子どもの教育資金に関する調査2024

ソニー生命調べ/大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1,000名にアンケート

ソニー生命保険株式会社のプレスリリース

このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 髙橋 薫)は、2024年1月31日~2月1日の2日間、大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女に対し、今年で11回目(※)となる「子どもの教育資金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
※2014年~2016年は「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」として発表

・「子どもが希望するなら、多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」親の8 割半

・「子どもの教育資金に不安を感じる」親の8 割半、不安を感じる理由 「物価の上昇」がダントツ

・小学生から社会人になるまでに必要な教育資金

・平均予想金額は1,439 万円、調査開始以来の最高額を更新!

・子どもに目指してほしい“理想の大人” 有名人では1 位「大谷翔平さん」

・自分の子どもに就いてほしい職業 男子・女子の親ともに1 位は「公務員」

◆親の6割半が「子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まる」と実感

◆親の約7割が「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要」と実感

大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1,000名(全回答者)に、子どもの教育や教育費に関する内容について、自身の考えや状況がどの程度あてはまるか聞きました。

≪子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる≫では、「非常にあてはまる」が16.6%、「ややあてはまる」が47.3%で、合計した「あてはまる(計)」は63.9%となりました。子どもの学力や学歴が教育費の多寡に大きく依存していると実感している親が多いようです。

≪老後の備えより子どもの教育費にお金を回したい≫では「あてはまる(計)」は59.7%、≪早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ≫では「あてはまる(計)」は68.1%、≪スポーツや芸術の習い事よりも学習塾に教育費をかけたい≫では「あてはまる(計)」は41.5%となりました。 

(図1)

◆親の8割半が「子どもが希望する場合、多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」と回答

◆親の約5割が「学生時代にはアルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい」と回答

◆親の6割半が「子どもが希望する場合、海外留学や海外研修は多少費用がかさんでも経験させたい」と回答

全回答者(1,000名)に、子どもの大学等(大学・短期大学・専門学校、以下同様)への進学に関する意識について聞いたところ、「(子どもが希望する場合)多少費用がかさんでも進学させたい(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)が85.6%、「費用がかさむなら進学させなくてもよい(計)」が14.4%となりました。

子どもの大学等の入学金・授業料等の費用については、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい(計)」が76.4%、「費用が極力抑えられる学校を選択させたい(計)」が23.6%となりました。

経済的理由で進路選択の幅を狭めることはしたくないと考える親が多いのではないでしょうか。 

(図2)

子どもの学校への通学については、「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が49.3%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が50.7%となりました。

子どもの学生時代のアルバイトについては、「アルバイトはせず学業に専念してほしい(計)」が48.0%、「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい(計)」が52.0%となりました。 

海外留学や海外研修については、「(子どもが希望する場合)多少費用がかさんでも経験させたい(計)」が66.3%、「費用がかさむなら経験させなくてもよい(計)」が33.7%となりました。

昨年の調査結果と比較すると、「(子どもが希望する場合)多少費用がかさんでも経験させたい(計)」と回答した人の割合は、2023年59.3%→2024年66.3%と7.0ポイント上昇しました。子どもが希望するなら、海外での学びの機会を得ることやグローバルキャリアの形成を後押ししたいと考える親は増えているようです。 

(図3)(図4)

◆「子どもの教育費の負担を重いと感じる」親の約7割

全回答者(1,000名)に、自身の考えや状況に、≪子どもの教育費の負担を重いと感じる≫がどの程度あてはまるか聞いたところ、「非常にあてはまる」が23.8%、「ややあてはまる」が43.6%で、合計した「あてはまる(計)」は67.4%となりました。

子どもの就学段階別にみると、「あてはまる(計)」と回答した親の割合は就学段階が上がるほど高くなる傾向がみられ、大学生等(予備校生・浪人生・大学生・短期大学生・専門学校生、以下同様)の親では78.2%でした。 

過去の調査結果と比較すると、子どもの教育費の負担を重いと感じる親の割合は、2023年66.9%→2024年67.4%とほぼ横ばいで推移しました。 

(図5)(図6)

◆「子どもの教育資金に不安を感じる」親の8割半
不安を感じる理由 「物価の上昇」がダントツ、2位は「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」

全回答者(1,000名)に、子どもの将来について、教育資金に不安を感じるか聞いたところ、「不安を感じる」は83.5%、「不安を感じない」は16.5%となりました。

