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VeritasChain、VCP v1.0の現場実証(PoC)を完了。AI取引システムの意思決定を「後から検証可能」にする技術仕様、オープンソースで公開。

改ざん検知・暗号学的検証が可能な監査証跡の参照実装「VCP-RTA」をGitHubで無償公開。

VeritasChain株式会社のプレスリリース

検証成功画像

VeritasChain Standards Organization(以下、VSO)は本日、VCP v1.0の現場実証を完了し、AI駆動型取引システムが生成する監査証跡を暗号学的に検証可能にするための参照実装「VCP Reference Trading Agent(VCP-RTA)」をオープンソースで公開しました。

GitHub: https://github.com/veritaschain/vcp-rta-reference

背景:AI取引の「ブラックボックス問題」 

AIおよびアルゴリズム取引システムが金融市場に与える影響は年々拡大していますが、その内部での意思決定プロセスは不透明なまま残されることが多く、事後的な監査が困難という課題があります。

VCP-RTAは、こうしたシステムが「いつ、どのような判断を下し、どう執行したか」を、システム運用者を信頼することなく第三者が独立して検証できる形式で記録する方法を示すものです。

技術概要 

VCP-RTAの中核は、取引ライフサイクル全体を記録する構造化イベントチェーンです。

  • 記録対象:AIコンセンサスシグナル生成 → 注文送信 → ブローカー応答 → 約定 → ポジションクローズ

  • 暗号技術:SHA-256ハッシュチェーン + Ed25519デジタル署名

  • 検証方式:マークルツリーによる効率的な整合性検証、外部タイムスタンプへのアンカリング対応

 

各イベントは暗号学的に連結され、改ざん・削除・並べ替えがあれば即座に検知されます。署名検証用の公開鍵はエビデンスパックに同梱されており、第三者による独立した検証が可能です。

改ざん検知デモ 

公開されたエビデンスパックには、ログから1行を削除するだけで検証が失敗し、不整合箇所が特定されることを示す自動デモンストレーションが含まれています。すべての検証手順は標準的なツールを用いてオフラインで実行可能であり、「Verify, Don’t Trust(信頼するな、検証せよ)」というプロトコルの基本原則を体現しています。

AIガバナンス透明性 

VCP-RTAは、各シグナルイベントにおいて複数のAIモデルからのコンセンサス入力(方向性判断と確信度)を記録し、AI駆動型意思決定がどのように形成されたかの監査可能な記録を保持します。

アカウント識別子や約定価格などの機密情報は、公開版では匿名化または合成データに置き換えられていますが、構造的・暗号学的な整合性は完全に維持されています。

重要な免責事項 

VCP-RTAは製品、認証、またはコンプライアンス判定ではありません。 

VCPの実装方法を示すための教育的・技術的参照資料としてのみ提供されます。取引パフォーマンス、規制当局の承認、またはライブ市場での運用に関するいかなる主張も行いません。

公開内容 

GitHubで公開されるエビデンスパックには以下が含まれます。

  •  サンプルログ(150イベント、30取引サイクル) 

  • 検証スクリプト(Python、外部依存なし)

  • 改ざん検知デモンストレーション

  • マークルルートアンカリング

  • Ed25519デジタル署名と公開鍵

  • 実行環境仕様

VSOの目指すもの 

VSOは、規制当局、監査法人、金融機関、開発者に対し、検証可能なAI監査可能性が実際のシステムでどのように実現できるかの具体的で検査可能な例を提供することを目指しています。

AI駆動型金融インフラへの信頼構築と、トレーサビリティ・説明責任・事後検証に関する新たな規制要件への対応において、実践的で透明性の高い参照実装が不可欠であると考えています。


リポジトリURL 

GitHub: https://github.com/veritaschain/vcp-rta-reference


 関連情報

VCP仕様書: https://github.com/veritaschain/vcp-spec

VSO公式サイト: https://veritaschain.org

本件に関するお問い合わせ 

VeritasChain Standards Organization
Email: press@veritaschain.org

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