JCBとイマーゴ、新たな購買体験を実現する「近づいてチェックTM」プロジェクトを開始

~UWB/BLEを用いてお客様のストレス緩和と店舗オペレーションの省力化を目指す~

株式会社ジェーシービーのプレスリリース

株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役兼執行役員社長:二重 孝好、 以下JCB)と、株式会社イマーゴ(本社:東京都港区、代表取締役社長:神尾 寿、以下イマーゴ)は、UWB(Ultra Wide Band)とBLE(Bluetooth Low Energy)を用いて新たな購買体験を実現する「近づいてチェック」プロジェクトを開始し、プロトタイプを開発いたしました。そのコンセプトとして、実際にUWB/BLEを用いて動くiPhoneおよびApple Watch向けアプリと、店舗レジ機材のリファレンスモデルを制作し、ユーザーテストを開始いたしました。

本プロジェクトの背景

現在、キャッシュレス決済の多様化や各種ポイントサービスの増加、会員証アプリやデジタルクーポンの普及、企業の環境対策など様々な理由により、レジでの決済時にお客様の選択と意思表示が必要なタスクが増加しています。これにより店員との口頭確認が増えており、レジでの購買体験は煩雑なものとなり、また、聞き間違いや伝え間違いによるトラブル発生の原因となっています。

JCBとイマーゴが昨年Zα世代(現在の中高生)とZ世代(大学生から20代の社会人)に行った調査(※)では、この購買体験の煩雑化は若年層にとって大きなストレスになっており、店員にとってもレジ作業の負担や接客トラブルの原因になっていることがわかりました。

※本調査は、イマーゴ社が九州大学に設置したシンクタンク「iQ Lab」での調査、および、東京都内の和洋九段女子中学校高等学校などの協力を受けながら実施いたしました。

JCBとイマーゴでは、若年層が強く感じている購買体験の煩雑化を、UWB/BLEという通信技術とスマートフォンアプリを用いて解消する仕組みとして、「近づいてチェック」プロジェクトを開始し、プロトタイプを開発しました。

「近づいてチェック」の概要

「近づいてチェック」は購買体験をワンストップ化するソリューションです。支払い方法やポイントカードの有無、酒類やたばこ購入時の年齢確認、レジ袋の有無など、店頭で確認される内容について、スマートフォンのアプリに「チェック項目」として事前登録します。

店頭ではスマートフォンのアプリと店舗レジ機材がUWB/BLEを用いて通信し、お客様のスマートフォンを取り出したり操作したりすることなく、自動的にアプリ上で設定された情報を店頭レジ機材へ送信いたします。店舗レジ機材の店員側の画面にはお客様があらかじめ設定したチェック項目が表示されるため、お客様と店員が口頭確認せずにスムーズに買い物ができるようになります。店舗レジ機材のお客様向け画面はタッチパネルになっており、事前に設定したチェック項目をその場で変更することもできます。

これまで店頭で行われていたさまざまな確認作業が自動化されるため、「聞き間違え」や「聞き逃し」を防ぎ、お客様と店員が安心して買い物できる環境を構築できます。さらにお客様向けのスマートフォンアプリと店員が確認する店舗レジ画面はそれぞれ多言語に対応しており、外国人のお客様や店舗スタッフの増加によるコミュニケーションコストの増加を抑制できる仕組みになっています。

近づいてチェックのメリット

近づいてチェックはお客様と加盟店に以下のようなメリットがあると想定しています。

<お客様>

①利用したいキャッシュレス決済やポイントサービス、レジ袋やカトラリーの有無など、レジでの確認作業が省略できる。

②デジタル身分証を登録することで、年齢確認や本人確認が必要な時もワンストップで認証できる。

③レジでの購買時間が大幅に短くなることによるストレス軽減。

<加盟店様>

①支払方式の確認やポイントカードの有無など、面倒な口頭確認を省略できることによるレジ回転率の向上。

②「聞き逃し」「聞き間違え」の抑制による店頭トラブルやクレームの抑制。

③レジでの確認事項の省略と店員側UIの多言語対応により、日本語が苦手な外国人店員を支援。人材確保の対象拡大。

④入店時や店内での導線や決済時を活用した新たなデジタルCRMの可能性拡大。

今後の展望

JCBとイマーゴは今回開発したリファレンスモデルを基にした、実際の店舗での実証実験を予定しています。また、九州大学を拠点にするイマーゴ社のシンクタンク「iQ Lab」においてユーザー調査や商用化に近い環境での実証実験を計画しているほか、東京都内の和洋九段女子中学校高等学校などの協力を受けながら、お客様と加盟店様に受容されるサービスを目指して課題抽出とUXモデルを改善し、次世代の購買体験として早期の商用化と社会実装を目指していきます。

本プロジェクトに関連した特許の出願状況

JCBでは、今後のキャッシュレス決済の拡大を見据え、お客さまの決済体験をより向上させるモデルや、店舗での付加価値提供がより重要になると考え、これら課題への解決策となりうるモデルの具体化検討を踏まえて 、複数の特許を出願中です。(特願2024-28470号、特願2024-47813号など)

【株式会社ジェーシービーについて】

1961年に設立し、日本発唯一の国際カードブランドを運営する企業としてJCBカードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、アジアを中心に国内外のパートナー企業と JCBカードの発行を拡大しています。また、総合決済サービス企業の実現を目指し、お客様やパートナー企業の皆様の期待にお応えするさまざまな事業を展開しています。

【株式会社イマーゴについて】

最新テクノロジーと若者世代の調査・分析から、「次の市場、次の社会」にフォーカスした事業戦略の策定支援や新ビジネスの企画、ユーザー体験設計を行うコンサルティングファームです。若年層の深層心理や行動モデルを科学的に分析して戦略策定を行い、“新たなビジネスやトレンド、ユーザー体験を設計・開発すること”を得意としています。

イマーゴ社は国立大学法人 九州大学と包括的な連携協力体制を構築しており、同大学内を拠点とするシンクタンク部門のiQ Labを設置しています。iQ Labでは30歳以下の若手研究者やエンジニア、デザイナーが中心となり、新事業領域の調査・研究、UXデザイン設計、ソフトウェアおよびハードウェアの試作開発から大規模な実証実験の運営までを一気通貫で行っています。

【和洋九段女子中学校高等学校について】

昨年、創立125年を迎えた伝統女子校です。校訓は「先を見て齊(ととの)える」(先を見通す知性をもって予測しにくい未来に対応しうる能力を身につけ、それを奥に秘め、あわてず静かに待つの意)。2016年度より学校改革に取り組み、21世紀型教育の推進を行っています。近年は「Connected School」構想を打ち出し、学校内にとどまらず校外のあらゆる機関と連携し、生徒たちが未来を切り拓いていくための素養を身につけられるよう教育を展開しています。

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