フィングループ株式会社社長、 一般社団法人日本海外投資家協会事務局局長神月陸見氏の インタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開

人民日報海外版日本月刊のプレスリリース

華僑の同胞たちとともに豊かな未来を作る

『人民日報海外版日本月刊』は、フィングループ株式会社社長、一般社団法人日本海外投資家協会事務局局長 神月陸見氏のインタビュー記事を公開しました。

神月陸見氏

百万人を超える華僑の人々は、胸に溢れんばかりの経済的エネルギーを秘めている。近年、「ブランドの海外進出」や「創新創業」の大きな波が押し寄せる中、国際市場における華僑や華人、そして彼らの企業の影響力はますます大きくなっている。
資産の管理や運用が注目を集める昨今、本誌はフィングループ株式会社社長であり、一般社団法人日本海外投資家協会事務局局長でもある神月陸見氏にインタビューを行った。氏は豊かな暮らしと素晴らしい未来を築くための秘訣について快く語ってくれた。

■華僑・華人とともに切り開く富への道
金融取引における最大の課題は契約に集約される。資産管理や資金調達の自主性と安全性を確保するには、信頼性やわかりやすさ、契約の誠実な履行という土台があってこそ、金融市場や大多数の投資家から支持される。その点で、フィングループの完全子会社である株式会社トレードイノベーションは、日本の金融庁から「金融商品取引業者」の認定を受けた金融サービス機関として、フィングループのトロイカの一つを担っている。
モルガン・スタンレーやシンガポール銀行といった世界的に名高い金融機関が認めた提携先として、フィングループは世界中の主要な金融市場規制当局の政策や、主な金融市場の動向についてリアルタイムに注意を払っている。その上で、株式や株価指数、外国為替、貴金属、大口の商品、ETFs(上場投資信託)、先物などの金融商品に関する分析を提供し、投資家の異なる資産状況や家族構成に応じて、手数料体系や投資計画をフレキシブルに提案する。
華人の興した企業が、長い歴史を持ち、かつ慎重な日本の金融市場に打って出るとなれば、どれほど懐疑的な眼差しを浴びたかは想像に難くない。株式会社トレードイノベーションの買収について、「山あり谷あり、紆余曲折で、長編小説でも語り尽くせません」と笑顔で語ってくれたが、その言葉の裏には、酸いも甘いもかみわけて、昼夜を問わず駆け抜けてきた起業家としての軌跡があるにちがいない。
フィングループが東京で産声を上げたとき、神月陸見氏は事の細大を問わず、すべてを自らの手でこなしたという。日本に住む同胞たちが抱く「より良い暮らしをしたい」という素朴な夢、それを大切にしたいと考えた神月氏は、手間を惜しまず、日頃から使うわかりやすい言葉で金融に関する知識を一から論理的に説明した。金融に対する誤解を解くために、予定していた30分の電話が一時間、時には二時間になることも珍しくなかった。そして、このときに相談をした華僑や華人が、のちにはフィングループを最も信頼してくれる顧客となったのである。
その後、フィングループは中国と日本の両国で著名な資産家だけでなく、アメリカのCFA(Chartered Financial Analyst)有資格者や日本の外務員、金融コンプライアンス・オフィサー、あるいはアメリカのファイナンシャルリスクマネージャー有資格者、PMP(Project Management Professional)有資格者といった業界の精鋭たちを惹きつけるに至る。社員の一人ひとりが専門の職能だけでなく多彩な才能を持っていることは、ベンチャー企業としてチームを構成するための基本的条件であろう。フィングループの社員たちは、データサービス、財務分析、デジタル技術といった分野で専門的な知識を持っているだけでなく、三ないし四種類の言語を操ることが求められる。それは言い換えれば、中国と日本以外の第三国に住んでいたことがあるということである。なんとなればその経験は、主要な国際金融市場の投資における心理的な動向やその国の金融政策の理解に繋がるからである。
こうした高次元から国際金融市場を俯瞰していた若者たちは、それぞれが神月陸見氏の理念に共感を覚え、フィングループのスタートアップチームとして駆けつけて来た。ボトルネックが見つかったときは互いに励まし合いながら、個人的な権利や利益は進んで手放し、ともに手を携えて難局に立ち向かった。経営がどんどん拡大するなかで、神月氏が一人ひとりの顧客に対して電話で相談に乗ることはほとんど不可能となってきた。いまではチームのメンバーが懇切丁寧な投資コンサルティングサービスを24時間体制でおこない、好評を博しつつアクティブユーザーを増やしている。
投資コンサルティングは、最も多くの人に喜ばれる業務だと言えよう。たとえば、日本在住のある会社役員は株取引をすること十数年、その間、Kチャートや財務報告書の研究に余念がなかったが、インフレ率を合わせると、結局のところは損をするだけであった。しかし、フィングループのアドバイスを得てからは、わずか一年で四千万円以上の収益が出たという。そのずっしりと重みある数字に、その顧客は「餅は餅屋」という言葉の意味をしみじみと感じたのであった。
日経平均株価は2020年3月から高騰を続け、2024年初頭にはバブル期の最高値を更新すると、4万円台をキープする勢いを見せ、世界の投資家からも熱い視線を集めた。その一方、神月陸見氏の見方はきわめて冷静で、トレンドに盲従する、迷信的な短期運用に走る、あるいは内部情報を鵜呑みにするといったやり方には慎重であるべきだという。

