三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社のプレスリリース
RBA(オーストラリア準備銀行)は3月3日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レートを0.25%引き下げ、過去最低となる0.50%にすることを発表しました。利下げは10月以来、4会合ぶりとなります。
【図1】 RBAは、昨年来の大規模森林火災の悪影響に加え、新型コロナの感染拡大による中国景況感の急速な悪化、金融市場の混乱を受けた世界的な協調緩和の動きなどを背景に、市場では今会合において0.25%程度の追加利下げがあるとの見方が急速に増えていました。
◆追加利下げの背景
追加利下げの背景には、新型コロナの拡大に伴う市場のセンチメントの悪化や、最大の輸出相手国である中国の景況感悪化など豪州経済への深刻な影響が懸念される状況となったことがあり、各国中銀との協調緩和も意識したうえで追加利下げを行ったものとみられます。もともと昨年来の大規模森林火災や洪水被害などで国内の消費者センチメントの悪化がみられたことや、RBAが重視する失業率の改善も遅れており、当面は金融・財政両面での景気支援策が必要な状況が続いていました。【図2】
RBAは声明文において、今後も新型コロナの経済への影響を注視するとともに、景気支援のためにさらなる金融緩和の用意があるとしています。
◆豪ドルは新型コロナ動向に振らされる展開
豪ドル/円は、大規模森林火災などの国内要因に加え、新型コロナの感染拡大を背景に中国景気が急減速するなか、2月末には2009年4月以来、約10年10カ月ぶりの低水準となる70円台前半に下落するなど、軟調な推移が続いています。【図3】
豪州経済は、教育・観光業などを中心に新型コロナによる悪影響が懸念される一方で、政府の金融・財政両面での景気支援策などが下支えとなり、底割れは回避される見込みです。先行きの豪ドル市場は、新型コロナの感染拡大がいつ収束するのかが鍵を握っており、引き続き金融市場のセンチメントに大きく左右される展開が続くものとみられます。
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