「選択的週休3日制とお金」に関する意識を400名に調査。約8割が賛成するも「現実は有給すら取れていない」「お金が不安」の声

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社のプレスリリース

現在政府で議論されている「選択的週休3日制」。リカレント教育の推進や育児や介護との両立など、現在加速する「多様な働き方」を支援する制度となりそうですが、現役世代はこの制度やお金について、どのように考えているのでしょうか。総合マネースクールのファイナンシャルアカデミー(本社:東京都千代田区、代表:泉正人、以下当校)は、全国の20代〜50代の会社員(正社員)400名を対象に「選択的週休3日制と家計、副業、投資に関する意識調査」を実施しましたのでお知らせします。

  • この調査でわかること

□ 選択的週休3日制の導入、約8割が賛成
□ 一方、現実的には自分の職場には「導入されると思わない」と答えた人が約8割
□ 週休3日制に賛成派の理由「趣味などの時間増」「育児との両立」が上位
□ 週休3日制に反対派の理由「収入が減るのが嫌」とお金の不安が1位
□ 制度導入で収入減の場合、過半数が「副業」を検討、2割は「投資」にも関心
 

  • 「選択的週休3日制」の導入、約8割が賛成

全国の会社員400人に、「選択的週休3日制ついて、あなたの意見はどうですか?」とたずねたところ、「賛成」35%と「どちらかというと賛成」42%をあわせて、77%の人が「選択的週休3日制」に対し肯定的な考えを示しました。

Q1. 選択的週休3日制ついてあなたの意見はどうですか?
A. 賛成=35%、どちらかというと賛成=42%、どちらかというと反対=16%、反対=7%
 

  • 賛成派「趣味・育児の時間確保」、反対派「収入・年金」への影響危惧の声

前問の回答理由をたずねたところ、「選択的週休3日制」賛成派は、「趣味など好きなことに時間を使える」「育児と両立がしやすくなる」といったワークライフバランスを重視した声が上位となりました。一方、反対派は「収入が減るのが嫌」「年金や社会保障に影響が出るのが嫌」といった、お金の不安に関する意見が上位となりました。

Q2. 選択的週休3日制に対する、賛成・反対理由
【賛成派の理由】
1位:趣味など好きなことに時間を使える(199人)
2位:育児と両立がしやすくなる(120人)
3位:副業がしやすくなる(94人)
4位:自己投資に時間を使える(79人)
5位:介護と両立がしやすくなる(49人)
6位:二拠点生活がしやすくなる(17人)

【反対派の理由】
1位:収入が減るのが嫌(57人)
2位:年金や社会保障に影響が出るのが嫌(29人)
3位:出勤する日の労働時間が増えるのが嫌(28人)
4位:今の生活サイクルを崩したくない(15人)
5位:休みが増えてもやることがない(15人)
6位:仕事が楽しい・好き(6人)
 

  • 自分の職場では導入されそう?8割の人が「導入されると思わない」と回答

「選択的週休3日制は、今後あなたの職場に導入されると思いますか?」とたずねたところ、「全くそう思わない」が35%、「あまりそう思わない」が44%と、約8割の人が「選択的週休3日制」の導入に対して、現実的には難しいものだと感じていることがわかりました。

Q3. 「選択的週休3日制」は、今後あなたの職場に導入されると思いますか?
A. とてもそう思う=6%、まあそう思う=15%、あまりそう思わない=44%、全くそう思わない=35%
 

  • 「有給休暇すら取れてない」「人手不足」…厳しい現状を嘆く声

前問で「全くそう思わない」「あまりそう思わない」と回答した318人に理由をたずねたところ、「有給休暇すら取れていないから」「常に人員不足だから」といった声があがりました。「選択的週休3日制」の導入を約8割もの人が賛成する一方で、現実的には、その導入にハードルがある現状が伺えます。
 

Q4. Q3で「全くそう思わない」「あまりそう思わない」と回答した理由
【導入は難しいと考える人の声】(一部/原文ママ)
・有給休暇すら取れてないから
・小企業で常に人員不足だから
・飲食店に休みはほぼないから
・今でも、週休二日でもないので
・休みが多くなると、結局残業等は増えていくことになる
・医療業だから国が動かないと無理がある
・テレワークの導入もなかなか動いてくれないから
・法律などで強制されない限り導入されないと思う
・週休3日にすると従業員を増やさないと回らない
・通常業務が多忙のため現実的ではない
・人手不足であり公休取るのもギリだから
・それでなくても年間休日が少ないから
・定休日でさえ、働いている上司を見ると不可能と感じたため
・職種的に24時間稼働しているから
・あまり広められてないから
・介護施設だから

 

  • 収入減なら何をする?過半数が「副業」「家計改善」、2割は「投資」にも関心

全員に「週休3日制導入により、収入が減った場合、あなたが取り組む可能性のあるものは何ですか?」とたずねたところ、「副業」が223人、続いて「家計改善(節約含む)」が204人と過半数に上り、約2割の78人は「投資」と回答しました
 

Q5. 収入が減った場合、あなたが取り組む可能性のあるものは何ですか?
A. 副業=223人、家計改善=204人、投資=78人、何もしない=49人、その他=4人
 

  • 副業:金銭面以外のメリットを感じる一方、経験不足や体力・時間的負荷を懸念

Q5で「副業」と回答した人に理由をたずねたところ、「得られる金額の大きさ」とあわせて「金銭面以外にメリットがある」との声も聞かれました。一方、懸念点としては「副業経験がない」とあわせ、「体力的に厳しい」「時間的負荷が大きい」との声も多く、週休3日制導入の賛成理由である「個人の時間の充実」どころではない、ということも予想されます。

