SOMPOひまわり生命保険株式会社のプレスリリース
1.背景・目的
2月4日は「世界対がんデー」です。がんへの意識向上と予防、検出、治療への取組を促すために定められた、人々ががんについて考え、行動を起こす日です。厚生労働省では、がん検診の受診率を50%以上とすることを目標としています(例えば、女性では20歳から2年に1度の子宮頚がん検診、男女40歳以上では年に1回の肺がん・大腸がん検診が推奨されています)。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、がん健診控えが社会問題となり、今後がんが進行した状態で見つかってしまう可能性が高まるのではないか、とも言われています。
「健康応援企業」として、どのぐらいの方々が今年度がんの定期健診を受診できていないのか、また定期健診を妨げている要因等についてお伺いしました。
2.調査結果サマリー
①新型コロナウイルス感染症流行によるがん検診未受診者の状況
②がん検診の受診率
③20代女性の定期受診状況とがんり患に対する不安感、また金銭的準備の状況
④がん早期発見の重要性
⑤がんリスク検査の認知度と利用意向率
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3.調査結果詳細
①新型コロナウイルス感染症流行によるがん検診未受診者の状況
- 新型コロナウイルス流行の影響により、2020年に予定していたがん検診を受けなかった人は、がん検診受診経験者中10.2%。それ以外の理由により受診しなかった6.9%を含めると17.1%の人が、がん検診を中止している。
- 2020年にがん検診を受診した人(がん検診受診経験者中42.9%)の内訳を見ると、「がん検診の定期受診者」が83.5%、「不定期受診者」が16.5%であったが、2020年にがん検診を中止した人(同17.1%)の内訳は「定期受診者」63.2%、「不定期受診者」が36.8%であり、中止は不定期受診者で多め。がん検診を定着させるためには、定期健診の推奨が必要といえる。
- 男女別に見ると、「影響があって受けなかった」と回答した人の割合が女性で3.6ポイント高く、女性でやや影響が強めであった様子が伺える。
Q. 2020年は、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、がん検診の受診控えが報道されています。あなたは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたか。(ひとつだけ)
※定期受診…がん検診を「定期的に受けている」「ほぼ定期的に受けている」と回答した人
不定期受診…がん検診を「定期的ではないが、数年に1度は受けている」「1~2回受けたことがある」と回答した人
②がん検診の受診率
本調査において、過去にがん検診を受けたことがあると回答した人は50.9%、一方全く受けたことがない人が49.1%という結果となった。定期的(おおよそ1~2年に1回程度)に受診している人は全体の約4人に1人(26.3%)であった。
Q.あなたは、がん健診を定期的(おおよそ1年に1回、または2年に1回)に受けていますか。(ひとつだけ)
定期的ながん検診が推奨されている女性20歳以上、また男女40歳以上で見ると、定期的に受けているのは女性20代で11.0%、30代で22.0%にとどまり、「(がん検診を)1度も受けたことはない」との回答は20代で70.0%、30代で45.0%との回答となった。男女40歳以上で見ると、男性40代で55.0%、50代で46.0%が「(がん検診を)1度も受けたことがない」と回答している。
がん検診を受診したことがない理由
がん検診を受診したことがない人に、受診しない理由を尋ねたところ、「検診にお金がいくらかかるかわからないから(39.5%)」「検診には高いお金がかかると思うから(31.6%)」という金銭的要因が上位2位となり、「自分にはまだ必要がないと思うから(30.1%)」と続いた。
- 男女別に見ると、男性では「自分は健康だと思っているから」が全世代で女性より高め。一方女性では、「必要になったら病院にかかれば良いと思っているから」が全世代で男性より高め。男性では、自分自身の健康に自信があり、女性では病気の予防意識の低さが垣間見える結果となった。
- 前項目で受診率の低さが目立った女性20代・30代、男性40代・50代を見ると、受診していない理由上位3位が共通しており、「検診にお金がいくらかかるのかわからないから」「検診には高いお金がかかると思うから」という金銭的理由と、「どこで検診を受けたらいいのか分からないから」があげられ、検診にまつわる基礎的な情報を獲得できていない様子を伺わせた。
Q.あなたががん検診を受診したことがないのは、なぜですか。
③20代女性の定期受診状況とがんり患に対する不安感、また金銭的準備の状況
「万が一、がんになった場合にどのようなことを不安に感じるか」と尋ねたところ、「手術費や治療費について(69.0%)」「収入面について(49.9%)」と金銭的な不安が上位2位を占めた。
また、不安指数(不安と回答された数値を総計。高いほど不安の範囲が広い/強い)を算出し、性年代別に比較してみると、最も高かったのは20代女性(410.0)、次いで30代女性(405.0)となった。内容としては、「治療費」「収入」などの金銭面から、がんに罹患した場合の「子育て」「出産」などライフステージにまつわる不安、また「容姿(の変化)」について等、多岐にわたる悩みを多くの方が感じている様子が伺えた。
Q. 万一、がんになった場合、どのようなことを不安に感じますか。(いくつでも)
Q. 万一、がんになった場合、どのようなことを不安に感じますか。(不安指数)
がんにり患した場合に備えた金銭的準備状況