子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる」と回答した親の割合は、中高生の親(87.3%)が最も高くなり、未就学児の親(86.3%)が続きました。 

子どもの教育資金に不安を感じる親(835名)に、不安を感じる理由を聞いたところ、「物価の上昇」(55.7%)が突出して高くなりました。止まらない物価上昇を受け、今後の教育費の増加に懸念を抱く親が多いのではないでしょうか。次いで高くなったのは、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(35.2%)、「収入の維持や増加に自信がない」(33.5%)、「社会保険料の負担増」(27.8%)、「病気やケガで収入が途絶えるリスク」(23.1%)でした。

(図7)(図8)

◆小学生から社会人になるまでに必要な教育資金 平均予想金額は1,439万円、
調査開始以来の最高額を再び更新する結果に

 未就学児の親(248名)に、子どもが小学生から社会人になるまでに、教育資金はいくらくらい必要だと思うか聞いたところ、「1,000万円~1,400万円位」(31.4%)と「2,000万円~2,400万円位」(25.4%)に多くの回答が集まり、平均予想金額は1,439万円でした。

平均予想金額を過去の調査結果と比較すると、2022年1,377万円→2023年1,436万円→2024年1,439万円と、調査開始以来最高額となった2023年を上回りました。物価高や相次ぐ値上げラッシュなどを背景に、必要だと予想する教育資金は上昇を続けるも、上げ幅は縮小しました。

(図9)(図10)

◆教育資金として子どもの祖父母からこれまでに資金援助を受けた金額 平均は124万円、
昨年から20万円増加

全回答者(1,000名)に、子どもの教育資金として子どもの祖父母(自分の親や義理の親)からこれまでにいくらくらい資金援助してもらっているか聞いたところ、「0円」(49.9%)に半数の回答が集まったほか、「~40万円位」(16.6%)や「100万円位」(10.0%)にも回答が集まり、平均は124万円でした。

昨年の調査結果と比較すると、資金援助してもらっている金額の平均は、2023年104万円→2024年124万円と20万円の増加となりました。 

(図11)

◆学校外教育費の平均支出金額は17,593円/月、調査開始以来最高額に

全回答者(1,000名)に、スポーツや芸術などの習い事、家庭学習、教室学習のそれぞれに1ヶ月あたりいくらくらい支出しているか聞き、それぞれの平均支出金額を合計したところ、17,593円/月となりました。

平均支出金額の合計を過去の調査結果と比較すると、2023年16,861円→2024年17,593円と732円の増加となり、調査開始以来最も高い水準となりました。子どもの将来の可能性を広げるために、学校外教育の機会を積極的に活用する親が増えているのではないでしょうか。 

子どもの就学段階別に平均支出金額の合計をみると、未就学児の親では9,218円/月、小学生の親では18,914円/月、中高生の親では25,675円/月、大学生等の親では16,453円/月となりました。

平均支出金額の合計を昨年の調査結果と比較すると、小学生の親と中高生の親では調査開始以来最も高い水準となりました。 

(図12)(図13)

◆子どものこづかいの平均額 小学生では2,777円/月、中高生では7,073円/月

◆「子どもの携帯・スマホ料金に支出している」小学生の親では4割半、中高生の親では約9割

高校生以下の子どもの親(748名)に、子どものこづかいや、携帯電話・スマートフォンの通信・通話料金への支出状況について聞きました。

子どもの≪こづかい≫に支出している親の割合を子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では19.0%、小学生の親では46.8%、中高生の親では75.0%でした。 

子どものこづかいに支出している親(352名)の平均支出金額は、未就学児の親では1,819円/月、小学生の親では2,777円/月、中高生の親では7,073円/月となりました。 

また、子どもの≪携帯・スマホの通信・通話料金≫に支出している親の割合を子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では16.9%、小学生の親では46.0%、中高生の親では88.5%でした。 

(図14)(図15)(図16)

◆子どもの進学費用のための備え 平均支出金額は16,942円/月、昨年から1,430円の減少

高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(752名)に、子どもの進学費用のための備えとして、一人あたり月々いくらくらい支出をしているか聞いたところ、「0円」(30.6%)に最も多くの回答が集まったほか、「10,000円~14,999円」(17.6%)や「20,000円~29,999円」(17.4%)、「30,000円以上」(19.3%)にも回答が集まり、平均は16,492円/月でした。 

