカードが不正使用された。銀行員から他に被害がないか確認したいのでキャッシュカードを回収します。」
③架空請求詐欺の増加
「最終通告(訴訟名目等)」の内容のはがき
「有料サイト利用料金未納・退会金名目」のメール
※連絡してきた(すでに)だまされている人をだます。
④だまされたフリ作戦の対策として、現金回収手段として電子マネー、コンビニ収納代行決済を利用。(受け子を使わない。)
※シリアル番号でお金の取引をする。
3 設置場所・配布方法・配布枚数
自治連合会・自主防災防犯組織・警察の協力のもと、各地域に配布し、ゴミ集積所等の市民の目に留まりやすい場所への設置を呼び掛けていきます。
(1)4月自治連合会定例会にて、約5,000部 配布
(2)6月自主防災防犯協議会会長会議にて、約5,000部 配布予定
(3)警察を通じて自治連合会未加入自治会等に、約2,000部 配布予定
計1万2,000枚 配布
4 予算
1,000千円
5 特殊詐欺被害状況
奈良県内における平成30年の特殊詐欺被害状況は、前年と比較すると、被害件数は減少し、被害額は増加しました。
奈良市内においては、発生件数・被害額はともに大きく増しており、早急な対策が求められています。
(被害総額の単位:千円)
<奈良市の被害件数と被害総額>
平成27年 28件、1億1617万円
平成28年 64件、2億1367万円
平成29年 59件、1億130万円
平成30年 71件、2億6019万円
平成31年(3月末) 9件、945万円
<奈良県の被害件数と被害総額>
平成27年 77件、3億1451万円
平成28年 157件、5億3905万円
平成29年 158件、3億7689万円
平成30年 119件、4億6570万円
平成31年(3月末) 22件、2594万円
奈良市 年代別被害状況
6 県内他市・他団体の取組状況
奈良県金融機関防犯協議会が主体となり、県内の全金融機関に特殊詐欺被害防止啓発ポスターを配布
奈良県コンビニエンスストア防犯対策協議会が主体となり、県内の全店舗に特殊詐欺被害防止啓発ポスターを配布
7 特殊詐欺等の防止対策機器購入費用補助(平成30年度から実施)
被害を受けやすい65歳以上の高齢者を対象に、特殊詐欺等の被害の防止を目的に製
造された機器購入費用の一部を補助します。
補助受付:平成31年4月26日(金曜日)から開始
補助金額:購入及び設置費用の1/2 上限10,000円
募集件数:50件程度(予算額500千円)
対象機器:会話の内容を録音する旨を自動的に相手に伝える機器のあるもの
・自動応答録音装置を有する特殊詐欺被害防止機能付電話機
・固定電話に外部接続可能な自動応答録音機能を有する機器
昨年実績:47件 428千円(予算額500千円)