Q6. Q5で「副業」と回答した理由
1位:得られる金額が大きい(76人)
2位:金銭面以外にメリットがある(50人)
3位:簡単にできる(42人)

Q7. 「副業」の懸念点
1位:副業の経験がない(71人)
2位:体力的に厳しい(70人)
3位:時間的な負荷が大きい(63人)
 

  • 家計改善:簡単にできるが、得られる金額が少なく、収入補填としては不十分

Q5で「家計管理」と回答した人に理由をたずねたところ、「簡単にできる」が1位となる一方で、得られる金額が少ない、という懸念点があげられ、収入補填のための方法としては家計改善だけでは不十分であると感じていることが予想されます。

Q8. Q5で「家計改善」と回答した理由
1位:簡単にできる(75人)
2位:リスクが小さい(63人)
3位:すでに行なっている(49人)

Q9. 「家計改善」の懸念点
1位:得られる金額が少ない(60人)
2位:知識がない(59人)
3位:心理的な負荷が大きい(50人)
 

  • 投資:体力・時間的には楽だが、「リスク」「知識不足」を懸念

Q5で「投資」と回答した人に理由をたずねたところ、「体力的・時間的に楽」が上位を占めました。一方、他と比べると「リスクを感じる」人が多数で、その後「知識がない」と続きました。ワークライフバランスを叶えるためには有益な方法と感じつつも、知識不足もあり、リスクを懸念していることが考えられます
 

Q8. Q5で「投資」と回答した理由
1位:体力的に楽(24人)
2位:時間的に楽(23人)
3位:すでに行なっている(23人)

Q9. 「投資」の懸念点
1位:リスクを感じる(48人)
2位:知識がない(22人)
3位:心理的な負荷が大きい(16人)
 

  • <専門家考察>

週休3日制を選択したけれど、お金のために「休日労働」では本末転倒。
多様な働き方の実現には、知識を身につけ「投資」による収入確保も視野に。

今回の調査では「選択的週休3日制」に対し、8割の人が肯定的に捉えながらも、現在の職場では実現が難しいと考えていたり、収入減少に対して不安を抱いていることが明らかになりました。職場環境が理由の人はともかく、「収入が減ることに対する不安」から制度利用に否定的な人がいるのであれば、今から少しずつ、「労働所得だけに頼る」というお金との付き合い方を変えることを考えてみてはどうでしょうか

収入の減少はなにも「選択的週休3日制」に限って起こることではありません。新型コロナウイルスの流行で多くの人が再認識したように、「ここに勤めていれば一生安泰」といった企業はもはや存在せず、今や私たちは、自分のお金は自分の力でなんとかしなければならない状況にあると言えます。

今回の調査では、収入が減った場合の補填策として「投資を検討する」とした人は全体の2割でした。「貯蓄から投資へ」と何年も国が声高に叫び続けてきた中、この割合はまだ低いように感じます。知識がないから投資に対してリスクを感じ、投資という選択肢を選べない、ということはとても残念なことです。また副業に興味がある人にとっても、「お金のため」ではなく「自己実現」目的で副業にチャレンジするためには、投資による「資産所得」の存在が大きな強みになるはずです。

将来導入されるかもしれない「選択的週休3日制」。この議論をきっかけに、理想の働き方を今一度考え、それを実現する最初の一歩として、「投資」を学び、2本目の収入の柱を作ることに取り組んでみてはどうでしょうか。
 

小野原 薫(Onohara Kaoru)
ファイナンシャルアカデミー認定講師、ファイナンシャルプランナー、相続診断士

大手証券会社でキャリアを積む中で、顧客目線の中立的な金融経済教育の必要性を強く感じ、ファイナンシャルアカデミーに参画。初心者向け講座から専門的な投資スクールまで幅広い講座で教鞭を執るほか、学生や若年層への金融経済教育普及にも尽力。わかりやすい解説が好評で各種メディアでも活躍中。
 

  • 調査概要

調査テーマ :「選択的週休3日制と家計、副業、投資に関する意識調査」
調査方法: インターネットによるアンケート調査
調査対象 :全国の会社員(正社員)400名
・男女比:男性 50%、女性  50%/・年齢構成:20代 25%、30代 25%、40代 25%、50代 25%
調査実施日 :2021年4月28日(水)
 

  • ファイナンシャルアカデミーとは

お金の教養を身につけるための「総合マネースクール」です。 2002年の創立以来延べ60万人が、資産運用や定年後準備・家計管理など、人生と社会を豊かにするお金との付き合い方を学んでいます。日本における金融経済教育の普及のため、保険や株式といった金融商品を一切販売することなく中立的な立場での教育を徹底し、いまや活動の範囲は学校教育現場や官公庁、企業、プロスポーツ団体にまで広がっています。
◇公式ホームページ https://www.f-academy.jp/

<会社概要>
●社名:日本ファイナンシャルアカデミー株式会社 
●学校名:ファイナンシャルアカデミー
●設立:2002年6月13日 
●資本金:1億円 
●代表取締役:泉 正人
●所在地:東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビル2階  
●現役受講生数:約8,000名
●受講生層:男性48%、女性52% /20代20%、30代46%、40代24%、50代10%
●主要スクール:株式投資スクール、不動産投資スクール、定年後設計スクール、お金の教養スクールなど