日本クレジットカード協会のプレスリリース
日本クレジットカード協会 (略称 JCCA、会長:井上 治夫 三菱UFJニコス株式会社 代表取締役社長)は、アクセンチュア株式会社、マネーツリー株式会社の協力のもと、消費者が、キャッシュレス決済を「使えるのに、使わないのはなぜか」に着目した調査を実施。諸外国の取組み事例も参考に、わが国におけるキャッシュレスの推進策の考察を取りまとめました。
本調査より確認できた主な要点は以下の通りとなっています。
~消費者は、手間のかからない利便性を決済手段に求めている~
- お店で「使えるのに、キャッシュレス決済を使わない」理由は、”現金決済の方が、時間がかからない”ケースがあり、決済時の手間や店舗側の対応・雰囲気に左右されて現金決済を選んでいるから。(図1)
- 消費者の約6割が「お得さ」からキャッシュレス決済を利用し始め、約8割が「便利さ」により利用が習慣化。
◆図1 使えるのに使わない理由
現金の方が手間がかからないという理由の他、お店での使いにくい雰囲気も挙げられている。
~キャッシュレス決済に対応していない店舗を避ける傾向が浮き彫りに~
- 「使う」人は、「使える店」を選んでいる。一般消費者の約4割、家計簿アプリ利用者の約6割が、日常生活に密着した消費シーン(スーパー・飲食店等)でキャッシュレス決済非対応の店を避ける傾向。(図2)
◆図2 「使う」人は「使える」場所を選ぶ
消費者の半数近くが、キャッシュレス決済を利用できる店舗を選択している傾向がある。
~キャッシュレス決済拡大の鍵を握る「ヘビーユーザー予備軍(利用率50%未満の関心層)」の存在~
- キャッシュレス決済の利用率が50%未満の「ライトユーザー層」と未利用だがきっかけがあれば利用したいとする「キャッシュレス関心層」の合計で全体の約6割に。一方、「無関心層」は全体の1割に満たない。
本調査結果より、わが国におけるキャッシュレス化のさらなる進展には、主に「ライトユーザー層」と「キャッシュレス関心層」に向けて、効率的・効果的な推進施策を導入していくことが重要だと考えます。
~手間のかからない利用環境の整備~ <キャッシュレス比率向上の期待効果 : +26.4%> (図3)
- 日常の生活シーンを対象に①サインレス・PIN(暗証番号)レス、②コンタクトレス(非接触IC)環境の整備による決済の”簡便化・時短化”など利便性を向上させ、キャッシュレス決済利用の習慣化を目指す。
~使ってみる“きっかけ”づくり~ <キャッシュレス比率向上の期待効果 :+α >
- 「キャッシュレス関心層」には、特典の付与等で「お得さ」をきっかけとしてキャッシュレス利用を喚起し「ライトユーザー層」への移行を、将来的には利便性の体感による「ヘビーユーザー層」へのシフトを促進する。
当協会は今後、安全安心な決済インフラ整備の推進に加え、今回の調査で得た知見・考察を深め、政府が掲げるキャッシュレス社会の実現に向けた効果的な施策の実施につなげていきたいと考えています。
◆図3 [日本におけるキャッシュレス比率の向上が期待できる具体的な施策]
※ 期待効果は、諸外国の導入効果を日本の消費者ニーズに合わせて算出。
また④の期待効果は、政府主導の施策が検討されている為、+αとしている。
割合に表示のない1%は、何があっても現金を利用し続ける現金岩盤層。
【調査概要】
■一般消費者向けアンケート
対象者数:1,305名(都市部在住の日本人、かつ給与所得者又はその配偶者)
期間・調査方法:2018年8月8日~8月10日(WEB調査)
■家計簿アプリ利用者向けアンケート
対象者数:9,052名(家計簿アプリMoneytree利用の日本人、かつ給与所得者又はその配偶者)
期間・調査方法:2018年8月30日~9月10日(WEB調査)
【報告書】 「キャッシュレス社会の実現にむけた調査報告書(概要版)」
本件の報告書につきましては、以下のURLからダウンロードが可能です。
http://www.jcca-office.gr.jp/visit/0218_report.pdf
<本件に関する照会先>
■ 日本クレジットカード協会 東京都港区新橋2-12-17 新橋I-Nビル1階
TEL:03-6738-6621
Eメール:secretariat@jcca-office.gr.jp (担当:片桐、黒子、鈴置)
以上