株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループのプレスリリース
MUFGは持続可能な環境・社会の実現に向けて、優先的に取り組む10の環境・社会課題を特定し、さまざまな取り組みを展開しています。中でも「気候変動対応・環境保全」への取り組みは最重要課題の一つと位置付け、積極的な活動を推進しています。
この度、三菱UFJ銀行は、BlackRockが運営する官民共同の新興国気候変動対策インフラファンド「Climate Finance Partnership」への出資を決定しました。本ファンドでは、主に新興国の再生可能エネルギーセクターを対象として、政府系金融機関や民間資金を活用した投資を行い、再生可能エネルギーなどの気候変動対策インフラ整備を支援します。
- 環境や社会にポジティブなインパクトを与える「インパクト投資」の流れが加速
近年の金融業界では、サステナブルビジネスに関連するグローバルな潮流変化の中で、適正な財務リターンを確保しながら、環境や社会へのポジティブなインパクトを生み出そうとする「インパクト投資」の流れが加速しています。
三菱UFJ銀行も、2019年に「サステナブルビジネス投資戦略」を策定し、2021年3月には本邦の民間金融機関として初めて、国際金融公社が策定したインパクト投資におけるグローバルな市場基準である「インパクト投資の運用原則」に署名しました。「サステナブルビジネス投資戦略」では、経済性と環境・社会へのインパクトを両立させた投資を将来的に拡大することを目標としており、投資判断の際は、経済性だけでなく環境や社会に与える影響も重視していきます。
- 新興国の低炭素社会実現に向けて
本ファンドでは、アジア、中南米、アフリカの再生可能エネルギーセクターを対象とし、政府系金融機関や民間資金を活用した投資が行われます。投資の際は、インターナルカーボンプライシング[1]を採用することで、二酸化炭素排出削減量が見える化されます。
新興国では、人口増加や経済成長に伴って、さらなるエネルギー需要の拡大が見込まれるため、炭素排出量の削減に寄与する、気候変動対策インフラの構築が必要とされています。本ファンドでは、官民が協働して気候変動対策のインフラ構築資金を呼び込み、環境や社会に対するポジティブなインパクトを創出しながら、魅力的なリスク・リターンの提供を可能にします。
三菱UFJ銀行は、本ファンドに出資するのみならず、民間投資家の代表として、フランス開発庁(AFD)、ドイツ復興金融公庫(KfW)等と共に環境・社会インパクトのモニタリング評価に関与することにより、新興国の低炭素社会への移行に貢献していきます。
- 本ファンド「Climate Finance Partnership」の概要
パリ協定に基づきフランス政府と国連・世界銀行によって開発された第1回気候変動サミット(2017年)にて、フランス政府、ドイツ政府、米国財団数社とBlackRockによって議論され、第2回サミット(2018年)に発表された官民共同で取り組むインパクト投資ファンド。2020年のダボス会議にてプレスリリースが発表されています。
ファンド名称 | Climate Finance Partnership |
ファンドマネージャー | BlackRock |
ファンド総額(目標) | 500百万米ドル |
投稿出資額 | 20百万米ドル |
対象地域 | 新興国 |
投資対象 | 再生可能エネルギー発電、省エネルギー設備、蓄電・配送電設備、電動・超低排出の物流・モビリティーサービス |
特徴 | 投資運用プロセスに環境社会インパクトの管理を組み入れ、国連のSDGsに則したインパクト評価を実施 |
出資期間 | フランス開発庁(AFD)、ドイツ復興金融公庫(KfW)、国際協力銀行、Grantham Environmental Trust、Quadrivium Foundation、第一生命、スタンダードチャータード銀行、三菱UFJ銀行 等 |
三菱UFJ銀行出資分想定インパクト | CO2削減約1.7万トン/年(三菱UFJ銀行試算に基づく) |
MUFG は、自社のパーパス(存在意義)を「世界が進むチカラになる。」と定め、全てのステー クホルダーが次へ、前へと進むチカラになること、そのために全力を尽くすことを企業活動の指針としています。MUFG は、世界が直面している最も深刻な問題の一つである気候変動への対応を 牽引するため、2021 年 5 月に「MUFG カーボンニュートラル宣言[2]」を発表しました。金融機関として、お客さまとともに脱炭素化を目指すという思いのもとで、お客さまの脱炭素化に向けた取り組みやイノベーション技術への支援に積極的に取り組んでいます。
[1] 組織が独自に自社の炭素排出量に価格を付け、何らかの金銭価値を付与することで、企業活動を意図的に低炭素に変化させることができる仕組み(引用元:環境省 インターナルカーボンプライシング概要資料)[2]MUFGカーボンニュトラル宣言 カーボンニュトラル宣言 につい ては、以下のリンクをご参照ください。
https://www.mufg.jp/csr/environment/cnd/index.html