『お金の地産地消白書2020』を踏まえ、地域金融機関の役職員がソーシャルビジネスを学び、事業者に寄り添う3つのプログラムを開始

合同会社めぐるのプレスリリース

合同会社めぐる(代表:木村真樹、愛知県名古屋市、以下「当社」)は、地域金融機関によるSDGs(持続可能な開発目標)取組状況やソーシャルビジネス支援に関するアンケート結果等を紹介している『お金の地産地消白書2020(※)』の内容を踏まえ、地域金融機関の役職員がソーシャルビジネスを学び、事業者に寄り添う機会として、以下の3つのプログラムを開始しました。
1.『お金の地産地消白書2020』を読む会
2.組織課題解決ワークショップ@オンライン
3.JPBVソーシャルビジネス支援プログラム2021@オンライン

※地域の“志金”が地域でめぐる「お金の地産地消」のさらなる推進をめざして、「価値を大切にする金融が社会課題の解決に向けて実践できること」を明らかにするために、当社と一般社団法人価値を大切にする金融実践者の会(代表理事:江上広行、東京都千代田区、以下「JPBV」)は、2020年5月に『お金の地産地消白書2020』製作委員会を立ち上げました。同年9月~10月に実施した『白書2020』発行プロジェクトの支援者募集には、343名の47都道府県のみなさまから総額2,651,566円をご支援いただき、同年12月に本書を発行することができました。詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.meguru.social/posts/11840204

 

●各プログラムの概要

1.『お金の地産地消白書2020』を読む会 ~価値を大切にする金融が社会課題の解決に向けて実践できること~

『お金の地産地消白書2020』をテキストに研修等を実施することで、「価値を大切にする金融が社会課題の解決に向けて実践できること」の理解を深めます。参加者のリーダーシップを育むために、講師が知識や技術を教える講義形式ではなく、参加型のグループワークで対話を繰り返します。

詳細は下記URLをご参照ください。オンラインでの開催(※)も可能です。
https://www.meguru.social/posts/11840204

※2020年12月15日に開催した『白書2020』発行記念オンラインイベントの参加者からは終了後、以下の気づきや学び、感想等をいただきました。
・金融機関とソーシャルビジネスの資金ニーズにギャップがけっこうあること
・善の意図の力を感じました。このプロジェクトに関われて本当にハッピーでした
・「変革するにはしなやかでありながら軸も必要」「寄付はおすすめされて初めて行う」「ソーシャルとビジネスの境がなくなってきている」など、いろいろと学びをいただきました!
・SDGs、ESG、ソーシャルインパクト、休眠預金等、環境がだいぶ変わってきたことを実感しました
・意識高く、社会課題を解決するために融資する金融機関が地域の中に存在していること
・金融機関とソーシャルビジネス、それぞれ少しずつ見方にズレがある。そのズレを埋めることが地域金融機関に与えられた使命になるのではないかと感じた
 

2.組織課題解決ワークショップ@オンライン ~ソーシャルビジネス事業者を寄ってたかって支援する~

当社が運営するウェブサービス「凸と凹(でことぼこ)」のマンスリーサポートプログラムに登録するソーシャルビジネス事業者をゲストに招き、「何が問題か?」「誰と解決するか?」「どう解決するか?」や「今日解決したい組織課題」を伺い、その解決策をグループワークで寄ってたかって提案するプログラムです。2021年1月から奇数月に開催します。

本プログラムは、地域金融機関の役職員に対してソーシャルビジネスに寄り添う機会を提供することで、参加金融機関(の役職員)らしいソーシャルビジネスへの関わり方を考えることを目的としています。

2021年1月29日に開催する第1回の参加者募集は、下記URLをご参照ください。
https://deco-boco.jp/projects/view/20
 

3. JPBVソーシャルビジネス支援プログラム2021@オンライン ~価値を大切にする金融を実践し、社会課題の解決に「本気で」挑む~

JPBVに賛同する金融機関の役職員が、仕事で培ったスキルや経験等を生かして、ソーシャルビジネスを半年間応援するプログラムです。役職員のみなさんは、NPO等の支援先が次の事業を(高難度の「価値」の交換である)継続的な寄付で育む戦略を構築するために、本プログラムの協力先とともに3名程度のチームを作り、定例オンライン会議等を通して「社会を変える」計画を支援先とともに策定し、“志金”調達計画を提案します。

本プログラムは金融機関の役職員に対し、ソーシャルビジネスに「本気で」寄り添う機会を提供することで、参加金融機関による社会課題の解決に向けたさらなる実践を後押ししたいと考えています。

本プログラムに参加する金融機関は2021年3月31日まで募集しています。詳細は下記URLをご参照ください。
https://jpbv-social.theblog.me/posts/11840299
 

●プログラム開始の背景

SDGs達成に向けて地域金融機関に期待される「金融包摂」

2030年までに地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓うSDGsの達成に向けた取り組みを、対外的に表明する「SDGs宣言」を制定する地域金融機関が相次いでいます。『お金の地産地消白書2020』製作委員会が2020年5月に実施した調査によると、全国に472ある地域金融機関の約半数が、SDGsに関する何らかの取り組みを行っています。

SDGsのゴール「8. 働きがいも経済成長も」のターゲットのひとつに、「10. 国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。」があります。SDGs達成に向けて、金融機関には誰一人取り残さない「金融包摂」の取り組みが期待されています。

ソーシャルビジネスの借入先は「個人」が最も多い

しかし、内閣府が2017年度に実施した調査では、ソーシャルビジネスの代表格であるNPO法人の借入先は「個人」が最も多く、その割合は60%にも上っています。一方、ソーシャルビジネス向けの融資実績は近年、着実に伸びているにもかかわらず、地方銀行や信用金庫より地域性が強く小規模事業者を対象としている信用組合や、2000年に日本初のNPO法人向け融資制度を開始した労働金庫は、ともにわずか1.6%にとどまっています。

『お金の地産地消白書2020』製作委員会が2020年7月~8月に実施した、地域金融機関によるソーシャルビジネス支援に関するアンケート結果によると、ソーシャルビジネス支援が進まない主な理由として「ソーシャルビジネスに関する知識やノウハウがない」「ソーシャルビジネスとの関わりが少ない」などが挙がっています。

SDGsを「本気で」達成するために、ソーシャルビジネスに「本気で」寄り添う

金融庁は、2016年10月に公表した金融行政方針の中で、金融機関が担保や保証、信用力を過度に重視し、将来性や地域貢献性のある事業への融資に消極的な状況を「日本型金融排除」と定義しました。昨今、SDGsのピンバッジを着用した金融機関役職員を時折見かけますが、本当に大切なことは、「誰一人取り残さない」というSDGsの志を胸に刻み、実績や担保等がなくて排除されがちなソーシャルビジネスにも「本気で」寄り添うことではないでしょうか。

特にこれからの社会課題の解決は、行政だけで、税金だけで対応できません。SDGsを「本気で」達成するには、その解決を民間(ソーシャルビジネス)で、その財源を地域(金融機関)でまかなっていく必要があります。

●本リリースに関するお問い合わせ

下記URLからお問い合わせください。
https://www.meguru.social/pages/2497826/contact