世界初の『アルツハイマー型認知症治療薬』を承認

三井住友DSアセットマネジメント株式会社のプレスリリース

三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「世界初の『アルツハイマー型認知症治療薬』を承認」を2021年6月23日に発行いたしましたので、お知らせいたします。

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アルツハイマー型は、国内の認知症患者のおよそ7割程度を占めるとされ、海外でも多数の患者を抱えます。その医薬品の開発は抗がん剤以上に困難な領域とされてきました。こうした中、6月7日、米食品医薬品局(FDA)はエーザイと米バイオジェンが共同で開発する『アルツハイマー型認知症治療薬』候補の「アデュカヌマブ」について、条件付きで承認を認めると発表しました。治療薬としては世界初となり注目されます。

 
【ポイント1】『アルツハイマー型認知症治療薬』として世界で初めての承認
■アルツハイマー型は、国内で600万人程度とされる認知症患者のおよそ7割を占めるとされ、海外でも多数の患者を抱えます。その医薬品の開発は抗がん剤以上に困難な領域とされ、いくつものメガファーマ(巨大製薬企業)が挑戦しましたが失敗してきました。
■6月7日、FDAはエーザイと米バイオジェンが共同で開発する『アルツハイマー型認知症治療薬』候補の「アデュカヌマブ」について、条件付きで承認申請を認めると発表しました。従来の認知症薬とは異なり、疾患そのものを治療する初めての『アルツハイマー型認知症治療薬』として世界で初めての承認となります。同薬はアルツハイマー型認知症の原因物質とされるたんぱく質「アミロイドベータ」を除去する効果があるとされます。またバイオジェンは、年間治療費が5万6,000㌦(約610万円)となると公表しました。

 
【ポイント2】エーザイは認知症に経営資源を集中
■エーザイは認知症領域に経営資源を集中してきました。1997年に認知症薬「アリセプト」を開発し欧米大手に先行しました。ただ、同薬は認知機能を一時的に改善する対症療法にとどまり投与可能期間も短いことから、症状の悪化を長期的に抑制する治療薬開発を加速してきました。
■エーザイとバイオジェンは「アデュカヌマブ」以外にも共同開発に取り組んでおり、『アルツハイマー型認知症治療薬』では、「レカネマブ」も臨床が進み期待が高まっています。
 

【今後の展開】『アルツハイマー型認知症治療薬』の今後の検証に注目
■『アルツハイマー型認知症治療薬』の潜在的な市場規模は大きく、「アデュカヌマブ」への期待が高まっています。承認に意外感があり、発表を受けてエーザイ株は3営業日後の6月10日に6月7日終値に比べ約40%上昇して寄り付きましたが、その後不安定な値動きになりました。この背景にはFDAが販売後にも検証試験を実施しデータを提出することを企業側に求め、場合によっては承認を取り消す可能性も示唆したことや、高い薬価の影響など専門家の間で同薬への評価が定まらないことなどがあります。今後の検証結果などが注目されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

 

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