AIと金融DXのMILIZEが、最新のAI技術であるエージェントモデル(*1)を搭載した「MILIZE Financial AGENT」を発表

より複雑な業務を精度高くこなす生成AIの新たな分野である、マルチLLMに対応したエージェントフレームワークの提供により、あらゆる金融業務の効率化を目指す

株式会社MILIZEのプレスリリース

 AIと金融DXの株式会社MILIZE(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中 徹、以下「MILIZE」)は、最新のAI技術であるエージェントモデルを搭載した「MILIZE Financial AGENT」を発表します。より複雑な業務を精度高くこなす生成AIの新たな分野である、マルチLLMに対応したエージェントフレームワークの提供により、あらゆる金融業務の効率化を目指します。

■開発背景

 昨今、AI技術、とりわけ大規模言語モデル(LLM)や生成AIの進化が目覚ましいものとなっています。これらの技術は、自然言語処理やデータ分析能力の飛躍的な向上をもたらし、さまざまな分野で革新を引き起こしています。金融業界においても、これらの技術を活用することで、従来の業務プロセスを大幅に効率化し、より高度な分析とアドバイスを提供することが可能となってきました。

 MILIZEは、この技術トレンドを背景に、金融の業務をサポートする「MILIZE Financial AGENT」を発表します。最新のLLMと、様々な機能(シミュレーション・情報検索・市場予測、リスク管理など)を組み合わせることで、例えばリテール分野の場合、顧客データを分析し、個々の顧客に最適な人生設計やリスクへの備え、投資戦略を提案することを目指しています。

 MILIZEでは、金融データサイエンティストに加え、金融業務の知識を保有するプロフェッショナルが多数在籍しており、フィンテック、AI分野でビジネスを展開しています。自社サービスでの様々な行動データや外部のオルタナティブデータも蓄積をしています。

 多くの金融機関の生成AIのプロジェクトを支援しているなかで、チャット形式のLLMの活用よりも、自律的に作業を行うニーズの方が多いということを理解しました。エージェントモデルの構築と多種多様なLLMをベースとしたアプリを使用するエージェントワークフローの構築が急務であると確信しています。

■「MILIZE Financial AGENT」特徴

  1. 金融業務ワークフロー構築:金融業務などの知見を持ったメンバーが業務フローを描きその業務知識を蓄積したものをベースとして、汎用化されたワークフローを構築します。

  2. 複数LLMの利用:複数のLLMを適材適所で使い、業務に必要な検索機能やシミュレーション機能を呼び出し、様々な業務をサポートします。

  3. データ基盤構築:社内外の必要な情報を収集し、データ化し、エージェントが必要とする参照データを集積します。

  4. 誤回答リスクの低減:特定の業務にはRAG(※2)やFine-tuning(※3)の技術活用や、監査・検査エージェントを配置することで、誤回答のリスクをより抑えることが可能です。

  5. MILIZEオルタナティブデータの活用: LLMと生成AIの技術を活用し、膨大な市況情報、経済データを瞬時に解析します。市場のトレンドやリスク要因を把握し、精度の高いアドバイスを提供します。

  6. パーソナライズ:LLMでは精度のでない領域(パーソナライズ・エンジン等)は機械学習・深層学習で外部にエンジンを構築して、APIで呼び出すことも可能です。

  7. エージェント構築環境の提供:金融機関がノーコードでLLMを活用したエージェント構築ができる環境を提供予定です。

■「MILIZE Financial AGENT」のワークフローの一例

「MILIZE Financial AGENT」のワークフローの一例

 ファイナンシャルアドバイザーの考え方や仕事の仕方をワークフローにまとめた一例です。この仕組みにより、顧客へのアドバイスをより多角的に考え、回答の精度を高くすることができます。

■今後の展望

 MILIZEは、「MILIZE Financial AGENT」の開発を通じて、金融業界における生成AI活用の新しいスタンダードを確立し、金融業界のデジタル化をさらに推進していきます。今後も継続的に技術革新を図り、より多くの金融機関や顧客に貢献してまいります。

■代表取締役社長 田中徹のコメント

 最新の生成AI技術をチャットではない形態で提供することで、多く金融機関ユーザーの効率化を図ることができ、高い顧客満足度を得ることができるようになると確信しています。『MILIZE Financial AGENT』は、金融業界の未来を切り開く重要なインフラとなるでしょう。

 

※1 エージェントモデルとは、

 LLMを使用して開発された”自律型”のソフトウェアの総称です。人が複雑な指示を出さなくても、AIが、認知・計画・行動を自律的に実行する最新AI技術。

 例えば、リテール業務の金融の複雑なアドバイスを生成するには、1つのLLMだけではなく、複数のLLMをマルチに活用しながら、各得意分野をもつエージェント(お金の課題設定が得意なエージェント、市況情報を収集するのが得意なエージェント、作成された解決策が規制や制度にあっているか確認するエージェント等)を作成し、互いを会話させる仕組みをつくることで最適な解決方法を導けると、MILIZEでは考えています。

 人間が複数プロジェクトに携わり、それぞれの強みを活かす環境を作ってこそ、よい仕事ができるのはAIも同様であると考えています。

※2 RAG(Retrieval Augmented Generation)とは、

 情報を生成するために、事前に取得した外部データを活用する技術。これにより、質問に対してより正確で具体的な回答が得られるようになる。

※3 Fine-tuningとは、

 既存のAIモデルを特定のタスクや目的に合わせてさらにトレーニングするプロセス。これにより、モデルがその特定のタスクでより良いパフォーマンスを発揮できるようになる。 

■会社概要

社 名:株式会社MILIZE

U R L:https://milize.co.jp/

所在地:〒108–0023 東京都港区芝浦4丁目12番38号 CANAL GATE SHIBAURA (キャナルゲート芝浦) ビル6階

設 立:2009年4月

代表者:代表取締役社長 田中 徹

事業内容:金融工学、AI研究、フィンテックツールの企画・開発・運用、金融マーケティング支援

■お問い合わせ先

株式会社MILIZE

営業本部 田中沙織

電話:03-4500-1311

お問い合わせフォーム:https://milize.co.jp/contact