– 60年の金融ナレッジとオンプレミス生成AIの融合で、ハルシネーション・情報漏洩リスクを解消 –
株式会社Ippu Senkinのプレスリリース
株式会社Ippu Senkin(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:鈴木 秀弥、以下「Ippu Senkin」)は、株式会社銀行研修社(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:星野 広友、以下「銀行研修社」)と協業し、金融機関向けオンプレミス型生成AIソリューション「金融特化型Local-Chat AI powered by 銀行研修社」の提供を2025年12月より開始いたします。本ソリューションは、銀行研修社が60年以上にわたり蓄積してきた金融実務ナレッジをデータベース化し、Ippu Senkinのオンプレミス生成AI基盤に搭載することで、金融機関における生成AI活用の3大課題である「ハルシネーション」、「情報漏洩リスク」、「コスト負担」を同時に解消します。
本ソリューション開発の背景
金融機関において、生成AIの業務活用への期待が高まる一方、導入に際しては以下の課題が指摘されてきました。
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情報漏洩リスク:クラウド型AIサービスでは、機密情報や顧客情報が外部サーバーを経由するため、社内規定上利用が制限されるケースが多い
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ハルシネーション:生成AIが事実に基づかない情報を、もっともらしく出力してしまう現象。汎用型AIは金融業界特有の法規制や実務慣行を十分に理解しておらず、誤った回答を生成するリスクがある
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コスト負担:アカウント単位の従量課金体系では、全社展開時のコストが膨大になる
これらの課題を解決し、金融機関が安心・安全に生成AIを活用できる環境を提供するため、Ippu Senkinと銀行研修社は本ソリューションの共同開発に至りました。
Ippu Senkin代表の鈴木は、銀行研修社が発行する金融専門誌『銀行実務』への寄稿を通じて、金融機関における生成AI活用のあり方を発信してきました。こうした継続的な知見交流を経て、両社の強みを活かした本協業が実現しました。
ソリューション概要
「金融特化型Local-Chat AI powered by 銀行研修社」は、完全オンプレミス環境で稼働する生成AIチャットシステムに、銀行研修社の権威ある金融専門コンテンツを搭載したソリューションです。汎用型AIでは対応が難しい金融実務に即した回答を、外部ネットワークに接続することなく安全に生成します。
主な特長
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完全オンプレミス対応 ─ インターネット接続なしで利用可能
専用GPUサーバーを社内ネットワーク内に構築し、インターネット等の外部接続を一切行いません。機密情報や顧客情報を含むプロンプトを入力しても、データが外部に流出することはありません。また、社内ネットワークで完結するため、インターネット接続が無い業務端末からでも職員全員が本ソリューションにアクセス可能です。 -
銀行研修社60年のナレッジ搭載 ─ ハルシネーション抑制
銀行研修社が長年にわたり提供してきた金融実務コンテンツをデータベース化し、RAG(検索拡張生成)技術により生成AIに搭載。コンプライアンス、融資審査、事業性評価など、金融実務に即した正確な回答を実現します。
<搭載予定コンテンツ例> ※今後拡充予定
・コンプライアンスのための金融取引ルールブック(249項目の金融取引ルールを網羅)
・業種別融資取引推進ガイド(事業性評価に有効な業種別情報) -
定額使い放題 ─ 全社展開でもコストメリット
従量課金なしの定額制を採用。利用量を気にすることなく、幅広い業務で生成AIを活用できます。 -
最新オープンソースモデル対応 ─ 高い回答精度を実現
OpenAIが公開した最新のオープンソースモデル「gpt-oss-120B」等に対応しており、OpenAI o4-miniに匹敵する推論性能を発揮。高精度な生成AIソリューションをオンプレミス環境で実現します。
想定ユースケース
本ソリューションは、銀行研修社の専門コンテンツを活用した金融特化の用途に加え、日常業務についても、生成AIを活かした幅広い支援が可能です。例えば以下のような活用方法が挙げられます。
<金融ナレッジを活用>
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コンプライアンスチェック:日常業務における法令遵守事項や社内規定の即時確認
