新型コロナの治療で『抗体医薬』にも注目が集まる

三井住友DSアセットマネジメント株式会社のプレスリリース

三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「新型コロナの治療で『抗体医薬』にも注目が集まる」を2020年12月11日に発行いたしましたので、お知らせいたします。

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新型コロナの感染拡大が続いていますが、予防に使うワクチンの開発と共に、治療薬の開発も進んでいます。治療薬の分野で本命とされるのが『抗体医薬』で、この新薬が米国で相次ぎ条件付きで使用できるようになりました。接種が始まった新型コロナワクチンと『抗体医薬』により、新型コロナ克服への期待が高まっています。今後の『抗体医薬』の開発動向にも注目が集まります。

【ポイント1】新型コロナの感染拡大で『抗体医薬』の注目が高まる

■人は体内に無い異物を排除する抗体というたんぱく質をつくり出して病気を防いでいます。この仕組みを利用して、病気の原因となっている物質に対する抗体をつくり、体内に入れ、病気の予防や治療をおこなう薬が『抗体医薬』です。『抗体医薬』は、遺伝子組み換え技術などのバイオ技術を使ってつくられます。体内で薬が狙った場所にピンポイントで届くため、副作用が少ないなどの利点があります。

■新型コロナが感染拡大するなか、これまで新型コロナの治療薬は「レムデシビル」など他の病気向けに開発されたものを転用したものでした。今年の11月に米社が開発中の『抗体医薬』に特化した新薬が相次いで米国内で条件付きで使用できるようになり、『抗体医薬』への注目が高まっています。

【ポイント2】国内外で『抗体医薬』の開発が進展

■米食品医薬品局(FDA)は11月に新型コロナの治療薬として米製薬大手のイーライ・リリー、米リジェネロン・ファーマシューティカルズが開発していた『抗体医薬』新薬の緊急使用を許可しました。早い段階で体内のウイルスの増殖を抑えれば、重症化リスクも減らせる効果が期待されています。

■武田薬品工業は19年に6兆円強を投じて買収したアイルランドのシャイアーが持つ技術などを活用して「免疫グロブリン製剤」を中心に開発を進めています。10月から国内外での最終治験が始まっており、早ければ年内にも治験結果がまとまる予定です。血液から作るため、有効性などは比較的高いといわれています。
 

【今後の展開】『抗体医薬』が、コロナ克服へつながることが期待される

■新型コロナに対する『抗体医薬』の開発が急ピッチで進んでおり期待は高まっています。一方で、緊急使用許可が出た2つの新薬は最終治験を続けて効果や副作用などを検証している段階にあります。また『抗体医薬』は量産に時間と手間がかかるため高額になりやすいなどの課題が残ります。これらの課題が解決され『抗体医薬』とワクチンの普及が進めば、新型コロナ克服につながると期待されます。

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