■「中国製造」の国際市場進出を支援
国家の経済と人々の生活、あるいはエネルギー安全保障といった分野に目を向けると、いかなる国や地域においても厳しい制限や制約が課されるものである。日本のある中国企業は、エネルギー分野で多年にわたる顧客深耕を進め、同業他社や地域社会からも深い信頼を勝ち得ていた。その企業は土地利用の資格のみならず、九州で複数の太陽光発電所を建設する許可や、オングリッド消費の設計施工を可能とする条件までそろえていた。それだけでもこの企業の技術力や経営状況の一斑を知ることができるであろう。しかしながら、そのような企業であっても自前の蓄電所を立てるにはあいにく資金が足りなかった。経営陣はそこで行き詰まったものの、そのときに思い出したのが華僑企業のための金融機関――フィングループの存在である。
日本の金融機関とも良好な信頼関係を築いているフィングループなら、きわめて手厚い資金援助を引き出すことができる。日本における蓄電産業の先行き、政府の政策の方向性、この企業の技術力と研究開発力、さらには債務の返還能力まで全方面から考えた結果、フィングループは融資を確保することを決定した。すると、ある東京の大手銀行が、同社が初めて開発した太陽光発電所の建設に出資しただけでなく、今後計画している八基の発電所の建設に対しても全面的に出資する運びとなったのである。
フィングループは、業界でも名高い日本の株式会社が開発した管理システムを利用して、ユーザーのプライバシーと口座情報を金庫に入れるかのごとく安全に管理しているほか、台湾製のクラウドデータプラットフォームによってデータ解析やリスク測定、パーソナライズドされたサービスを提供している。「海外に住む華僑のために特化された金融チーム」、それが、創業から現在に至るまで世界に向けたフィングループの旗印なのである。したがって、華僑や華人で財テク、投資、スタートアップ、融資などに困ったなら、そのときは「フィングループにご一報ください!」とのことである。
たしかに、日本の銀行は融資の利率が非常に低いが、神月陸見氏は融資を受ける者に釘を刺すことを忘れない。「もし持続的に発展可能な経営計画がないのなら、もし新たな経済成長を促すための技術やサービスがないのなら、利率が低いからという理由でむやみに融資を受けようとするのはくれぐれも止めたほうがいい」。改革開放後、スピーディーに発展するチャンスがいくらでもあった中国とは異なり、「失われた30年」を経験している日本は経済構造が安定に向かっているため、時代の変革という節目を見つけるのがきわめて難しく、それはすなわち急激に富を成すことの難しさをも意味しているからである。