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融資審査支援:業種別の審査ポイント、取引先の企業価値や事業性評価に必要な情報の参照
<日常業務を効率化>
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文書要約・情報抽出:契約書、稟議書、報告書等の長文ドキュメントを要点整理
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財務分析:決算書に基づく企業の収益性・安全性の評価、財務課題の洗い出し
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資料作成補助:提案書・報告書のドラフト作成、文章の校正・ブラッシュアップ
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業務フロー可視化:業務手順の説明からフローチャートを自動生成ユースケース例:金融取引ルールブックを踏まえたコンプライアンスチェック
両社コメント
銀行研修社 代表取締役社長 星野 広友 氏
金融業界におけるAI活用の進展は、もはや一過性の潮流ではなく、不可逆的な変革の真っ只中にあると認識しています。今後、金融業務のあらゆる場面でAIが不可欠なパートナーとなることは疑いようがありません。
当社は創業以来、一貫して「実務」の視点を重視したコンテンツの編纂に邁進してまいりました。複雑な法制度を現場での具体的な行動レベルへと落とし込むこと、あるいは熟練者の頭の中にあった属人的なノウハウを言語化することを強みとしてきました。
生成AI時代の到来を受け、私たちが蓄積してきたこの膨大な「実務知」をRAG(検索拡張生成)技術と融合させることで、その付加価値は劇的に向上するという確信に至りました。過去の知見を単に参照するだけでなく、AIが文脈を汲み取り、即座に実務へ適用可能な回答を導き出すことが、現場が真に求めていたDXの姿であると考えます。
この度、金融機関の皆さまが最も懸念される「情報の機密性」という課題に対し、Ippu Senkin社さまとの協業によって「完全オンプレミス環境=外部接続なし」という回答をご用意することができました。当社の「実務知」とIppu Senkin社さまの技術力が結実したこの新ソリューションが、金融業界の次代を切り拓く一助となることを確信しております。
Ippu Senkin 代表取締役社長CEO 鈴木 秀弥
この度、金融業界で60年以上の歴史を持つ銀行研修社様と協業し、金融特化型の生成AIソリューションを提供できることを大変光栄に思います。当社は創業以来、金融機関向けのAIソリューション開発に注力し、オンプレミス環境における生成AI導入で多くの実績を積んでまいりました。汎用型AIでは防ぎ切れないハルシネーションのリスクを、銀行研修社様の権威あるコンテンツを搭載することで大幅に低減しました。完全オンプレミス環境との組み合わせにより、金融機関の皆さまが安心して生成AIを業務に活用いただける基盤を提供いたします。今後も金融業界に深く根差したパートナーとして、DX推進に貢献してまいります。
今後の展望
両社は、本ソリューションを通じて金融機関における生成AI活用の裾野を広げ、業務効率化と職員の生産性向上に貢献してまいります。提供開始後は、導入金融機関との対話を通じて搭載コンテンツの拡充を進めるとともに、金融実務の現場で真に役立つソリューションへと継続的に進化させてまいります。
株式会社銀行研修社について
株式会社銀行研修社は、1963年の創業以来、金融機関向けの書籍・雑誌出版、通信教育、検定試験を通じて、金融人材の育成に貢献してきました。月刊誌『銀行実務』をはじめ、コンプライアンス、融資、財務分析など幅広い分野の専門コンテンツを提供しています。
会社名:株式会社銀行研修社
代表者:代表取締役社長 星野 広友
所在地:東京都豊島区北大塚3-10-5
URL:https://www.ginken.jp/
株式会社Ippu Senkinについて
株式会社Ippu Senkinは、クライアント企業のビジネス効率や収益向上を目指し、AIアプリケーション開発およびAI活用支援コンサルティング事業を提供しています。特に、生成AIを用いた高度な業務プロセスの支援や、AI・データ戦略の策定、さらには内製化を含む人材育成まで、包括的なサービスを通じて支援します。
会社名:株式会社Ippu Senkin
設立日:2024年5⽉1⽇
代表者:代表取締役社長 CEO 鈴木 秀弥
所在地:東京都中央区銀座8丁目14-9 デュープレックス銀座タワー8/14 701
URL:https://ippu-senkin.com/

