株式会社阿波銀行のプレスリリース
阿波銀行(頭取 長岡奨、本店:徳島県徳島市)は、2021年4月1日付で人事諸制度および退職給付制度を改定し、65歳定年制度を導入するとともに、退職給付制度を「リスク分担型企業年金制度」を含む制度に改定しますので、お知らせいたします。
■取り巻く環境と社会課題
日本社会における長寿化の進展により、人生100年時代への対応は、企業のみならずそこで働く個人においても必要となっています。また、高年齢者雇用安定法の改正において長期にわたる雇用確保について努力義務が課されるなど、高年次社員への対応は重要性を増しています。
公的な社会保障制度が65歳支給開始を前提とするなか、老後を支える私的年金としての退職給付制度についても、長寿化が進み終身年金の維持に対する負担が増すことが考えられ、今後の低金利等の資産運用環境の悪化に備え、対応していくことが求められています。
■定年延長を中心とする人事諸制度の改定
当行では従前より職務基準の人事諸制度運用をめざし、2002年には職務給制度の基となる制度を導入し、2010年には職能資格制度を廃止、管理監督職に対して職務給の制度を導入するとともに、57歳以降の賃金減額を廃止し、60歳までの一貫した賃金体系を構築しました。
【人事制度の変遷】
この度、人生100年時代の到来による雇用確保に対する社会的要請や職員一人ひとりの豊かな老後に向けた資産形成をめざして、地方銀行※1では初めてとなる65歳定年制度を導入いたします。
制度改定により、60歳以降の職員も昇進・昇格が可能となり、人事評価に基づき賞与を支給することで、経験豊かな職員が、より年齢に捉われることなく活躍する機会を拡大します。
また、若手職員のモチベーションアップをめざし、初任給を引き上げるとともに若年層を中心に月例給与の引上げを実施します。なお、同時に当行グループ会社も定年延長を実施いたします。
■退職給付制度の改定
職員のライフプランの多様化に対応しながらも安心して老後を迎えられる制度の構築をめざし、終身年金を維持し退職給付債務の変動リスクを軽減し安定性を高めるため、当行制度を2017年1月に法制化された「リスク分担型企業年金」を含む退職給付制度へ改定いたします。
企業年金制度の長寿化リスク対応では、一般的に終身年金の廃止や有期年金化といった選択肢もあるなか、当行は、職員の老後生活の安心確保のため、終身年金を維持することとしました。
そのうえで、「リスク分担型企業年金制度」の導入を行い、年金運用における市場変動の影響が銀行決算に与えるリスク要因の極小化を通じて、退職給付制度に対する財務的負担の平準化をはかり、より安定的な財務体質の構築に資するものと考えています。
1.制度の概要
(1) 給付開始年齢の変更
- 65歳定年制度の実施に伴い、退職給付制度の支給開始年齢を65歳へと変更。
(2)確定給付企業年金(DB)制度の改定
- 従来の退職金制度を改定し、年金として受け取る選択ができるように変更。
- 終身年金を維持しながら、長期的な制度の維持可能性を高めるため保証期間について変更。
(3)疑似キャッシュバランスプランの導入
- 従来の確定給付企業年金(DB)制度について、給付利率が市場金利に連動する「疑似キャッシュバランスプラン」を導入し、給付利率を固定金利から変動金利に変更。
(4)確定拠出年金(DC)制度の一部改定
- 職員の資産形成を支援するため、事業主掛金に加え給与の一部をDC掛金として追加拠出できる「ライフプラン支援制度」を新設。
(5) リスク分担型企業年金の導入
- 確定給付企業年金(DB)制度について、確定給付企業年金(DB)制度と確定拠出年金(DC)制度の中間的な仕組みである「リスク分担型企業年金制度」へと移行。(2021年3月1日現在で18例目、地方銀行としては2例目となる見込み)
- これにより、終身年金を中心とする確定給付企業年金(DB)制度の枠組みを維持しつつ、会計上は確定拠出年金(DC)制度として取扱われ、退職給付債務(PBO)の認識が不要となるなど、財務面での安定性が向上。
- 当行においては、現在年金を受け取っている受給権者等にも同制度を適用。
これらの改定により、一時的には人件費が増加しますが、これを全額企業側負担としております。
すべての職員が働きがいをもち、職業人生を通じて“いきいき”と働ける環境を整えることや、安心して老後生活を迎えられる制度設計を行うことは、雇用主たる企業の責務であると考え、本改定に取組むことといたしました。
そしてこれらの改定により、阿波銀グループ全職員のモチベーション向上を通じ、以て地方創生に貢献できる人材の育成・確保に取組んでまいります。
~参考【リスク分担型企業年金制度の概要および他の制度との比較】~
※1 全国地方銀行協会会員銀行。
※2 当行は基金型であるため、企業年金基金が運用主体となります。
※3 将来発生するリスク(20年に一度程度発生しうるリスク)を算定し、その範囲を超えて年金資産等が変動する場合。
■株式会社阿波銀行(The Awa Bank, Ltd.)について
本店所在地:徳島県徳島市西船場町二丁目24番地の1
設立:明治29(1896)年6月19日
資本金:234億円
店舗数:101店舗(徳島県内82店舗、県外19店舗、2020年3月末現在)
URL: https://www.awabank.co.jp