2020年度事業および決算報告について

こくみん共済 coop〈全労済〉のプレスリリース

 こくみん共済 coop (全国労働者共済生活協同組合連合会 代表理事理事長:廣田政巳)は、2021年8月27日(金)、こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都渋谷区)におきまして「第136回通常総会」を開催し、2020年度計画経過報告、および2021年度計画設定などの諸議案を採択し決定いたしました。
つきましては、2020年度事業・決算の概要について報告いたします。

※本資料の数値は四捨五入して表記しています。

Ⅰ.2020年度の取り組みの概要
 新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、こくみん共済 coop グループ一体となり、New-Zetwork(2018年度~2021年度中期経営政策)の3年目として、Zetworkスタイル(お役立ち発想と共創活動にもとづく新しい事業と運動)の実践を進めました。
 また、新ブランド展開の2年目として、「新ブランド・セカンドステージ『発信・共感』から『共創』へ」をテーマに、豊かで安心できる社会に向け、多くの人と「たすけあいの輪をむすぶ」活動を展開しました。

1.最適な安心の提供
(1)多様なコミュニケーション手段の確立
 オンラインを活用した協力団体への提案活動を行うなど、工夫しながら、組合員と家族の「保障点検」「健康点検」を共創課題としたお役立ち提案を展開しました。共済ショップでは、営業時間変更などの感染症拡大防止の対応を図るとともに、自宅等からも保障相談が可能となるオンライン相談を開始しました。

(2)組合員の声にもとづく業務改善
 ご契約内容の確認や住所変更等の手続きが可能な「マイページ」について、2020年6月から登録方法等を見直し、利便性向上と機能改善を図りました。2020年度の新規登録者数は74,581人となり、総登録者数は215,820人となりました。

2.協同組合らしい社会的取り組み
(1)社会課題への取り組み
 子どもたちの交通事故防止に向けた「7才の交通安全プロジェクト」(マイカー共済の見積数に応じて横断旗を全国に12.7万本寄贈など)や、子どもたちの成長を支える「こどもの成長応援プロジェクト」(こくみん共済「こども保障タイプ」の加入件数に応じてなわとび・長なわを全国に3.1万本寄贈など)を展開しました。

(2)SDGsの取り組み
 「こくみん共済 coop SDGs行動宣言」にもとづき、東日本大震災から10年を契機として、これまでの災害対応のなかで得た教訓と経験をもとに、さらなる防災・減災の普及と安心のセーフティネットづくりを進めていくため「これからの防災・減災プロジェクト」をスタートしました。

(3)たすけあいの文化の醸成
 「たすけあいの日(2020年10月15日)」に行った「共済はたすけあい」をメッセージとする新聞広告出稿ならびにLINEスタンプの配信や、「今できるたすけあい」サイトの活用など、たすけあいの普及啓発に取り組みました。

3.人材育成と組織風土づくり
(1)新たな教育体系の整備
 こくみん共済 coop グループ全体の新たな教育体系を確立しました(2021年4月より実施)。

4.大規模災害への対応、新型コロナウイルス感染症を踏まえた取り組み
 (1)この間の大規模災害対応等を踏まえ、審査業務を全国で分散して対応できるようにする仕組みを導入するなどの改善をはかるとともに、2020年度に発生した大規模災害について、すみやかに共済金のお支払いを進めました。
 (2)新型コロナウイルス感染症の拡大に対して、組合員・お客さまと職員の感染防止・安全確保を最優先とした対策をとり、共済金のお支払いなどの重要業務の継続を維持しました。

Ⅱ.事業および決算の概況 
1.事業の概況
 契約高は772兆円(年度目標到達率100.0%)、受入共済掛金は5,603億円(同100.1%)、契約件数は2,977万件(同97.8%)、契約口数は39.6億口(同100.7%)となりました。

2.損益の概況
(1)経常収益
 経常収益は、6,602億円(前期比162億円減)となりました。

(2)経常費用
 経常費用は、5,827億円(前期比222億円減)となりました。このうち、支払共済金は、3,145億円(同191億円減)となりました。

(3)資産運用
 資産運用純益は、503億円(前期比5億円減)となり、運用利回りは1.42%となりました。

(4)経常剰余金
 経常剰余金は、775億円(前期比60億円増)となりました。

(5)特別損益
 特別損失として、保有資産の価格変動リスクに備えるための価格変動準備金など88億円を計上しました。

(6)割戻金
 組合員(契約者)への割戻金の総額は344億円(前期比26億円減)となりました。

(7)当期剰余金・当期未処分剰余金
 当期剰余金は、245億円(前期比62億円増)となり、当期に取り崩した任意積立金などを加えた当期未処分剰余金は、349億円(前期比80億円減)となりました。

3.剰余金処分
 当期未処分剰余金349億円に対し、剰余金処分額として、法定準備金49億円、利用分量割戻金0.2億円、任意積立金281億円の合計330億円計上し、次期繰越剰余金は、18億円となりました。

4.財務の概況
(1)総資産
総資産は、3兆9,846億円(前期比836億円増)となりました。このうち運用資産は、3兆6,086億円(同783億円増)となりました。

(2)負債
 負債は、3兆4,805億円(前期比537億円増)となりました。このうち、共済契約準備金は、追加責任準備金などの積み立てにより3兆2,889億円(同390億円増)、価格変動準備金は、925億円(同85億円増)となりました。

(3)純資産
 純資産は、5,040億円(前期比299億円増)となりました。このうち、会員資本は、4,795億円(同245億円増)となりました。

5.主な経営指標について
(1)修正自己資本
 修正自己資本は、1兆322億円(前期比504億円増)、修正自己資本比率は、25.9%となりました。

(2)基礎利益
 費差益は4億円、利差益は12億円、危険差益は1,275億円となり、基礎利益は、1,291億円(前期比49億円減)となりました。

(3)支払余力比率
 支払余力比率は、2,117.3%(前期比126.5ポイント増)となりました。

(4)実質純資産額
 実質純資産額は、1兆7,858億円(前期比184億円増)となりました。

<こくみん共済coop>
正式名称:全国労働者共済生活協同組合連合会
たすけあいの生協として1957年9月に誕生。「共済」とは「みんなでたすけあうことで、誰かの万一に備える」という仕組みです。少子高齢社会や大規模災害の発生など、私たちを取り巻く環境が大きく変化しているなか、こくみん共済 coop は、「たすけあい」の考え方や仕組みを通じて「みんなでたすけあい、豊かで安心できる社会づくり」にむけ、皆さまと共に歩み続けます。
◆こくみん共済 coop たすけあいの輪のあゆみ:https://www.zenrosai.coop/web/ayumi/