アイペット損害保険株式会社のプレスリリース
アイペット損害保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:山村鉄平 以下、当社)は、犬・猫(以下、「ペット」)飼育者の942名を対象に、ペットのための防災対策に関するアンケート調査を実施しました。
調査結果概要: ●「自宅から最寄りの避難場所を知っている」は約8割、2018年より6ポイント増 ●ペットも一緒の避難生活では、「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」が、犬・猫飼育者共通の心配事 ●理想の避難所環境は、「ペット飼育者と非飼育者の居住場所を分ける」がトップ ●「同行避難」 を正しく理解できている飼い主は半数程度、さらに「同行避難」が原則とされていることを認知していた割合は2割未満 ●災害時の迷子対策として有効な、マイクロチップの装着率は全体で2割、今後も「検討しない」が全体の約6割 |
調査結果1:ペットのための防災対策としては、「基本的なしつけができている」がトップ
災害を想定して、ペット向けの防災対策は何かしているかを尋ねたところ、犬飼育者の回答では「「待て」や「おすわり」など基本的なしつけができている」がトップで、2018年時の調査と同様の結果となりました。猫飼育者の回答では「普段から誰かが一緒にいるようにする(ペットだけで長時間お留守番をさせない)」「ペット用の防災グッズ(食料・用品等)をそろえている」が同率でトップとなりました。一方で猫飼育者からは「特に何もしていない」との回答も6割近くありました。
調査結果2:備えているペット用防災グッズは、「フード(おやつ含む)・飲料水」が7割以上
続いて、ペットのために現時点で備えている防災グッズを尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「フード(おやつ含む)・飲料水」が7割を超えました。次に多かったのが、犬飼育者は「リード」、猫飼育者は「トイレ用品(猫砂を含む)」という回答でした。
調査結果3:「自宅から最寄りの避難場所を知っている」は約8割、2018年より6ポイント増
続いて、自宅から最寄りの避難場所を尋ねたところ、「知っている」と回答した方は78.3%で、2018年時の調査と比べ6ポイント増となりました。2019年は台風や記録的な大雨など自然災害が多い年であったため、災害へ対する意識が高まっているように見受けられます。
さらに「知っている」と回答された方のうち、「避難場所にペットを連れて避難できるか知っていますか?」と尋ねたところ、「知っている(連れていけるが、建物の中に一緒に入ることができるかはわからない)」「知らない」を合わせ、全体の7割以上がペットと避難場所で一緒に過ごせるかどうかわからないという結果でした。中でも、猫飼育者では6割以上が「知らない」という回答結果となりました。また、「知っている(連れていけて、建物の中に一緒に入ることもできる)」「知っている(連れていけるが、建物の中に一緒に入ることはできない)」の回答については、犬飼育者が32.9%なのに対し、猫飼育者は21.3%となり、回答に差がでる結果となりました。
これは、猫飼育者に比べ犬飼育者は情報接触の機会が多いこと(散歩、動物病院、メディアなど)から、日頃から情報量が多いということも理由の一つとして想像することができるのではないでしょうか。
調査結果4:避難生活での心配事は「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」で犬・猫飼育者共通
続いて、ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合、ペットに関する心配事を尋ねたところ、犬飼育者の回答は、「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」の順で、猫飼育者の回答は、「慣れない場所でのトイレ」「他人や他のペットとのトラブル」の順となり、トップ2にはともに同じ回答が並びました。避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通のようです。
調査結果5:理想の避難所環境は、犬・猫飼育者ともに「ペット飼育者と非飼育者の居住場所を分ける」がトップ
