J.D. パワー 2024年米国個人資産運用デジタル・エクスペリエンス顧客満足度調査℠

個人投資家の期待は、モバイルアプリやウェブサイトのパーソナライズ化

株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパンのプレスリリース

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間11月21日に、J.D. Power 2024 U.S. Wealth Management Digital Experience Study℠(J.D. パワー 2024年米国個人資産運用デジタル・エクスペリエンス顧客満足度調査℠)の結果を発表した。

本調査は、年に1回、フルサービス型*¹(Full Service)と自己決定型*²(Self-Directed)の個人投資家を対象に、個人資産運用モバイルアプリとウェブサイトを含むデジタルチャネルに対する満足度を測定している。

*¹ 専任のファイナンシャル・アドバイザーやチームでの対応・アドバイスを受けることが可能な個人向け資産運用サービス。

*² 専任のファイナンシャル・アドバイザーを持たない投資家向けの資産運用サービス。必要に応じてアドバイスを受けることが可能な「ハイブリッド型」とファイナンシャル・アドバイスを受けない「セルフサービス型」がある。

個人投資家の顧客体験に対する期待が、取引や商品主導から、よりパーソナライズ化されたエンゲージメントへと進化し続ける中、モバイルアプリやウェブサイトは重要な顧客接点となっている。

本調査によると、これまで以上に多くの顧客が、資産運用会社が提供するデジタルチャネルから、個人の財務目標を達成するためのパーソナライズ化されたガイダンスを期待するようになっている。多くの資産運用会社が顧客の基本的なニーズは満たしているものの、他社との差別化を図るための、よりパーソナライズ化されたデジタル体験を構築するまでにはまだ長い道のりがある。

2024年調査の主なポイントは以下の通り:

基本的なデジタル機能を超える

フルサービス型のモバイルアプリで70%、フルサービス型のウェブサイトで75%、自己決定型のモバイルアプリで73%、自己決定型のウェブサイトで76%と、いずれも7割以上の顧客が、資産運用会社が提供するモバイルアプリやウェブサイトに対し、洗練されたモダンな印象を与え、情報を論理的に整理し、基本的な機能を提供していることを認めている。

しかし、真に価値あるデジタル体験を提供することとなると、この数字は急激に低下する。例えば、積極的なガイダンス、財務目標の設定機能、財務目標達成の支援など、価値あるユーザー体験を提供しているのは、フルサービス型アプリのわずか18%、自己決定型アプリの14%にとどまる。

パーソナライズ化されたガイダンスを期待する顧客の増加

自己決定型の顧客の44%が、資産運用会社のウェブサイトやアプリが財務目標の達成に役立つことに期待していると答えた。この割合は前回調査(2023年12月発表)の40%から44%に増加している。これらのツールを「強く」求める顧客のうち、30%は資産運用会社がこの要望にまだ応えていないとしている。また、これらのツールを「ある程度」求める顧客の間では80%近くまで上昇していることも注目に値する。

デジタル体験が基本を上回った時に総合満足度は大幅に上昇

ウェブサイトやモバイルアプリが、標準的な水準を上回り、重要な基準を満たしている場合、総合満足度のスコアは、フルサービス型と自己決定型共に大幅に高くなる。顧客が「標準的な体験」と「必要なガイダンスを見つけやすい体験」の両方を達成していると回答した場合、100ポイント(1,000ポイント満点)以上高くなる。顧客によると、最上位の階層にいるような真に差別化された顧客体験が実現される。

データの安全性は極めて重要

総合満足度スコアは、データの安全性に対する顧客の認識に大きく影響される。顧客が個人情報の安全性に懸念を持つ場合、総合満足度は、フルサービス型で147ポイント、自己決定型では145ポイントの低下となる。

J.D. パワー エグゼクティブ・マネージング・ディレクター兼ウェルス&レンディング・インテリジェンス部門 部門長 クレイグ・マーティンのコメント

「個人投資家向けのモバイルアプリやウェブサイトの大半は、必要なデザイン美学とコア機能を備えた、基本的なデジタル顧客体験を提供している。このレベルでサービスを提供することは最低限のしきい値であるが、そのハードルは急速に上がっている。このレベルに付いていくことができなければ、企業は成長を促進するうえで不利になる。先進的な企業は、積極的でパーソナライズ化されたガイダンスやツールを提供し、ファイナンシャル・プランの確立や投資家の目標達成を支援するツールへの注目が高まる中、真に価値ある体験を提供している。多くの会社がプランニングや関連ツールへの注力を強める一方で、顧客が期待すると言われている高次の価値を提供するデジタル・エクスペリエンスを提供することに苦戦している。」

J.D. パワー デジタル・ソリューション部門 シニアディレクター ジョン・サンドバーグのコメント

「手数料無料の取引を提供し、顧客体験の基本的な部分の多くがブランドごとに類似している世界では、デジタル体験の差別化が重要になってきている。デジタルに対する顧客の期待の高まりに応えるための最短の道は、顧客一人ひとりのニーズや目標を考慮し、真にパーソナライズされたエンゲージメントを提供することである。」

顧客満足度ランキング

【フルサービス型(Full Service)部門】

第1位:J.P. Morgan Wealth Management(J.P. モルガン・ウェルス・マネジメント)(843ポイント)

第2位:U.S. Bank(USバンク)(817ポイント)

第3位:Wells Fargo Advisors(ウェルズ・ファーゴ・アドバイザーズ)(805ポイント)

【自己決定型(Self-Directed)部門】

第1位:J.P. Morgan Wealth Management(J.P. モルガン・ウェルス・マネジメント)(783ポイント)

2年連続の総合満足度第1位

第2位:Stash(スタッシュ)(751ポイント)

第3位:Robinhood(ロビンフッド)(749ポイント)

《J.D. パワー 2024年米国個人資産運用デジタル・エクスペリエンス顧客満足度調査℠概要》

年に1回、フルサービス型と自己決定型の個人投資家を対象に、個人資産運用モバイルアプリとウェブサイトを含むデジタルチャネルに対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で6回目の実施となる。

■実施期間:2024年6月~8月 
■調査方法:インターネット調査

■調査対象:フルサービス型個人投資家と自己決定型個人投資家 
■調査回答者数:5,871人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。

【フルサービス型部門】

モバイルアプリ:「情報・内容のわかりやすさ」(28%)、「モバイルアプリの見やすさ」(27%)、「操作のしやすさ」(24%)、「読み込みの速さ」(21%)

ウェブサイト:「情報・内容のわかりやすさ」(28%)、「読み込みの速さ」(27%)、「ウェブサイトの見やすさ」(22%)、「操作のしやすさ」(22%)

【自己決定型部門】

モバイルアプリ:「情報・内容のわかりやすさ」(27%)、「読み込みの速さ」(26%)、「モバイルアプリの見やすさ」(24%)、「操作のしやすさ」(23%)

ウェブサイト:「情報・内容のわかりやすさ」(33%)、「ウェブサイトの見やすさ」(23%)、「操作のしやすさ」(22%)、「読み込みの速さ」(22%)

*本報道資料は、現地時間2024年11月21日に米国で発表されたリリースを要約したものです。

原文リリースはこちら

https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-us-wealth-management-digital-experience-study

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:

米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。

J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。