一般財団法人社会変革推進財団のプレスリリース
本事業では、機会格差、地域活性化における課題構造分析を行い、解決を目指す課題をそれぞれ「世代をまたいだ経済格差の拡大と固定化」、「地域の経済衰退とコミュニティ消失」と位置付け、2023年10月に公募を開始。約90社の応募に対して、書類選考及びオンラインによるプレゼン、現地視察も含めた面談を複数回経て、今回の決定を行いました。
本事業において、SIIFは、社会・環境課題の構造的な解決(システムチェンジ)を志向する投資家として、インパクト投資で確立しつつあるインパクト測定・マネジメントの実施に加え、課題の構造分析の深化と、課題解決のための変革仮説(Theory of Change:ToC)の改訂を進めています。今後は、今回決定した協働パートナー2社とともに課題の根治に必要なアクションを検討・実施するとともに、さらなる投資活動を通じて協働パートナーのネットワーク構築を進め、システムレベルの変化に向けた取り組みの実現を目指します。
また、すでにシステムチェンジ投資の概念整理、海外事例の調査研究を公開したシステムチェンジ・ライブラリを運営するSIIFのインパクト・エコノミー・ラボとも連携し、知見化を行い、システムチェンジ投資の普及・促進に努めてまいります。
世界のシステムチェンジの事例・実践知のコレクション システムチェンジ・ライブラリ
https://note.com/siif_pr/m/ma872b9be42ba
システムチェンジコレクティブ事業 システムチェンジを目指すSIIFの実践
https://www.siif.or.jp/social_agenda/
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<機会格差>
「親から子に経済格差が引き継がれ、世代を追うごとに格差が拡大していく」という社会課題の根は深く、その解決には起業家だけでなく投資家や専門家、大企業や公的機関などさまざまなプレーヤーが立場を超えて取り組む必要があると考えています。「格差の相続」の根本的な解決に繋がる10の項目を設定し、この領域でシステムレベルのイノベーションを目指します。
株式会社はたらクリエイト https://hatakuri.jp/
事業内容:
「仕事でしあわせになる」を経営理念に、長野県上田市・佐久市で本質的な女性活躍推進の実現に取り組んでいます。女性がキャリアを積みにくい地方特有の課題解決を目指し、キャリアを諦めなくてもいい組織づくりと、ライフステージの変化があっても継続できる事業開発を実施。グループ会社の株式会社TSクラウド(https://tscloud.co.jp/)と株式会社mojiwows(https://mojiwows.co.jp/)では、IT・デジタル分野を中心に、地方でもキャリア形成可能な事業展開に挑戦しています。
株式会社はたらクリエイト 代表取締役 井上 拓磨氏からのコメント:
日本社会は労働供給制約社会を迎えるにあたり、フルタイム前提の人材戦略に限界が生じています。その解決策の一つとして注目されているのが、女性活躍ですが、ライフステージが変化しても働き続けられる環境・制度が整っていないため、多くの女性がキャリアを諦めざるを得ない状況にあります。
当社は、会社設立以来、女性が子育てしながら働く課題に取り組んできました。さまざまな取り組みや制度を作り、働き続けられる環境を模索してきた結果、パートタイマーでも未経験から専門スキルを身につけ、社会で活躍できることを証明したと自負しています。こうした私たちの取り組みを全国に広げ、女性活躍に取り組む企業の増加に貢献していきたいと思います。
出資金額:
59,976,000円
株式会社はたらクリエイト決定の理由 SIIF事業部長 加藤有也:
地方において、女性が出産や育児・介護などのライフイベントでキャリア構築を断念せざるを得ない状況に追い込まれ、賃金格差の中に置かれるという課題の根本的な解決のため、あえて正社員雇用に繋がるキャリア形成に拘り、中長期的な就労能力の向上が見込めるIT領域等のスキル構築に人的投資を行う事業モデルには社会的価値があると判断しました。更にはたらクリエイトは、長野県上田エリア以外の事業者にも同じモデルの導入を支援したい意向があり、全国の課題当事者に変革をもたらす起点となる可能性があると考えました。
SIIFは、はたらクリエイトとの協働を通じ、女性の賃金格差という複雑で根深い課題領域で、深く広いインパクトを創出することで、キャリアに対する無意識の思い込みや偏見の変容をもたらす可能性を模索してまいります。
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社会変革推進財団(SIIF) https://www.siif.or.jp/
2013年より日本財団内においてインパクト投資に関する調査研究に着手し、日本財団から助成金を受けて、2017年社会的投資推進財団として設立されました。その後、2019年社会変革推進機構と合併し、社会変革推進財団となりました。GSG国内諮問委員会の設立や賛同メンバーの招集や、インパクト投資における提言書や現状を記した報告書の発行、金融庁との共催で金融機関等との勉強会の開催などインパクト投資の推進のための活動をしています。様々な社会課題が山積する日本において、自助・公助・共助の枠組みを超え、社会的・経済的な資源が循環する社会の実現を目指し活動をしています。