がんに罹患した場合に備えた金銭的準備の状況について尋ねると、「がんに対応した保険や共済に加入している(44.8%)」との回答が最も多かった一方で、「特に準備はしていない(44.1%)」との回答もほぼ同数でみられた。性年代別には、男性20代・30代、女性20代で「準備はしていない」との回答が高めで、半数以上は準備をしていない結果となった。
これらの点から、特に女性20代において、不安には感じているが、万が一がんに罹患した場合の金銭的準備や利用可能な制度の理解が十分とは言えない様子が伺えた。
なお、がんに罹患した場合の自己負担想定額(健康保険内での負担額)として最も多かった回答は、「(70万円)~100万円(22.8%)」であった。
Q.あなたは、がんにかかったときの金銭的準備をしていますか。(いくつでも)
Q.あなたは、がんにかかったときの平均的な金銭的負担はいくらくらいだと思いますか。健康保険を差し引いた自己負担額でお答えください。※1週間程度の入院、手術のみ(ひとつだけ)
④がん早期発見の重要性の認識
がんの早期発見の重要性について、胃がんの発見・治療が開始されたステージと5 年相対生存率の関連性の
報告を提示したところ、「早期発見は大切だと思った」との回答が全体で82.2%と、早期発見の重要性は一般
的に認識されている様子が伺えた。
性年代別に見ると、全体的に高い中でも、女性30 代でトップボックス(「あてはまる」)が76.0%と特に高い
結果となった。
Q.がんの早期発見についてお伺いします。日本人の年間発症数が最も多いがんのひとつである胃がんの場合、が
んが発見・治療が開始されたステージによって、以下のような5 年相対生存率の違いがあると報告されています。
これについて、あなたにとってあてはまるものを教えてください。【早期発見は大切だと思った】
<胃がん 発見・治療開始ステージ別5 年生存率>※国立がん研究センター(2009~2011 年)ステージI 97.2% ステージII 62.8% ステージIII 49.0% ステージIV 7.1%
性年代別に見ると、全体的に高い中でも、女性30 代でトップボックス(「あてはまる」)が76.0%と特に高い
結果となった。ライフステージの変化が影響しているとも想定される。
⑤がんリスク検査の認知率と利用意向率
がんの早期発見における役割が期待されているがんの「リスク検査」の認知率、及び利用意向を尋ねたところ、「リスク検査」の認知率は尿で32.4%、だ液で28.1%に留まったものの、利用意向はそれぞれ60%以上と、高い意向がみられた。認知率が高まることで、手軽に受けられる検査として、がんの早期発見に寄与することが期待される。
Q.最先端技術を活用したがんのリスク検査(一次スクリーニング検査)のうち、あなたが知っているものを教えてください。※「がんのリスク検査(一次スクリーニング検査)」は、がんであるリスクを評価する検査で、がんであるか否かを判断・診断するものではありません。【尿による検査】【だ液による検査】(それぞれひとつだけ)
認知 | 利用意向 | 差分 | |
尿 | 32.40% | 70.00% | (+)37.6Pt |
だ液 | 28.10% | 63.90% | (+)35.8Pt |
4.調査概要
調査対象:全国の20代〜60代の男女1,000名(各性、年代100名ずつ) 調査手法:インターネット調査 調査期間:2021年1月12日~1日14日 |
■本調査結果をご利用の場合は、「SOMPOひまわり生命調べ」のクレジットを併記ください。
5.これまでのSOMPOひまわり生命調査のご紹介
SOMPOひまわり生命公式ホームページから、これまでの健康応援調査結果等もご覧いただけます。
公式ホームページ ( https://www.himawari-life.co.jp/)
●仕事と介護を両立する勤労者に対するアンケート(2019年5月21日)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2019/a-01-2019-05-21.pdf
●たばこに関するアンケート調査~禁煙に「成功した人」「断念した人」の本音調査~(2019年8月28日)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2019/a-01-2019-08-28.pdf
●第1弾調査「7歳の人生100年時代調査」(2019年11月13日)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2019/a-01-2019-11-13.pdf
●第2弾調査「糖尿病予備軍 と 非予備軍 の 生活習慣比較調査」(2019年12月24日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2019/a-01-2019-12-24.pdf
●第3弾調査「Femtech(フェムテック)に関する調査」(2020年3月9日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2019/a-01-2020-03-09.pdf
●第4弾調査「With/After コロナの健康と保険に関する意識調査」(2020年6月2日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2020/a-01-2020-06-02.pdf
●第5弾調査「『貯蓄の日』『ステイホームで変化したお金の使い道と健康意識』に関する調査」(2020年10月14日発表)
https://www.himawari-life.co.jp/-/media/himawari/files/company/news/2020/a-01-2020-10-14.pdf
以上