次に災害時、ペット非飼育者もいる避難所でペットも一緒に生活を送ることを想定した場合、どのような環境が理想かを尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「ペット飼育者と非飼育者の居住場所を分ける」がトップとなりました。前出の心配事についての調査結果の上位にもあがったように「他人や他のペットとのトラブル」などを気にされている方も多いということからも、非飼育者への配慮や、できる限り周囲の避難者の方とのトラブルを避けたいという意向がうかがえます。また、犬・猫飼育者ともに、ペットと飼育者がともに過ごすことを想定している回答者(「人とペットが同じ空間で一緒に生活する」「ペット飼育者と非飼育者自体の居住場所を分ける」の合計)が6割を超え、避難する場合であっても一緒に過ごしたいという、家族であるペットへの思いが推察される結果となりました。
調査結果6:「同行避難」 を正しく理解できている飼い主は半数程度、さらに「同行避難」が原則とされていることを認知していた割合は2割未満
以下の文章を提示し、それが「同行避難」「同伴避難」どちらに当たるかを尋ねたところ、正解である「同行避難」を選択した方は51.8%でした。2018年時の調査と比較すると、6ポイント減となっており、認知・理解が進んでいない現状が浮き彫りとなった結果となりました。
災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所まで避難すること |
また、災害時ペットは飼い主との「同行避難」が原則とされていることを知っているかどうか尋ねたところ、8割以上が「知らない」と回答しました。ここ数年自然災害なども多く、避難所でのペットの受け入れについてメディアなどでも取り上げられるなど、「同行避難」というキーワードを耳にする機会も増えてきましたが、依然として認知度は低いようです。
調査結果7:マイクロチップの装着率は全体で2割ほど、今後装着も「検討しない」が全体の約6割
災害時の迷子対策として有効といわれているマイクロチップの装着有無についても尋ねたところ、装着率は犬飼育者で27.4%、猫飼育者で11.7%、全体でも20.6%にとどまりました。
さらに「装着している」と回答した方を対象に、装着目的を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「装着されていたペットを迎え入れた」がトップで、加えて「迷子防止」「装着を義務だと感じた」も多い結果となりました。Web上ではさらに、マイクロチップの装着目的や、今後装着を検討するかなどの調査結果も公表しております。詳細は、以下のURLよりご確認ください。
■調査結果:
https://www.ipet-ins.com/info/24237/
2019年に成立した「改正動物愛護法」では、販売用の犬や猫へのマイクロチップ装着などが義務づけられました(既に飼っている人については、装着は努力義務)。マイクロチップは、飼い主の責任を明確にすることで、捨て犬や捨て猫を防ぐ狙いがある他にも、災害時には、迷い犬・猫の発見などにも有効な手段になると言われています。
令和元年となった2019年は、過去最強クラスの台風や記録的な豪雨など、自然災害による甚大な被害が多く発生した年でした。大雨により各地で浸水被害をもたらした台風19号では、避難勧告がでているのにもかかわらず、「ペットを残していけない」という理由から避難しない飼い主も多くいたと言われています。環境省発行の「人とペットの災害対策ガイドライン」では、飼い主とペットが原則一緒に避難することが明示されています。万が一の時、大切なペットを守れるよう、行政が発信する情報に日ごろから耳を傾けるとともに、どんな備えが必要か、有事の際にペットとどのような行動をとるべきかなどを考えておく必要があるといえるでしょう。
アイペットでは今後も、ペット保険の提供を通じ、「ペットとの共生環境の向上およびペット産業の健全な発展」への貢献を目指して、より一層の努力を続けてまいります。
■過去の調査結果
ペットのための防災対策に関する調査(2018年)
https://www.ipet-ins.com/info/13227/
■調査概要
調査対象:全国の犬・猫飼育者
調査人数:男女942名
調査期間:2020年2月12日~2月15日
調査方法:インターネットによるアンケートを実施
■会社概要
商 号 : アイペット損害保険株式会社
代 表 者 : 代表取締役 社長執行役員 山村鉄平
所 在 地 : 〒106-0032 東京都港区六本木1-8-7 MFPR六本木麻布台ビル
設 立 : 2004年5月
事業内容 : 損害保険業
資 本 金 : 4,110百万円(2019年12月31日現在)