■日本経済の粘り強さ
起業の候補地として、当初はシンガポール・オーストラリア・日本という三つの選択肢があった。そのなかで神月陸見氏は何ら躊躇することなく、チームを集めるところからはじめる必要がある唯一の国――日本を選んだ。日本をマーケットに選んだ理由、それは2009年、彼女が自ら経験したあることにまで遡る。
その当時、グローバル経済はリーマンショックの泥沼に引きずり込まれ、それは日本も例外ではなかった。急激な景気の冷え込みを感じ取った神月陸見氏は思い切って計画を改め、大阪行きの夜行バスの切符を握りしめて東京をあとにした。そして大阪で順調に仕事を見つけ、業界における人脈を作り、実務経験を積み上げるに至る。絶体絶命の窮地から反撃に転ずるこの劇的な経験により、彼女は幸運にも日本経済の弾力的な回復を目の当たりにすることができた。そればかりか、より深い次元でこの国の経済制度と政策を理解することにもつながり、それはまた、のちに日本で起業するための臨機応変さを身につける経験ともなった。
神月陸見氏は日本経済に対して長期的には明るい見通しを持っているが、そうした見方は、日本の経済産業省の調査データや世界中の投資家の熱意からも見て取れる。2024年3月、コロナウイルスの蔓延によって中断されていた第3回アジア富裕層資産管理フォーラムが、東京で無事開催された。前二回はそれぞれ中国の香港、台湾で開催されたが、この第3回では、日本市場に関心を持つ海外の投資家たちによって、情報の同期、リソースの共有といった緊密な協力体制を形作るために、会の総意として一つの組織を作る必要があるであろうと提案された。そして2024年7月、このフォーラムに参加したゲストたちが中核となる、一般社団法人日本海外投資家協会が正式に登録された。
フィングループの子会社であるFinClubも加わったことで、日本海外投資家協会の会員数は12,000人を超えるまでになった。会員になると、トップレベルによる特別講座や特選セミナー、投資サロン、ライブ配信などに参加できるだけでなく、マンツーマンのコンサルティングを受けることもできる。11月30日には、数か月にも及ぶ下準備を経て、日本在住のエコノミスト陳満咲杜氏を第一期のゲストスピーカーに迎える「フィングループ特別対談」シリーズの幕が切って落とされたが、現場の反響たるや、それは熱烈なものであった。
株式会社トレードイノベーションの買収、「The 3%メディア」の創設、日本海外投資家協会の設立、これらによりフィングループはいよいよ万端の態勢を整えたことになる。先ごろ設置された西日本事業部は、これまで華僑や華人のあいだで築き上げた評価と確固たる実力を背景に、関西における知名度を順調に高め、華僑社会でも誰もが知る存在として信頼を獲得した。さらに、名古屋と福岡の事務所がいままさに準備中であるという。
日本全域をカバーする体制を整えたあと、フィングループはプライマリマーケットに参入する。イノベーションを創造する力があり、もっと成長したいと希求する中国人ビジネスマンと企業のために、より安全で効率のよい資金調達、生産力向上、市場開拓といった面でサポートとサービスを提供しようというのである。それと同時に、投資家たちにしてみれば、フィングループが築き上げてきた優良な会員資源は、新たな株式の販売や資金調達にとって良好な基盤を築くことにもつながるであろう。この点においても、フィングループには信ずるに足る理由がある。

■取材後記
インタビューが終わりに近づくにつれ、話題は気軽なものへと移っていった。神月陸見氏は復旦大学大学院で金融学を専攻するとともに、哲学修士の学位も取得している。哲学を学んだことが個人の世界観や価値観にどのような影響を与えたのか。
「金融を深く理解すれば、向こう50年の経済の動向を読み取ることができます。そして、哲学を学べば、向こう500年の発展の道筋を見通せるのです」。神月氏は、恩師の言葉を引用しながら、ユーモアを交えてこう語った。
記者はこの言葉をこう理解した。一時の損得に左右されないプロフェッショナリズムと、時代の変化を見極める力。それこそが投資家の信頼を勝ち取り、急速に業界で頭角を現し、なお成長を続ける金融サービス機関の成功の鍵であるに違いない。