平均支出金額を過去の調査結果と比較すると、2022年15,690円→2023年18,372円→2024年16,942円と、昨年みられた増加から一転、今年は1,430円の減少となりました。物価高による実質賃金の減少を受け、家計の厳しさが増しているという実態が垣間見える結果となりました。 

(図17)(図18)

◆子どもを大学等へ進学させるための教育資金の準備方法 TOP2は「銀行預金」「学資保険」

高校生以下の子どもの親(748名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備しているか聞いたところ、「銀行預金」(56.4%)が最も高くなり、「学資保険」(43.7%)、「資産運用(株式投資、投資信託、NISAつみたて投資枠等)」(19.0%)、「(学資保険以外の)生命保険」(10.0%)、「財形貯蓄」(9.4%)が続きました。

世帯年収別にみると、世帯年収が1,000万円以上の人では「資産運用(株式投資、投資信託、NISAつみたて投資枠等)」が34.7%と、全体(19.0%)と比べて10ポイント以上高くなりました。 

(図19)

他方、大学生等の親(予備校生・浪人生を含まない)(248名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備してきたか聞いたところ、「銀行預金」(69.0%)が突出して高くなり、「学資保険」(39.9%)、「奨学金」(17.3%)、「子どもの祖父母(自分の親や義理の親)からの資金援助」(10.9%)、「資産運用(株式投資、投資信託、NISAつみたて投資枠等)」(10.5%)が続きました。 

(図20)

◆「大学等の学費は高すぎる」高校生以下・浪人生の親の8割強

◆「大学等の学費を無償化してほしい」高校生以下・浪人生の親の8割半

◆「給付型奨学金をもっと利用しやすくしてほしい」高校生以下・浪人生の親の8割強

◆「貸与型奨学金を利用した場合、返済時に支援したいと思う」高校生以下・浪人生の親の8割

高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(752名)に、大学等の学費(入学金・授業料)や奨学金に関する意識について聞きました。 

≪大学等の学費は高すぎると思う≫では「非常にそう思う」が41.5%、「ややそう思う」が41.4%で、合計した「そう思う(計)」は82.8%、≪大学等の学費を無償化してほしい≫では「そう思う(計)」は83.5%となりました。 

奨学金には、返済が不要な給付型奨学金と、返済が必要な貸与型奨学金があり、さらに貸与型奨学金には無利子で借りるものと有利子で借りるものがあります。

≪給付型奨学金(返済不要)をもっと利用しやすくしてほしい≫では「そう思う(計)」は83.0%、≪貸与型奨学金(無利子で借りる)をもっと利用しやすくしてほしい≫では「そう思う(計)」は79.7%となりました。 

 また、子どもが貸与型奨学金を利用した場合、返済時に支援したいと思うか聞いたところ、「そう思う(計)」は79.7%となりました。 

(図21)(図22)(図23)

◆2024年10月から行われる児童手当の拡充に対する期待度
「児童手当の所得制限撤廃」は親の6割半、「児童手当の高校生年代までの延長」は親の7割半、
「児童手当の多子加算」は親の5割半が期待

◆「多子世帯の大学無償化に期待したい」子どもが3人以上いる親の8割半

政府が2023年に決定した『こども未来戦略』について質問しました。『こども未来戦略』では、異次元の少子化対策の実現を目指すための取り組みとして、児童手当の拡充や多子世帯の大学無償化などが掲げられています。児童手当の拡充は2024年10月から、多子世帯の大学無償化は2025年度から行われる予定です。 

全回答者(1,000名)に、2024年10月から行われる児童手当の拡充について、どのくらい期待したいと思うか聞いたところ、≪児童手当の所得制限撤廃(現在設定されている所得制限が撤廃)≫では、「非常に期待したい」が27.3%、「やや期待したい」が36.2%で、合計した「期待したい(計)」は63.5%、「全く期待したいと思わない」が11.7%、「あまり期待したいと思わない」が24.8%で、合計した「期待したいと思わない(計)」は36.5%となりました。 

≪児童手当の高校生年代までの延長(中学生までだった支給対象が18歳までに)≫では、「期待したい(計)」は76.5%、「期待したいと思わない(計)」は23.5%となりました。

高校生の親(123名)についてみると、「期待したい(計)」は88.6%と、全体(76.5%)と比べて12.1ポイント高くなりました。 

(図24)(図25)

