こくみん共済 coop〈全労済〉のプレスリリース
このたび、2021年10月1日(金)に放送される「ガイアの夜明け(テレビ東京)」にて、こくみん共済 coop〈全労済〉(全国労働者共済生活協同組合連合会 代表理事理事長:廣田 政巳)が子どもたちを交通事故から守るための取り組み「7才の交通安全プロジェクト」が紹介されます。
当会は、事故のない街づくりを目指して、これからもさまざまな取り組みを進めてまいります。
<7才の交通安全プロジェクトとは>
小学校にあがり行動範囲が広がる7才児は、大人よりも目線が低く、まだ充分に注意力が育まれていないために、歩行中の交通事故による死傷者数が突出して多いというデータがあります(公益財団法人交通事故総合分析センター調べ)。
当会では、このデータに着目し、未来ある子どもたちを交通事故から守るため、2019年1月から交通事故抑制に取り組んでいます。
(公式サイトURL)https://www.zenrosai.coop/anshin/7pj.html
<主な取組内容>
1.横断旗の寄贈
共済商品の利用を社会課題の解決にも繋げるため、2020年6月から通年の取り組みとして、「マイカー共済」見積もり1件につき1本の横断旗を全国に寄贈しています。
これまでに320,800本の横断旗を全国の児童館・小学校などへ寄贈することができました。
2.交通安全デジタル絵本を公式サイトで公開
子どもと親の交通安全意識を高めることを目的に、親子で楽しみながら交通安全について学ぶことができるデジタル絵本「ふしぎなふしぎなマジカルメガネ」4冊を公式サイトで公開しています。
3.金沢大学との共同研究の実施
2019年11月から、金沢大学との共同研究をスタートし、7才児を中心とした子どもたちの目線や行動から、安全を守るための具体的な分析と施策に取り組んでいます。
<デジタル標識実験の概要>
・実施日:2021年9月13日(月)~17日(金)
・場 所:金沢大学附属小学校(石川県金沢市平和町1丁目1−15)周辺の最大3箇所
・被験者:金沢大学附属小学校1年生(30名)
■実験形式
金沢大学附属小学校裏門付近の横断歩道にデジタル標識を設置し、ビーコン・デバイスを携帯した被験者がデジタル標識に近づいた際、指定動画を再生し注意喚起を行うことで通常の道路標識との差などを検証します。
■デジタル標識とは?
「一般的な標識の配置とデザインでは、危険を知らせるサインも子どもの目に留まりにくい」との研究結
果から、ビーコン・デバイスを持った子どもが標識に近づくと、犬やペンギンなどかわいい動物の動画が再
生される「デジタル標識」を開発。本デジタル標識は、通学路上の十字路や交差点に近づくと、付近にセット
された受信機に反応し、デジタル標識上で「とまれ」などの行動を促す動画が再生される仕組み。
<こくみん共済coop>
正式名称:全国労働者共済生活協同組合連合会。
たすけあいの生協として1957年9月に誕生。「共済」とは「みんなでたすけあうことで、誰かの万一に備える」という仕組みです。少子高齢社会や大規模災害の発生など、私たちを取り巻く環境が大きく変化しているなか、こくみん共済 coop は、「たすけあい」の考え方や仕組みを通じて「みんなでたすけあい、豊かで安心できる社会づくり」にむけ、皆さまと共に歩み続けます。
◆こくみん共済 coop たすけあいの輪のあゆみ:https://www.zenrosai.coop/web/ayumi/
- 金沢大学との共同研究
■共同研究の目的:日本の交通課題の解決に向けた取り組み
交通事情の統計を調査する交通事故総合分析センターは、歩行中の交通事故による死傷者数を年齢別にみると、7才児の死傷者数が際立って多い理由を「小学校への入学後に登下校中の事故が増加するためである」と推定しています。
幼稚園や保育園までは保護者や園の関係者が送迎し、園から帰宅後も保護者が付き添って過ごす場合が多いものの、小学校入学とともに子どもたちだけで登下校を行い、また登下校中以外でもこの頃から子どもだけで行動する機会が増えるため、小学校入学を境に交通事故の発生リスクが高くなると考えられています。
交通安全教室などにより、子どもに交通ルールの啓発活動が行われてきましたが、頭では危険や予防策を理解していても、子どもは年齢が低いほど実際の安全行動につながりにくいのが現実です。
こうした実情を踏まえ、こくみん共済 coop は金沢大学との共同研究によって、新たな改善策を生み出すことで、日本の交通が抱える長年の課題を解決することを目指します。
『小学校低学年児童の交通安全に関する基礎的研究~7 歳児の交通事故発生件数に着目して~』より
<取組内容>
金沢大学融合研究域融合科学系の藤生慎准教授の協力のもと、2019年11月より「7才の交通安全マップ」や「デジタル標識」の開発・実験を継続的に実施しています。
1.子ども(小学校1年生)向けの交通安全教材「7才の交通安全マップ」の開発・実験
専門家監修のもと、 クイズ形式で楽しく交通安全ルールを学ぶことが できる「7才の交通安全マップ」
を開発しました。
「7才の交通安全マップ」を使用し、金沢大学附属小学校の1年生の3 クラスで、交通安全授業を実施 した結果、同マップを使用した教育の有無で、子どもたちの「交通安全について考えることの大切さ」の理解度に差が出ることが明らかになりました。「7才の交通安全マップ」は2020年10月に北陸3県の小学1年生に配布しており、今後もより多くの子どもたちの交通安全教育に役立てるべく、積極的な配布を検討していきます。
https://www.zenrosai.coop/anshin/7pj/kanazawa.html
2.「デジタル標識」の開発・実験
「一般的な標識の配置とデザインでは、危険を知らせるサインも子どもの目に留まりにくい」との研究結果から、ビーコン・デバイス(以下、ビーコン)を持った子どもが標識に近づくと、かわいい動物が「止まれ」などの行動を促す動画が再生される「デジタル標識」を独自に開発しました。
このしくみを用いて、子どもたちの横断歩道での行動が変わるか、金沢大学附属小学校にて実験を実施した結果、ビーコンを携帯した児童は、携帯しなかったときに比べて横断歩道での一時停止や左右確認の割合が60%増加。また、児童からは、デジタル標識は「わかりやすい」、「横断歩道できちんと止まって左右確認ができる」という意見が多数ありました。さらに、ビーコンを持つ児童が持たない児童に注意喚起するといった波及効果も見られました。このように、新しい技術を活用することで、子どもたちの交通事故を減らすことにつながる可能性が見えてきました。今後も、より効果の高いデジタル標識について研究を続けていきます。
【金沢大学 藤生慎准教授 プロフィール】
藤生 慎 准教授
融合研究域融合科学系 交通・防災まちづくり研究室
専門:観光、交通、防災
本プロジェクトにかける想い:
私自身、小学生の子供とお散歩やサイクリングに出かける際「この交差点ではとまるのか?」「左右をきちんと確認しているのか?」など常に意識しながら見ています。大人が思っている以上に子供にとって危険な箇所は多く、子供は気が付いていません。「大人は子供から学び、それを子供達に還元する」というサイクルをまわしながら、さらに子供の交通安全に関する研究を進めていきたいと思います。