第186回中小企業景気動向調査 特別調査

大阪信用金庫のプレスリリース

●2020年 いつまで続くコロナショック:「悪化した」84.7%

 2020年の日本の景気は、「良くなった」が2.7%(前回比△5.8ポイント)、「悪化した」が84.7%(前回比+55.9ポイント)となり、景気は大きく後退しました。
 新型コロナウイルス感染症による悪影響は全業種に及んでいますが、特に飲食業は91.7%が悪化したと回答し、深刻な影響を受けています。

 

●2021年 出口見えないコロナ終息:「悪化する」56.9%

 2021年の日本の景気予想は、「良くなる」が16.0%(前回比△14.1ポイント)、「悪化する」が56.9%(前回比+27.1ポイント)となり、景気が悪化すると予想する企業が急増しました。特に「大幅に悪くなる」が24.0%(前回比+20.3ポイント)と急増している点で深刻さが伺えます。
 製造業や不動産業では、それぞれ19.6%、19.2%が景気は「良くなる」と回答し、中国からの輸入が回復して受注増加を見込む企業や、消費マインド回復による物件売買の増加に期待していると思われます。

●ウィズ・コロナ時代への挑戦 :「販路開拓」55.7%

 2021年に優先的に取り組む経営課題は、「販路開拓」が55.7%となり、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化するなか売上の回復が最優先課題となりました。
 小売業や飲食業では、「販売方法の変更」がそれぞれ40.3%、33.3%となり、ネット販売やデリバリーなどへの対応が加速すると思われます。運輸業や建設業では、「人手不足」がそれぞれ58.1%、41.7%と大きな経営課題となっています。また、「主力商品の変更」は、小売業や飲食業、卸売業で22.4%、22.2%、20.7%となり、大きな変革の伴うものを経営課題に据える企業も意外と多く、「ウィズ・コロナ」時代へ適応するために挑戦しようとしています。

●進むデジタル化 :「取り組む」4割超

 デジタル化の推進については、約4割がデジタル化に取り組んでいます。
 特に運輸業では「ペーパレス化」や「業務プロセスの見直し」「オンラインシステムの活用」など業務の効率化に関するものが多く、他業種より高くなっています。

景気動向調査 特別調査の詳細は、
https://www.osaka-shinkin.co.jp/pdf/report/202012_tokubetsu.pdf
を覧ください。

・調査時点:2020年12月上旬

・回答企業数:743社(回答率42.8%)

・調査方法:調査票郵送による調査(新型コロナウイルス感染症対策のため返信用封筒で回収)