≪児童手当の多子加算(第3子以降の手当が大幅に増額され月額3万円に)≫では、「期待したい(計)」は53.9%、「期待したいと思わない(計)」は46.1%となりました。

子どもが3人以上いる親(101名)についてみると、「期待したい(計)」は78.2%と、全体(53.9%)と比べて24.3ポイント高くなりました。 

≪多子世帯の大学無償化(3人以上の子どもを扶養する世帯では大学の入学金・授業料が減免され実質無償化)≫では、「期待したい(計)」は56.7%、「期待したいと思わない(計)」は43.3%となりました。

子どもが3人以上いる親(101名)についてみると、「期待したい(計)」は85.1%と、全体(56.7%)と比べて28.4ポイント高くなりました。 

(図26)(図27)

◆「所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化は育児支援策として有効」は親の7割半が同意、
九州・沖縄では8割半

◆「所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化を全国一律の制度として実施すべき」は親の8割が同意、
九州・沖縄では8割半

◆「所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化は税金の使い道として不適切」は親の4割半が同意、
北陸・甲信越では5割半

高校の授業料無償化について質問しました。大阪府は所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化を目指し、来年度から段階的に授業料が無償化となります。また、東京都は来年度から所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化をスタートさせます(大阪府・東京都どちらの無償化も府民・都民が対象)。

そこで、全回答者(1,000名)に、所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化について、どのくらい同意できるか聞いたところ、≪育児支援策として有効だと思う≫では「非常にそう思う」が31.0%、「ややそう思う」が43.8%で、合計した「そう思う(計)」は74.8%、≪全国一律の制度として実施すべきだと思う≫では「そう思う(計)」は79.6%となりました。

高校生の親(123名)についてみると、≪育児支援策として有効だと思う≫では「そう思う(計)」は81.3%、≪全国一律の制度として実施すべきだと思う≫では85.4%と、全体(順に74.8%、79.6%)と比べて5ポイント以上高くなりました。 

また、≪税金の使い道として不適切だと思う≫では、「そう思う(計)」は45.9%となりました。 

(図28)(図29)(図30)

 エリア別にみると、≪育児支援策として有効だと思う≫で「そう思う(計)」と回答した人の割合が最も高くなったのは九州・沖縄(85.1%)、≪全国一律の制度として実施すべきだと思う≫で「そう思う(計)」と回答した人の割合が最も高くなったのはこちらも九州・沖縄(85.1%)でした。 

≪税金の使い道として不適切だと思う≫で「そう思う(計)」と回答した人の割合が最も高くなったのは北陸・甲信越(54.0%)でした。 

(図31)(図32)(図33)

◆子どもに目指してほしい“理想の大人” 有名人では1位「大谷翔平さん」

◆子どもに目指してほしい“理想の大人” アニメキャラでは1位「江戸川コナン」

◆子どもに目指してほしい“理想の大人” 歴史上の人物では1位「徳川家康」

 全回答者(1,000名)に、自分の子どもに目指してほしい“理想の大人”のイメージに合う有名人やアニメキャラ、歴史上の人物について聞きました。

有名人では、1位「大谷翔平さん」、2位「芦田愛菜さん」、3位「所ジョージさん」となりました。「所ジョージさん」は昨年の5位から上昇しTOP3入りしました。

 (図34)

(図35)(図36)

◆自分の子どもに就いてほしい職業 男子の親では1位「公務員」2位「会社員」3位「医師」

◆自分の子どもに就いてほしい職業 女子の親では1位「公務員」2位「看護師」3位「医師」

 最後に、全回答者(1,000名)に、自分の子どもに就いてほしい職業を聞きました。

男子の親では、1位「公務員」、2位「会社員」、3位「医師」、4位「研究者」、5位「医療関係職(医師、看護師など除く)」となりました。

選んだ理由をみると、1位の「公務員」については「収入が安定しているから」、2位の「会社員」については「本人が希望しているから」、3位の「医師」については「人のためになる仕事だから」といった回答が挙げられました。 

女子の親では、1位「公務員」、2位「看護師」、3位「医師」、4位「会社員」「薬剤師」となりました。

選んだ理由をみると、1位の「公務員」については「収入など安定しており、将来も安心できるから」、2位の「看護師」については「どの場所にいても需要がある職業だと思うから」、3位の「医師」については「人の役に立てるから」といった回答が挙げられました。

(図37)(図38)