株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパンのプレスリリース
この調査は専任のファイナンシャル・アドバイザーを持たない投資家向けの資産運用サービスについて聴取したもので、証券会社に対する満足度を測定している。必要に応じてアドバイスを受けている「ハイブリッド型」投資家と、ファイナンシャル・アドバイスを受けない「セルフサービス型」投資家の2つの層に分けて調査している。
ウェブサイトのトラブルや取引処理における問題の急増から問題報告件数が倍増
コロナ禍で投資への関心が急上昇し、2020年には1,000万件を超える個人投資家の証券口座が新規に開設された。このような状況下で、証券会社はスムーズな顧客体験の提供に苦労した。本調査によると、自己決定型投資家が挙げた問題の数は過去1年間で倍増しており、ウェブサイトのトラブル、取引執行と処理の問題、口座明細書上の間違いなどが内訳の上位に挙げられている。
2021年の調査の主なポイントは以下の通り:
頻繁な不具合の発生により顧客満足度は低下
問題発生率は過去1年間で倍増しており、自己決定型投資家の中でもセルフサービス型投資家の11%、ハイブリッド型投資家の12%が影響を受けた。問題発生源として最も多く挙がったのはウェブサイト、取引執行と処理、口座明細書である。これらの問題を経験しなかった自己決定型投資家の間では、総合的なロイヤルティと推奨意向が大幅に増加した。
ロビンフッドは新規口座開設数トップだが信頼構築に苦戦
今年の1月と2月に米ゲームストップ株騒動の渦中にあった、使いやすくモバイルフレンドリーなネット証券会社であるロビンフッドは、セルフサービス型投資家の新規口座開設数の27%を獲得し、競合他社をリードしたことが本年調査で明らかとなった。同社の市場シェアは拡大したものの、ファクターとしてみると「顧客対応(デジタルチャネル)」や「手数料」における強みは、「信頼性」「顧客対応(対人チャネル)」「問題解決」ファクターでの低評価により相殺された。
投資家教育は依然として顧客満足度向上のベストな方法であるが、証券会社はその提供に課題
利用する証券会社が有益なガイダンスやアドバイスを提供していると投資家が強く思う場合、セルフサービス型投資家の間では+148ポイント(1,000ポイント満点)、ハイブリッド型投資家の間では+155ポイント、総合満足度スコアが上昇した。このように顧客満足度の大幅な上昇が見られるにもかかわらず、自己決定型投資家のうち、証券会社が有益なガイダンスやアドバイスを提供していると回答した人は半数にも満たなかった。
自己決定型投資家の総合的な金融ニーズへの対応
総合満足度は、自己決定型投資家が1つの証券会社で、証券口座、銀行取引、住宅ローンなど4つ以上の商品を利用している場合に最も高くなる。セルフサービス型投資家の間では、1つの商品しか利用していない場合と比較し、4つ以上の商品を利用している場合は総合満足度のスコアが+103ポイント高くなった。ハイブリッド型投資家の間では、同様に+76ポイント高くなった。顧客満足度を向上させるだけでなく、顧客との関係を深めることは取引手数料無料の環境下において収益を上げるためにかつてないほど重要となっている。
J.D. パワー ウェルス・インテリジェンス部門長兼シニアディレクター マイク・フォイのコメント
「新規の投資家が大幅に増加し、取引量や全体的な稼働率が高まったことで、システムに負荷がかかったことは明らかであり、証券会社がセルフサービス型投資家を顧客として獲得し、維持するために注力しなければならない分野が浮き彫りとなった。現在、ほぼすべての証券会社が無料で取引を提供しており、新規の投資家のブランド・ロイヤルティが低下している中で、顧客満足度の向上実現に向けた正しい仕組みを持つ証券会社は競合他社との差別化を図るチャンスを迎えている。」と述べている。
顧客満足度ランキング
【ハイブリッド型*1セグメント】
第1位:Vanguard(バンガード)(736 ポイント)
第2位:T. Rowe Price (ティー・ロウ・プライス)(705ポイント)
第3位:Charles Schwab (チャールズ・シュワブ)(702ポイント)
【セルフサービス型*2セグメント】
第1位:Vanguard(バンガード)(736 ポイント)
第2位:Charles Schwab (チャールズ・シュワブ)(727ポイント)
第3位:T. Rowe Price (ティー・ロウ・プライス)(721ポイント)
*1専任のファイナンシャル・アドバイザーはいないが、必要に応じてアドバイスを受けることが可能な投資家
*2ファイナンシャル・アドバイスを受けない投資家
《J.D. パワー 2021年米国個人資産運用<自己決定型>顧客満足度調査℠概要》
年に1回、米国の自己決定型投資家を対象に、証券会社に対する満足度を聴取し明らかにする調査。
今年で19回目の実施となる。本年調査では設計変更が行われており、顧客満足度に関する過去調査との時系列で のスコア比較はできない。
■実施期間:2020年12月~2021年2月 ■調査方法:インターネット調査
■調査対象:ハイブリッド型投資家 及びセルフサービス型投資家 ■調査回答者数:4,895人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「信頼性」、「顧客対応(デジタルチャネル)」、「資産管理の利便性(方法・時間)」、「商品・サービス」、「手数料」、「顧客対応(対人チャネル)」、「問題解決」の7ファクターとなっている。
*本報道資料は、現地時間 2021年4月 27日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2021-us-self-directed-investor-satisfaction-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
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