MS&ADインターリスク総研株式会社のプレスリリース
【1. 背景】
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、2023年9月18日に企業等が自然関連課題(自然への依存・インパクト、自然関連リスク・機会)を評価・管理・情報開示する枠組みの第一版を、金融セクター向けガイダンスも含めて公表しました。すでに100社を超える日経企業がTNFDを採用することを表明しています。これを受けてMS&ADインターリスク総研は、これまで20社を超える(※1)企業のTNFDに沿った分析や情報開示を支援してきました。
一方、金融セクターの中でも地域金融機関は、特定の地域に顧客が集中しており、地盤を有することが特徴です。つまり地域金融機関は、自社の地盤に着目して、地域の自然や産業の特性およびその関係性を捉えるような評価を行うことで、地域経済と自社にとって重要な自然関連のリスクや機会の検討を進めていくことが可能であると考えられます。同時に、地域金融機関が自社にとっての「地盤」という目線を持たずに評価を進めることは、自社事業にとって重要な自然関連のリスクを見落とす危険性もあると言えます。
気候変動分野において、MS&ADインターリスク総研は2017年から各種TCFD支援コンサルティングを展開し、地域金融機関30行以上(※2)を支援してきました。数多くの地域金融機関を支援してきた実績と経験に基づき、自然関連分野においても、地域金融機関ならではの評価・開示・アクションを支援する「地域金融機関向けTNFDコンサルティングサービス」を開始します。
※1 2023年9月~2024年4月現在の実績
※2 2024年5月現在の実績
【2. サービス概要】
TNFDが提示している金融セクター向けガイダンスの内容も踏襲しながら、それぞれの地域金融機関およびその地盤が有する特有の性質や課題の探索、それらを踏まえた自然関連の評価・開示・アクションを支援するサービスです。地盤の自然や産業の特性に係る情報の収集とスクリーニング、その内容を踏まえた地盤において特に重要な自然資源や課題の検討や融資ポートフォリオの分析、地盤における関係者(自治体、企業、事業所、専門家など)への参画も募ってのネイチャー・ポジティブをテーマとしたシンポジウム等の開催など、それぞれの地域金融機関の取り組み状況やニーズに応じた支援が可能です。
本サービスでは、TNFDが公開している、自然関連の依存・インパクト・リスク・機会の特定と評価のための任意の手引き「LEAPアプローチ」の、各ステップで推奨される事項を踏まえたメニューを用意しています。LEAPとは、自然との接点を発見する“Locate”、依存やインパクトを診断する“Evaluate”、重要なリスクや機会を評価する“Assess”、対応や報告のための準備をする“Prepare”という主要な4つのフェーズの頭文字を取ったもので、準備段階として全体の方向性や検討の進め方を検討する“Scoping”フェーズも設けられています。
地域金融機関向けTNFDコンサルティングサービスのメニュー一覧
地域金融機関の営業基盤としての重要地域の自然・産業特性の概観支援イメージ
【MS&ADインターリスク総研株式会社について】
本社 : 〒101-0063
東京都千代田区神田淡路町2-105 ワテラスアネックス(10~11階)
代表者 : 代表取締役社長 一本木 真史
設立 : 1993(平成5)年1月4日
資本金 : 3億3,000万円
URL : https://www.irric.co.jp/
事業概要: コンサルティング、受託調査研究、セミナーの開催/講師派遣、出版