フランクリン・テンプルトン傘下のウエスタン・アセット日本拠点の投資運用部長兼ポートフォリオマネジャー木村浩幸の見解
フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社のプレスリリース
フランクリン・テンプルトン傘下のアクティブ債券運用会社ウエスタン・アセットの日本拠点にて、投資運用部長兼ポートフォリオマネジャーを務める木村浩幸が、2026年2月8日の衆議院議員総選挙の結果を受け、今後の財政運営と円債市場への示唆について見解を示しました。積極財政を掲げる政策運営の継続が意識される一方、金融市場からのシグナルや物価環境を踏まえ、政策スタンスが調整される可能性に言及しています。また、足元の経済構造の変化を踏まえ、需要刺激策に偏らない成長戦略・産業政策の重要性を指摘しました。コメント全文は以下の通りです。
「2月8日の衆院選は事前予想通り、自民党の圧勝となりました。その結果、高市政権が掲げる『責任ある積極財政』が執られ、財政赤字が拡大する可能性は高いとの見方が大勢である模様です。
一方、野党との協調の必要性が低下したことから、拡張財政の度合いはある程度抑制されるとの見方もあります。加えて、積極財政に対する円安と長期金利上昇等の金融市場からの警鐘、および物価高対策自体が物価高を招くリスクが考慮され、積極的な財政スタンスが修正される可能性も相応にあるでしょう。実際、昨年秋の経済対策および来年度予算は、財政規律を配慮していると考えます。例えば、注目を集めた『年収の壁』178万円への引き上げは、年収上限を設定することで、減税規模は大幅に縮小されました。また、来年度予算にかかわる新規国債発行額も30兆円弱と比較的抑制的となり、プライマリーバランスは1.3兆円の黒字予算となりました。
加えて、新型コロナ禍以前は需要不足と低インフレが日本経済の課題でありましたが、コロナ禍を境に日本経済の経済構造は大きく変化し、人手不足等の供給制約とそれに伴うインフレが新たな課題となっています。すなわち、給付・減税等の財政ポピュリズム的な需要刺激策ではなく、経済の供給力を高める成長戦略・産業政策が適切な経済政策として必要とされる経済構造となっています。このことは、高市首相が主張している危機管理投資・成長投資との方針に一致します。また、高市首相は『経済のパイを大きくしないと何もできない』と発言しています。自民党が圧勝したことにより、経済政策はより潜在成長力の引き上げの方向にシフトすると考えます。
この観点から、食料品の消費税を2年間ゼロとする方針も立ち消えとなる可能性があるのではないでしょうか。公約に明記されている『給付付き税額控除』に代替・一本化される可能性も考えられます。高所得者にも恩恵が及ぶ消費税減税よりも、給付付き税額控除の方が物価高対策の目的に沿っており、かつ歳出額も抑制されます。加えて、一旦下げた消費税を2年後に再度引き上げるのは政治的なハードルが高く、恒久化の懸念が債務の持続可能性への疑問の一因となっています。
結論として、現時点では財政政策の不確実性は高いものの、財政拡張を主張するリフレ派的な政策から、日本経済の現状と債務の持続可能性を踏まえた常識的な経済・財政政策にシフトすることを期待します。その過程では、国内債券市場は落ち着きを取り戻すでしょう。」
ウエスタン・アセットについて
フランクリン・テンプルトン傘下のウエスタン・アセットは、債券運用に特化した、世界有数の債券運用専門会社です。米国パサデナおよびニューヨーク、英国ロンドン、東京、豪メルボルン、ブラジル・サンパウロ、シンガポール、香港およびチューリッヒに拠点を持ち、世界のお客様に対して、高水準の債券運用およびクライアント・サービスをご提供しております。
フランクリン・テンプルトン・グループについて
フランクリン・テンプルトン・グループは、米国カリフォルニア州サンマテオに本部を置くフランクリン・リソーシズ・インクおよび傘下の子会社で構成されたグローバルな資産運用会社グループです。当グループは75年以上の資産運用経験を持ち、世界の主要な金融市場を含む35ヵ国以上に拠点を構え、150ヵ国以上のお客様にサービスを提供しています。長い歴史の中で、数々の専門性の高い運用マネジャーを傘下に迎え、運用ケイパビリティを拡充することで、株式、債券、マルチアセット・ソリューション、オルタナティブの分野の卓越した専門性と運用戦略へのアクセスを可能にしてきました。世界中に1,500人以上の運用プロフェッショナルを擁するフランクリン・テンプルトンという1つのブランドを通じて、世界中のお客様の幅広いニーズに応じたカスタマイズ・ソリューションを提供しています。2025年12月末日現在の運用総資産は約1.68兆米ドル(約263兆円)※1です。
フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社について
フランクリン・テンプルトンの日本法人であるフランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社は、1996年の日本進出以来、日本の投資家の皆様の資産運用ニーズに応じた運用商品やサービスを提供し、ひたむきに前進してきたことを誇りとしています。今後もフランクリン・テンプルトン・ジャパンは、グローバルな資産運用会社として、25年以上にわたる日本での事業経験から得たノウハウを活かし、日本の投資家の皆様の長期的な資産形成に貢献することを目指すとともに、お客様との長期的な信頼関係を築いてまいります。詳細については、https://www.franklintempleton.co.jp/ をご覧ください。
※1 1米ドル=156.56円で換算。
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当資料は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社(以下「当社」)が当社および当社のグループ会社(フランクリン・リソーシズ・インクとその傘下の関連会社を含みます。)の説明資料として作成したものであり、特定の金融商品等の推奨や勧誘を目的とするものではありません。
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