ソラミツ、パラオ国ブロックチェーン貯蓄国債システムの実証事業開始

プロトタイプシステム公開の記念セレモニーが開催

ソラミツ株式会社のプレスリリース

ソラミツ株式会社(代表取締役社長:宮沢和正、本社:東京都渋谷区、以下ソラミツ)は、経済産業省が実施する「令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)に関わる間接補助事業」に採択されました。

カンボジア、ラオス、ソロモン、フィジーなどに続き、アジア大洋州国のパラオにおいて、貯蓄国債(Savings bonds)の発行・管理・運営システムのプロトタイプが稼働し実証事業を開始しました。

9月30日には、パラオの独立記念日に合わせてプロトタイプシステム公開の記念セレモニーが開始され、パラオ大統領、パラオ財務大臣、在パラオ日本大使、内閣官房、ソラミツなどが式典に参加しました。

今後の本番稼働に向けて実証事業を継続し、貯蓄国債の商品設計、運用設計、システムの改善などを実施します。

カンボジアでは2020年よりブロックチェーン技術を利用した決済システムの導入行い、ラオスにおいては独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」)の支援を受けてCBDCの導入に関する基礎調査及び実証実験を行いました。2023年度は、ベトナム、インドネシア、フィジー、ソロモン諸島のCBDCの導入による金融システムの高度化・クロスボーダー決済の改善に向けた調査を行いました。2023年11月にはソロモン諸島においてCBDCの実証実験を行いました。さらに今年度はパラオの貯蓄国債およびパプアニューギニアのCBCDの実証事業を行っています。

今回はソラミツが開発したブロックチェーン技術(Hyperledger Iroha)を活用して、パラオでは同国政府の財務省の要請に基づき貯蓄国債システム及びそのアプリケーションのプロトタイプが完成し9月30日より実証事業を開始しました。パラオは現地通貨としてU Sドルが流通しており、米国の銀行が預金として住民の資金を運用しています。その資金の90%はパラオの経済成長やインフラ整備などに利用されず、米国本土で運用されている状況です。その状況を改善すべく、パラオ財務省は貯蓄国債を発行しパラオ住民の資金を活用し、国家財政の調達方法の多様化を図り、同国の経済成長や橋、道路、公共施設等のインフラ投資に活用したいと計画しており、そのためのプロジェクト支援を行います。

9月30日には、パラオの10月1日の独立記念日に合わせて、プロトタイプシステム公開のセレモニーが開始され、スランゲル・ウィップス・ジュニア パラオ大統領、カレブ・ウドゥイ財務大臣、在パラオ折笠弘維日本大使、内閣官房副長官補付 西潟暢央内閣参次官、ソラミツ 武宮誠CEO他の関係者が式典に参加し、スピーチを行いました。また式典の参加者は、貯蓄国債アプリをダウンロードして資金の移動や貯蓄国債の購入などのデモンストレーションに参加しました。

パラオ大統領は、「この式典は、新しい公的債務手段の導入だけでなく、これらの投資を現代的でアクセスしやすい方法で促進するデジタルプラットフォームの発表によって、パラオの金融セクターの発展における重要な転機となります。貯蓄国債の導入により、私たちは戦略的に転換し、公債ポートフォリオを多様化し、重要なインフラプロジェクトを国内で資金調達できるようにします。この動きは、経済的自立に向けた私たちの道のりの新たな前進を表しています。」と発言しました。

パラオ財務大臣は、「本日の実証事業開始は、金融包摂とイノベーションを促進するための当省の幅広い取り組みにおける重要な節目となります。財務省の目標の 1 つは、常にさまざまな金融ツールへのアクセスを拡大し、より多くの国民が国の発展に投資できるようにすることです。このデジタル貯蓄国債プラットフォームは、金融システムを強化し、すべてのパラオ国民の投資機会へのアクセスを改善する継続的な取り組みを含む、より大規模な取り組みの一部です。パラオ初のデジタル投資プラットフォームの一部であるこのシステムは、国民と金融商品を結びつける方法の飛躍的な進歩を表しています。」と発言しました。

スランゲル・ウィップス・ジュニア パラオ大統領、カレブ・ウドゥイ財務大臣
在パラオ 折笠弘維日本大使、内閣官房副長官補付 西潟暢央内閣参次官

今後は、パラオの財務省や金融機関などと貯蓄国債システムの実証事業および詳細検討を継続し、日本の財務省やシンクタンクなどとの検討を重ねて貯蓄国債の商品設計、運用設計、システム改善などを実施し、パラオにおける貯蓄国債システムの早期の本番稼働を目指します。

パラオ国、ブロックチェーン貯蓄国債発行管理システム

■    ソラミツ株式会社について

 

ソラミツは、ブロックチェーンの技術開発、デジタル資産管理、アイデンティティ、トレーサビリティに関するソリューションを提供する専門知識を持つ日本のフィンテック企業です。ブロックチェーン技術を活用し産業にイノベーションを起こし社会課題を解決する事をミッションとしています。

ソラミツは、企業や金融機関によるデジタル資産管理やアイデンテティ管理に最適なオープンソースのコンソーシアム型ブロックチェーン・プラットフォーム「ハイパーレジャーいろは」の元々の開発者であり主要な開発貢献者です。現在 「ハイパーレジャーいろは」は、The Linux FoundationのHyperledger Projectの一部になっています。

 

ソラミツは、これまでにブロックチェーン技術を活用し、カンボジア国立銀行の決済システム「バコン」、福島県会津若松市の会津大学内の学内通貨システム、インドネシアBCA銀行の本人確認システムのプロトタイプなどを開発してまいりました。また、SORA 暗号資産エコシステム、 ポルカスワップDEX(分散型交換所)、DeFi(分散型金融)フィアレス・ウォレットなどのオープンソース・プロジェクトに積極的に貢献しています。

 

ソラミツは、これらの経験に基づいて最先端の金融技術をグローバルに展開し、世界の銀行口座を保有していない人々が簡単・安全に価値を移転できる仕組みを構築し、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献することを目指しています。