株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパンのプレスリリース
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、J.D. パワー 2024年個人資産運用顧客満足度調査℠の結果を発表した。
総合満足度は全ての部門で向上、過去最高に
新NISA制度のスタートにより個人投資家の資産運用への関心が高まる中、本年調査の総合満足度は全ての部門で前年調査(2023年7月発表)からの向上が見られ、満足度構造を変更した2017年以降、全ての部門で過去最高*¹ の結果となった。
ファクター別に見ると、「商品・サービス」ファクターは全国系銀行、ネット証券、スマホ専業証券、ネット銀行の4部門で10ポイント以上向上し、「口座情報」ファクターは全国系銀行、「手数料・金利」ファクターはネット証券で10ポイント以上の向上が見られた。また、「顧客対応(担当者)」ファクターが対面証券、全国系銀行どちらも10ポイント以上向上した。
なお、「顧客対応(コールセンター)」ファクターにおいては、対面証券、全国系銀行、ネット証券の3部門で満足度が低下した。NISAの制度改正や一部のネット証券の手数料無料化などにより、コールセンターへの照会件数が増加したことなどが背景にあると推察される。
*¹ スマホ専業証券は2021年の部門新設以降。ネット銀行は2020年に新形態銀行からネット銀行に部門変更を行った。
「老後の生活資金」の意識の高まりを背景に、主利用金融機関での運用額増額意向が全ての年代で向上
新NISA制度がスタートする中で、投資の目的として「老後の生活資金」が前年比7ポイント増加していることが確認された。この傾向は、若年層のみではなく、全年代で見られた。加えて、主利用金融機関での運用額増額意向についても全年代で高まっていることから、NISA制度改正の目的でもある、資産運用による「さらなる家計の安定的な資産形成」へ向けた、個人投資家の意識に変化が起きている様子が見られた。
銀証連携によるサービス提供はロイヤルティの醸成に有効
グループ会社や提携会社間の銀行口座・証券口座の連携サービス(銀証連携)は、資産運用において競合する金融機関との差別化を図るための重要な要素であると言える。本調査においてもグループ会社や提携会社間の連携サービスの利用を聴取しているが、口座連携している顧客は連携していない顧客に比べ満足度が高いことが確認される。
また口座連携をしている顧客は、継続意向や推奨意向も高い傾向が確認された。金融機関にとって、求められる制度的な要件への配慮は必要であるものの、銀証連携はロイヤルティ醸成においても有効な手段の一つと言える。
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント
「足許の動向の中では、若年層の取り込みは金融機関にとって重要なポイントである。新NISAにより最大1,800万円といった比較的大きな非課税限度枠と保有期限の無期限化といった制度改正があったことから、若年層においてはメインとなる金融機関一社に集中して投資する意向が確認されている。このため、長期的な契約を見込める若年層に主利用金融機関として選ばれることの重要性は、ライフタイムバリューの観点からこれまで以上に高まっていると言える。」
J.D. パワー 2024年個人資産運用顧客満足度調査No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
【対面証券部門】(対象5社)
第1位:三菱UFJモルガン・スタンレー証券(615ポイント)
3年連続の総合満足度第1位。「顧客対応」、「商品・サービス」、「口座情報」、「手数料・金利」の4ファクターで最高評価。
第2位:野村證券(602ポイント)
「店舗施設」のファクターで最高評価。
第3位:大和証券(598ポイント)
【全国系銀行部門】(対象5行)
第1位:りそな銀行(603ポイント)
「顧客対応」、「手数料・金利」、「店舗施設」の3ファクターで最高評価。
第2位:三井住友銀行(602ポイント)
「商品・サービス」、「口座情報」の2ファクターで最高評価。
第3位:三菱UFJ銀行(590ポイント)
【ネット証券部門】(対象5社)
第1位:楽天証券(645ポイント)
「口座情報」、「顧客対応」、「商品・サービス」の3ファクターで最高評価。
第2位:松井証券(627ポイント)
第3位:SBI証券(626ポイント)
「手数料・金利」のファクターで最高評価。
【スマホ専業証券部門】(対象3社)
第1位:大和コネクト証券(617ポイント)
3年連続の総合満足度第1位。「手数料・金利」、「顧客対応」、「商品・サービス」*² の3ファクターで最高評価。
第2位:PayPay証券(608ポイント)
「口座情報」、「商品・サービス」*2の2ファクターで最高評価。
第3位:LINE証券(595ポイント)
*² 大和コネクト証券とPayPay証券の「商品・サービス」ファクターのスコアは同点。
【ネット銀行部門】(対象5行)
第1位:住信SBIネット銀行(643ポイント)
「手数料・金利」ファクターで最高評価。
第2位:ソニー銀行(640ポイント)
「口座情報」、「顧客対応」の2ファクターで最高評価。
第3位:auじぶん銀行(630ポイント)
「商品・サービス」ファクターで最高評価。
《J.D. パワー 2024年個人資産運用顧客満足度調査℠概要》
年に1回、民間の銀行、証券会社で、投資信託・株式・外貨預金・FXなどの資産運用を行っている個人投資家(全国の20歳~79歳)を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を聴取し明らかにする調査。
今回で13回目の実施となる。
サービス形態をもとに「対面証券」、「全国系銀行」、「ネット証券」、「スマホ専業証券」、「ネット銀行」の5部門に分けて集計した。
■実施期間:2024年4月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:銀行、証券会社で個人資産運用サービス(投資サービス)を利用した人(20歳~79歳)
■調査回答者数:11,570人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
【対面系】(対面証券部門、全国系銀行部門):「顧客対応(担当者・オンライン・コールセンター)」(32%)、「商品・サービス」(29%)、「口座情報」(19%)、「手数料・金利」(14%)、「店舗施設」(4%)、「問題解決」(1%)
【ネット系】(ネット証券部門、スマホ専業証券部門、ネット銀行部門):「手数料・金利」(30%)、「口座情報」(24%)、「顧客対応(オンライン・コールセンター)」(24%)、「商品・サービス」(20%)、「問題解決」(1%)
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。